2018年は、業界で初めて日本からアメリカ進出を果たした当社。2019年は昨年築いたネットワークのベースをもとに、さらに多方面へ展開をしていきます。
今回は、2019年の事業展開について、営業部長の大石さんに話を聞いてきました。
【プロフィール】大石久雄(おおいし・ひさお) 54歳
大手百貨店にて法人外商・バイヤーとしてキャリアを積み、折衝力・アライアンス力を磨く。その後、外資系保険会社・飲食チェーン運営会社を経験し、大稲グループに入社。営業部長として、行政・地元企業との折衝を全面的に担当。自治体や異業種との合同プロジェクト・提携・イベント企画に駆け回っている。モットーは、「まず行動」。趣味は、ギター・サーフィン・ダイビング・ジムで泳ぐこと。
【大稲自動車について】
創業1950年、歴史ある企業でありながら、タクシー業界にイノベーションを起こし続けている。10年以上前から先駆けてプレママタクシー・こどもタクシーを開始。2016年には国内外VIP向けのツアーサービス、行政・地元企業との共同プロジェクトを手掛ける福岡ハイヤーサービスを設立。2018年8月には、国内大手も未だ実現していない米国リムジン会社との資本提携を実現。大稲自動車から福岡ハイヤーサービスへのキャリアアップ以外にも、海外勤務というキャリアルートも確立。
攻めの事業展開をした2018年
――まずは2018年の振り返りとして、昨年の主なできごとを教えてください。
当社は業界初の取り組みをいくつも実現してきましたが、2018年は特に、「大胆に攻めの事業展開」をした年でしたね。具体的には、これまで積み上げてきた九州の魅力発信・インバウンド増加のための取り組みを糧に、アメリカ進出を実現しました。これは国内の同業他社がまだ成し遂げていないことだったため、業界内外で注目を集めました。
◆【8月】アメリカの日系リムジン会社、JEL社をM&A。同時にホールディングス会社を設立
◆【11月】アメリカのカルフォルニア州にて、伝統文化を伝えるイベントを開催
アメリカに拠点を設けることでアメリカと日本がシームレスに繋がり、攻めの誘客ができる体制になりました。
――昨年8月にM&Aを締結し、間もなくてして11月に自社主催のイベントをアメリカで開催しました。このイベントによる効果は何かありましたか?
複数のメディアに取り上げられたため注目を集めることができ、まず現地の方に「知ってもらえた」ということが収穫だったと思っています。イベント自体も大盛況だったことから、開催後にアメリカ領事館から連携について連絡があったほどでした。
また、政府系の日本文化発信施設に、九州の伝統工芸品を展示・販売してもらうという話も進んでいます。まずは作品を見て日本の文化や技術力を知ってもらい、「日本に行ってみたい」というきっかけを提供していきたいと考えていますので、今後に繋がるイベントだったと振り返っています。
2019年は日本とアメリカ全土を繋ぎ、両国の窓口となる
――海外展開は好調な滑り出しだったのですね。続いて、2019年の構想を教えてください。
2019年は、「具体化していく」フェーズだと考えています。
昨年はM&Aにより、日本とアメリカをシームレスに行き来できるネットワークの基礎を築くことができました。今年はこのベースをもとに、目的である「日本の文化発信」「九州への誘客」の実現に向けて具体的なアクションを次々と起こしていく予定です。
具体的には
◆M&AしたJEL社を起点に、アメリカの日系リムジン会社や旅行代理店と連携
◆日本全国のリモネットワークを拡大
◆行政や異業種とのコンソーシアムにより、九州に来てもらうための魅力発信・観光ツアー企画
などを進めています。
上記により、当社に連絡をいただければ、アメリカ・日本のどこからでも目的地に行くことができる。オリジナルの観光ツアーをコーディネートしてもらえる。という状態をつくり上げたいと考えています。
当社が全面に出ることは重要視しておらず、行政や知名度のある会社とタイアップして、汗を流す部分を率先して当社がやっていくというスタンスですね。
既に、アメリカVIPから観光ツアーのご相談が
――アメリカの方に九州へ来ていただくだめに、具体的にはどのような取り組みをしているか教えてください。
はい、大きく3軸で動いています。
1つ目は、アメリカの旅行代理店との提携です。九州に誘客をするため、M&AしたアメリカのJEL社の社長と私で、九州の観光ツアーを企画。複数社の旅行会社に案内をしています。
最大の特徴であり、旅行会社のツアーとの明確な違いは、ニーズに合わせてフルカスタマイズできること。そう、お客様のニーズに合わせて観光プランをつくり、高級車に乗って自分たちのペースで観光するプライベートツアーなのです。そのためVIPを中心にお問合せをいただいており、実際にアメリカのVIPから、4月に来日したいと具体的なご相談も寄せられています。
最近では、有名な観光名所は行き尽くしたという日本ファンの方も多く、隠れた魅力スポットを巡りたい・工芸体験をしたいという声を聞くことも増えてきました。このようなニッチな要望に個別に応えられるのも、当社の強みになっています。
2つ目は、日本とアメリカの情報発信をしているカルフォルニアのフリーペーパー「Weekly LALALA」への掲載と提携。運営会社の森社長は全面的にバックアップをしてくださっていて、観光ツアーの予約受付や、アメリカ在住という視点で観光ツアーの企画アドバイスもいただいています。
3つ目は、アメリカからの誘客を専門としている東京の旅行会社「TOKYO WAY」との連携。伝統工芸に触れられる当社の観光ツアーに興味をもってくださり、先日はわざわざ九州まで視察に来てくださいました。観光先として提案していただけるよう、連携を進めています。
行政・異業種との新たなコンソーシアムが続々始動
――行政や異業種とのコンソーシアムについては、新たな動きがありますか?
