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【社員インタビュー】ビジネスプロデューサー 志賀 研介

志賀 研介  Shiga Kensuke
事業開発部 ビジネスプロデューサー
2010年入社。前職ではTVCM制作からハリウッド映画の助監督まで、幅広いジャンルの映像作品に携わる。「お伝と伝じろう」「はりきり体育ノ介」「カガクノミカタ」をはじめとした教育番組の企画開発プロデュースや、「ムジカ・ピッコリーノ」「シャキーン!」といった子ども向けエンタメコンテンツのプロデュースを担当。近年は、企業の社史や事業をアニメで解説する「ストーリーグラフ」の開発や、企業と連携した教材の開発及びコンサルティング、官公庁や自治体のPRなどを手がける。1児の父。



ディレクションズに入社する前のお仕事は?

大学卒業後、最初に入社したのがTVCMの制作会社で、10年間在籍して最後の3年くらいはCM以外のコンテンツを作る新設の部署で劇場映画のアシスタントプロデューサーや助監督をしていました。

その後、2006年〜2009年までは映像作家の石井克人氏に師事し、プロデューサー/助監督として劇場映画の制作に携わっていました。


DIRECTIONSに入社したきっかけは?

前職の会社を辞めて転職活動をしている時に、長江会長と共通の知人ディレクターを介してディレクションズを紹介してもらったのがきっかけです。当時ディレクションズでは「イヴの時間」や「こびとづかん」の劇場版を制作していたので、転職先として映画の配給会社を紹介してもらうつもりで相談に行ったのが最初でした。その時は軽くこれまでの経歴を軽く話す程度の面談だったと思います。

でも時はリーマンショックの真っ只中。映画業界どころか世界経済そのものが冷え切っていて、転職活動は思うように進まず半年が経ち、内心めちゃくちゃ焦っていました。

そんな年の瀬のある日、突然長江会長から電話が鳴ったんです。「うちで仕事が増えそうでプロデューサーを探してるんだけど来ない?」

その頃NHKでは、教育番組を一斉にオンラインコンテンツ化する「NHK for School」の開発前夜でした。ありがたくお誘いを受け、年が明けると共にディレクションズに入社しました。



印象に残っている仕事・プロジェクトを教えてください

ディレクションズに入社してからはEテレの教育番組や学習コンテンツの制作に関わることが多かったのですが、教育にクリエイティブを取り入れるということが、それまでやってきたことと全く違って新鮮でとにかく面白いと思いました。中でもEテレの「はりきり体育ノ介」は印象に残っているプロジェクトの1つです。
それまで「体育」を番組化した前例がほとんどなく、体育がテーマなのに運動を苦手に感じる子にも届けたいというのがテーマでした。そういう子たちに共感してもらうにはどうすれば良いのか頭を悩ませました。そんな中考えついたのが、運動の機能がインストールされていないダメなサイボーグが主人公という設定や、番組でお馴染みとなっている多視点の映像表現でした。特に多視点映像に関しては、自分たちでテスト映像を撮影&編集してクライアントに提案したりしました。そうやって0から開発した番組が10年以上経った今でも学校現場で使われているのはとても嬉しいことですね。


左:「はりきり体育の介」主人公の運動の機能がインストールされていないダメなサイボーグ
中央、右:「はりきり体育の介」多視点映像テスト撮影風景


「ムジカ・ピッコリーノ」フジロック、朝霧JAM出演への道

もう一つ印象に残っているのが、「ムジカ・ピッコリーノ」のロックフェスへの出演です。
これは遡ること2013年、フジロックを主催しているSMASH社に、飛び込みで営業に行ったことに端を発します。その時は拙い企画を持っていって軽く断られたんですけど(笑)、その時面談してくれたのがSMASH創設メンバーの1人でもある石飛智紹さんでした。
その石飛さんが「お前らバカであそびごころがあって面白そうだな」と言ってくれて、フジロックのキッズランドのボランティアとして我々を受け入れてくれたんです。

2013年FUJIROCK FESTIVALキッズランドでのボランティア

そうこうしているうちに「ムジカ・ピッコリーノ」の放送が始まり、やがて石飛さんが番組のファンになり、オフィシャルテレビとして他局名義が並ぶフジロックにNHKのコンテンツであるムジカをどうにかバンドとして出演させたいと密かな企みがスタートしました。

最初に実現したのは2015年、フジロックのキャンプサイトにあるピラミッドガーデンでの、メロトロン号メンバーによるステージ出演でした。ここで2年間、ステージ経験を重ねました。

そして2018年、ベルカント号のメンバーたちが同じくSMASH主催の「朝霧JAM」にオープニングアクトとして出演。この模様はEテレで特番として放送されました。20年以上の歴史を誇る朝霧JAMが地上波で放送されたのはこれが初めてのことでした。

そして2021年、アルカ号のメンバーたちがフジロック「ジプシーアバロン」でのステージ出演を果たします。こうして、ぼくと石飛さんによる企みは8年の歳月を経て実を結びました。

左から志賀 研介(DIRECTIONS)と娘、石飛智紹 氏(SMASH)


どんな時に仕事のやりがいを感じますか?

一度ご一緒させていただいたクライアントに「またお願いします」と新たなご依頼を頂いた時です。一度きりのお仕事で終わるのではなく、再びお声がけいただけることで初めて信頼を頂けたのだと実感することができて、プロとしてやりがいを感じます。もう一つは、今我が子が小学生なので、自分が携わったコンテンツを子どもたちが見て喜んでくれたり、学校で友達と話題になったという話を聞くのは素直に嬉しいですね。「100秒でわかる名作劇場」や「はりきり体育の介」「お伝と伝じろう」なんかは学校の授業でも見てくれているようなので、とても光栄なことだと思います。


最近注目しているコンテンツは? 

いま個人的にすごく好きで癒されてるのがイラストレーターのつむパパさんのインスタです。5歳くらいの娘さんと3歳くらいの息子さんの普段の何気ないどうでもいい会話をこっそり録音して、プレスコ※にしてアニメ化しているんですけど、親として「あるある」と共感できて笑えるところや、子どもたちが小さいうちだけという超期間限定的な切なさが感じられるところも良かったり、狙って作れるものではない、偶然性をうまく作品に昇華しているところがすごいなって思います。
※プレスコ:声を先に録音し、そこにアニメーションをのせる手法



これから挑戦したいことは?

新たな教育の方針を提案できるようなコンテンツや仕組みの開発に携ってみたいです。日本の次代を生きる子どもたちが何を指針に学び成長していくのか、単に諸外国の真似をしたり、最新の技術に頼るだけでなく、日本社会や文化に合った場のあり方や学びの目的みたいなものが提案できたらいいなと思います。中でも気になっているのは体育やスポーツに関する教育の研究です。

例えば「ゾーン体験」や「フロー体験」といった、これまで一部のトップアスリートだけが体験できるとされてきた感覚ですが、実は誰もが体験したことのある「夢中になる」ことと同じような感覚であるということがわかっているそうです。この感覚を意図的に生み出したり計測したりする研究があるそうで、もしこれが教育に活かされたら、いろんな人が自分の気づいていない「夢中になれること」=「適正に出会うこと」が実現する気がします。

そうすれば、学びもスポーツの練習も、自分の好きなことのためにするものという考え方ができるようになると思うんです。教育によって、生きる意味や学ぶ目的を見つけることができたらとても豊かで素敵だなと思い、いま少しずつネットワークの構築や情報収集を始めています。



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