「Web Direction インタビュー」は、弊社取締役今井へのインタビューを元に、デパートの仕事の考え方を知っていただく、連載コーナーです。
今回はVol.4ということで、前回に引き続き「コンテンツの作り方」をテーマに、今井が考える「コンテンツ作りにおけるデパートの役割」「最近良いと思ったコンテンツ」について、聞いてみました。
POINT!
◾︎コンテンツマーケティングとの違い
◾︎良いコンテンツかどうかはKPIで判断する
◾︎コンテンツはタイミングも重要
デパートの作るコンテンツとコンテンツマーケティングとの違い
——コンテンツって一般的に継続的に作っていく必要があるように思いますが、そこはどのように考えていますでしょうか?
それはどちらかというと、コンテンツマーケティングの話になります。
コンテンツマーケティングは、ユーザーに役立つ情報を継続して発信しつつ顧客育成していく分野で、ここ10年ぐらいで出てきた話です。
おそらくコンテンツについて調べようとすると、そちらの方がよく出てくるかと思います。
コンテンツマーケティングは、コミュニケーションの設計が強く、SEOであったりライティングといったコンテンツを伝えるHowの部分に特化したマーケティング手法です。
デパートはどちらかというとWhatの部分にフォーカスしてコンテンツを作ることを考えます。
例えば、採用サイトを制作する場合は、「募集要項をどう伝えるか」よりも「募集要項に何を載せるか」ということを考えます。
——なるほど。そうなりますと、Howの部分に特化したコンテンツマーケティング専門の会社と一緒にクライアントの問題を解決することもあるのでしょうか?
そうですね、そういうケースもあります。
ただ、コンテンツマーケティングはなかなか難しくて、Howの部分で結果を追うのを続けていくと、最初に伝えたかったことからずれていくケースがあるんです。
例えば、よくある比較サイトを例にとると、比較サイトの価値というのは純粋に比較をしていること自体が価値になりますが、広告やアフィリエイトを入れていった結果そちらの数字が重視されるようになってしまい、コンテンツの価値が落ちてしまうというケースですね。
——確かにありそうですね。それでいうと、デパートはその「何をどうつくるか」の「何」の部分がぶれないように、明文化する役割をもつということでしょうか?
そうですね、明文化することもあります。
Whatの部分を世の中に対してわかりやすくしたり、それに合わせてどうやって見え方を変えていくのか、ということがデパートの役割になります。
良いコンテンツとは?
——事前のアンケートでは、良いコンテンツかどうかの判断基準は「伝えたいように伝わっているかどうか」と書かれていますが、それはどのように評価するのでしょうか?
測定できるKPIを設けます。
例えば、ページが閲覧されている数や、検索ワードの変化、場合によってはSNSの内容を検索したりもします。
それらの数字が、昔と比べて変わっているのかを見ます。
——なるほど。KPIの決め方というのはありますか?
基本的には、コンテンツの役割によって取れる数字は何かを考えます。
例えば、採用サイトを例にとると、「教育制度がしっかりしている」ということがクライアントが一番伝えたいことだとして、教育制度の紹介ページを制作したとします。
この場合、その紹介ページからどれだけ応募に結びついたのか、という数字をKPIとして決めます。
他にも、アンケートをとって集計したり、他のコンテンツのもつ数字と比較したりして得られた数字をKPIとして決めることもあります。
コンテンツを出すタイミング
——今井さんが最近良いと思ったコンテンツはありますか?
最近良いと思ったコンテンツは、ロコンドCMのストーリーマーケティングです。
(註:アパレルブランドをもつYouTuberのヒカルが、ECサイトの「ロコンド」で自身がプロデュースした靴の売り上げが目標に達成したら、お笑い芸人の宮迫とCMに出させてもらえないか、と持ちかけた話。ヒカルのファンと宮迫のファンを巻き込んで2億円という売上げを達成したものの、宮迫NGであるテレビから放映拒否されてしまう。その後、度重なる交渉の末、テレビ東京にて放映されたという一連の騒動。)
(CMの様子。実際に放映されたCMはこちら)
この話は、背景しかり、作っていく内容しかり、タイミングしかり、とてもうまいと思いました。
全体の動きとしてとてもうまく設計されており、さらに8月には靴の発送始まるため、今後の展開も期待させる内容になっています。(註:インタビューは7月末に行われました。)
——これなかなか面白いですよね。色々なもののタイミングがぴったり合った感じがします。それでいうと、結構コンテンツを出すタイミングって重要だったりするんでしょうか?
もちろんあります。
特に関連する話でネガティブな話題が出ている場合などは、タイミングをはかることはよくあります。
このロコンドの話も、おそらく設計できる人はいくらでもいると思いますが、これだけの素材を持っていて、それをうまく合わせて、しかもこのタイミングで実行できる人はなかなかいないと思います。
最近見た中で、メディアを選ばず久しぶりにいいものを見たなという感じがしました。
——デパートでタイミングを見て出したコンテンツというのはありますか?
最近リリースしたgood productionsはそれですね。
good productionsをリリースしたのは、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、Web制作の新規の営業が難しくなると思ったからです。
そのため、制作会社を探すクライアントに対して見えやすいようにオンラインでパッケージとしてまとめたという経緯があります。
今はgood productions mediaという記事コンテンツもリリースし、制作会社を探しているクライアントに対して価値のある情報を提供しています。
最後に
——話が長くなってしまいましたが、最後にコンテンツをつくるということをまとめるとどういうことになりますか?
コンテンツを作るということは、クライアントがどういうことを伝えたいのかを引き出して、そしてそれをどうパッケージングして、どう出していくのかが全てです。
結局のところそこに集約されるので、あまり難しく考えず作れると良いと思います。
今井の話はいかがでしたでしょうか?
Webディレクションのコンテンツ制作に対して、少しでも理解を深める助けになればと思います。
株式会社デパートでは、コンテンツ制作をしたい!というディレクターからのご応募をお待ちしております。