当社の観光ツアーの特徴は、オリジナルツアーの企画ができることなので、常に引き出しを増やすために新たな動きをしていますね。異業種の方々とコラボして新たなプロジェクトを立ち上げたり、新たな観光地を発掘したり、体験ツアーを作ったりという感じです。
こちらも、大きく3つの動きをしています。
1つ目は、北部九州のグルメ・観光・文化を紹介するガイドブック「FLAGS」に掲載している、プレミア厶ギフトのリブランディング&種類の拡大。職人さんの良さをより引き出すため、「家宝に出会う」というコンセプトでリブランディングを進めている真っ最中です。
具体的には、日本一の家具の町、福岡県大川市を代表する株式会社プロセス井口 、家具工房 西田の代表お2人との共同プロジェクトを始動。お客様が現地で木材を選び、細かいリクエストをしながら世界に1つだけの贈り物をつくれるようになっています。銀婚式、金婚式など特別な時の贈り物として、大変喜ばれていますね。
また、家具工房 西田の代表 西田さんは有名である一方、見学ツアーなどをこれまで一切しない方針でした。今回は、技術力を発信することで職人の技術継承に繋がると賛同いただけたのですが、大変貴重なことなのでお客様に価値を感じていただけるポイントの1つだと考えています。
さらに、アメリカと日本でWebサイトも制作予定です。九州の伝統工芸品を見て知っていただき、現地に行って触れてみたいと思ってもらえるよう、多方面で情報を発信していきます。
2つ目は、女性とベジタリアン向けの和食ラーメンを開発。過去に何度か富裕層向けのファムトリップを開催しているのですが、旅行中ずっと懐石料理では疲れるという声があったんですね。そこでランチは少し気軽でもいいのではないかと考え、VIP向けの品があってゆったり召し上がっていただける魚介・みそスープのラーメンを開発しました。
今回は、ホテルニューオータニ博多にある日本料理「千羽鶴」、創業30年の歴史がある創作料理「磯貝」とコラボさせてもらいました。今後も、連携先を広げていく考えです。
3つ目は、南九州の観光スポットの開拓。現在、観光ツアーの提携先は北部九州が中心なので、九州全域にネットワーを広げていきたいと考えています。実際に南九州に出向き、地場企業や自治体にお声がけを始めています。
前例や答えがないことが難しくも、面白くてたまらない
――2019年も多くの波が起きそうですね。「日本の文化発信」「九州への誘客」に向けて動く中で、大石部長が難しいと感じる点、面白いと感じる点はどの辺りでしょうか?
そうですね。難しいのは、一体感をもって地域の魅力発信をするには、自治体の協力も必要だという点です。自治体と協業しながら、スピードや熱意は落とさずに進めていくことを大切にしていますね。
面白い点としては、コンソーシアムによって、今まで繋がりがなかった地域同士の連携が生まれることです。意外と隣町同士で連携して情報発信や誘客をしているケースは少なく、当社とのコンソーシアムをきっかけに連携して取り組まれるようになったという事例もあるんです。このようなきっかけを作れた時は、仕事の意義を感じますね。
――最後に、このタイミングで当社にジョインする面白さはどんなところでしょうか?
やはり、「どの会社もやっていない新しい手法で、日本文化を発信していく」ということではないでしょうか。前例や答えがないことが難しさでもあり、自分たちで試行錯誤しながらやっていくという面白さでもありますね。
仕事も与えられるのではなく、自分で仕事を作ったり探したりと、1人ひとりが自分の頭で考えて動くスタンスです。そのため最近では、グローバル志向の方、主体的に動きたいという方が入社してくれています。ちょうど入社後の受け入れ体制などもテコ入れを始めたタイミングなので、仕組みづくり・組織づくりにも関わるチャンスがあることも魅力の1つだと思いますね。
基盤が整い、思い切りチャレンジできるタイミングです
九州各地の魅力を発信し、現地に足を運んでいただくためであれば、業務に制限はありません。自分で考え、生み出すという面白みのある仕事をしませんか?少しでも気になった方、まずはざっくばらんにお話しましょう!
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