会社設立から5年が経過し、ロゴのデザインをリニューアルしたデパート。
ロゴ制作のプロセスと調整、採用されなかったさまざまなロゴ案などー。
前編に引き続き、担当デザイナーの伊藤さんを中心にインタビューをさせていただき、制作秘話を伺いました。
ーーその後の調整はどのように進められましたか。
伊藤さん(担当デザイナー):決定したタイポグラフィとシンボルマークを細かく調整していきました。2つに絞ったシンボルマークでしたが、「このままではDに見えないのではないか」という懸念もあり、その中間のようなデザインなどいくつかのデザインパターンを出しました。
【実際に出した提案一覧】
タイポグラフィに関しては、長方形をもとに制作を進めていくと、うまくバランスが取れず、黄金比もあまり使えませんでした。そこで、今までの大文字の「DEPART」から小文字の「depart」に変更することで、新たな印象に変えることもできますし、黄金比だけで設計することができるようになりました。この時点で、長方形は使わず円のみを使うように変更しました。
こちらがBeforeとAfterです。
【Before】
【After】
タイポグラフィに関しては、これでほぼ決定となりました。
シンボルマークについては、いろいろな案やバリエーションを出し、どれが良いか役員の方々に見て選んでいただくというプロセスになりました。
文字サイズとシンボルマークのバランスや、シンボルマークに対してどこに文字を置くかなどのバリエーションを出しながら、どのバランスが良くて、どのシンボルマークが良いのかを選ぶ材料としました。
【実際に出した提案一覧】
例えば、このDの線をどこまで伸ばすか、というような細かいところも含めてバリエーションを出しました。
その結果、スマイルの案ではなく、「D」を回転させると「G」に見える案に決まりました。そこからさらに細かい調整を行い、シンボルマークの幅を2種類まで絞りました。
そして、この2種類に絞ったシンボルマークをどちらにするか決定するにあたって、バランスの検討のために、こういったバリエーションをいくつも出し、ガイドラインがあるものやないものなど、さまざまな状態を役員の方々に確認していただきました。
こちらが、おおよそフィックスしたロゴです。
ーーやっと完成したわけですね。
これでほぼ完成しましたが、そこからさらに非常に細かい微調整をかけてブラッシュアップを行いました。
これ以降の部分に関しては、目で見てもあまりわからないレベルなのですが、例えば、小さくして印刷した時に潰れがないか、目で見て微妙な違和感がないか、というような微調整を行いました。実際に左右真ん中に配置していても、人間の目で見ると錯覚でバランスが取れていないように見えることもあるため、そういった微調整をしながら選びました。この部分に関しては、僕の方で「これだ」というものを判断して決めていきました。
【実際に出した提案一覧】
そして、最終的にロゴが完成しました。
こちらがロゴの完成形です。
ーー採用されなかった案なども見せていただくことは可能ですか。
もちろんです。
以下、日の目を見なかった案やアイデアです。
様々なデザインパターンで考え、役員の方々に見せました。
皆さん、「どういうロゴが良い」というイメージを明確に持っていたわけではないので、いろいろな可能性を探るという意味で、形になっているのかいないのか分からないようなものから、手描きのスケッチも含めて色々と模索し、形を探っていきました。
ーーたくさんの提案をしていく中で、苦労したことはありませんでしたか。
心が折れそうになる瞬間は無数にありました。むしろ折れました(笑)。
今回お見せしたプロセスというのは、途中から今井さんに設計の手法を整理していただいた、という経緯があります。その前にも提案をしていたのですが、なかなか決まらずに苦労しました。
しかし、その後にロジックを決めて制作していったことにより、無闇に進めていた時よりも、着実にゴールに近づいていっているということを感じましたし、非常に勉強になりました。見た目だけではなく、ロジックの部分をしっかり持ってやっていく、という部分が足りていなかったと実感しました。
苦労はしましたが、とても貴重な経験ですし、制作は楽しかったです。
ーー最後に新しいロゴを通しての今後の抱負をお願いします。
見條さん(代表取締役):会社設立から5年が経過した今回のタイミングで、VISION、MISSION、VALUEを改め、それに併せてこのような過程でロゴのリニューアルを行いました。伊藤さんには、良いものを作ってくれて本当にありがとう、という感謝の気持ちです。
今後は、新しい企業理念をしっかりと体現できる組織を創り、お客さんやその先のエンドユーザーに喜んでいただき、「イイ社会」を実現していきたいと思っています。
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今回は、普段はなかなか見られないような貴重な資料を拝見しましたが、ひとつのロゴを作るために、こんなにもたくさんのプロセスが必要で、こんなにも多くの提案を行っているということに大変驚きました。
また、今回のインタビューを通して、デザインの面白さと奥深さを学ばせていただきました。
設立から5年が経過し、企業理念とロゴを新たにしたデパート。今後、どのように私たちを驚かせてくれるのか楽しみで目が離せません。