日本一の家具の街として知られる福岡県大川市。私たち大稲グループは2年以上に渡って、大川市と協力関係を築いてきました。今回は、株式会社プロセス井口の井口社長に登場いただき、福岡市内で輸送サービス業を営む私たちが異業種コンソーシアムを進めてきた理由・経緯をお伝えしていきます!
【プロフィール】株式会社プロセス井口 代表取締役 井口 敬茂(いぐち・ひろしげ)
「インテリアシティおおかわ」とも言われる福岡県大川市で、現代デザインを用いたオーダーメイドの家具製作、リフォームを手掛ける。また、一流のクリエイター集団「WAZA JAPAN」の副代表も務め、広大な日本庭園があるレストラン・結婚式場として有名な、東京の「八芳園」などのプロデュースを手掛ける。伝統技術に新しい感性を融合させ、様々な職人と連携し、技術を全国・世界へPRしている。
【プロフィール】大石久雄(おおいし・ひさお)
大手百貨店にて法人外商・バイヤーとしてキャリアを積み、折衝力・アライアンス力を磨く。その後、外資系保険会社・飲食チェーン運営会社を経験し、大稲グループに入社。営業部長として、行政・地元企業との折衝を全面的に担当。自治体や異業種との合同プロジェクト・提携・イベント企画に駆け回っている。モットーは、「まず行動」。趣味は、ギター・サーフィン・ダイビング・ジムで泳ぐこと。
【大稲自動車について】
創業1950年、歴史ある企業でありながら、タクシー業界にイノベーションを起こし続けている。10年以上前から先駆けてプレママタクシー・こどもタクシーを開始。2016年には国内外VIP向けのツアーサービス、行政・地元企業との共同プロジェクトを手掛ける福岡ハイヤーサービスを設立。2018年8月には、国内大手も未だ実現していない米国リムジン会社との資本提携を実現。大稲自動車から福岡ハイヤーサービスへのキャリアアップ以外にも、海外勤務というキャリアルートも確立。
描いているビジョンが重なり、出会ってすぐ意気投合
―まずは、井口社長との出会いから教えてください!
大石:井口社長との出会いは、2016年11月末でした。当時私たちは、「インバウンド向けの体験型ツアー」をつくろうとしていて。大川市の技術PRを精力的にされている方がいるということで、知り合いを介して紹介してもらったんです。
井口社長:そうですね。私は大川市でオーダーメイド家具やリフォームの会社を経営しているのですが、単に注文に応えるだけでなく、大川市の技術力をもっと伝えたいと考えているんです。
どのような工程を経て美しい家具ができるのかを知っていただきたいと、何年も前から、工場見学を積極的に開催していました。そして、観光に繋げていきたいと考えていたちょうどいいタイミングで、大稲グループさんと出会うことができました。
お話をうかがうと、「インバウンド向けの体験ツアー」をしたいということで、まさにお互いのニーズがぴったりマッチしました。
大石:初めてお会いした翌週には大川市を訪れて、工場見学をさせていただいたり、大川市役所にも挨拶に連れて行ってくださいましたよね。その時、初めて大川組子や家具の製作を見せていただいて、職人さんの繊細な手仕事に感動したことを今でも覚えています。
あとは、JR九州のななつ星にも採用された組子作成で有名な、木下木芸の木下社長もご紹介くださいましたね。
3ヵ月後には、インバウンド向けファムトリップを実施
―なるほど。この出会いが、2017年2月のファムトリップ(旅行会社への誘客を目的とした視察ツアー)での提携に繋がったんですね。
大石:そうです。ファムトリップは台湾・上海・深センの4つの旅行会社が参加され、4泊5日で実施しました。北部九州の様々な体験ができるツアーとして、大川市での組子体験、有田町での陶芸の窯元訪問、柳川市の伝統ある宿泊施設での特別料理など盛りだくさんの内容でした。
その中で井口社長には、オリジナル製作した大川組子の照明スタンドで宿泊部屋の演出をしていただいたり、紹介してくださった木下木芸工房の見学・組子体験を一緒にプランニングしていただきました。
―宿泊部屋の演出、組子体験のプランニングをされる中で、気を付けていらっしゃったことはありますか?
井口社長:はい、まず照明スタンドについては、伝統工芸と最先端のデザインを掛け合わせることを意識していました。これはこの時に限ったことではなく、常日頃から心がけていることの1つなのですが、歴史ある伝統工芸だということを重視しすぎると古臭いものになりかねません。
照明の向こう側が透けて見えるように木を0.2mmに薄くスライスして、そこに和紙を丁寧に貼っていく。そうすることで木の温かみを伝え、近代的なイメージの作品を作っていきました。
木下木芸工房での体験では、「木やものづくりに対しての想いをどう伝えるか」「老若男女に楽しんでもらうためには」という点を考えて、体験内容・時間・ツアーの流れを考えていきました。
―ファムトリップでは、どんな収穫がありましたか?
井口社長:海外の方がどんな反応をされるか不安もあったのですが、参加された方が手作り作品のクオリティに感動されているのを見て、海外の方にも理解してもらえるという自信に繋がりましたね。
また、大川市は元々産業の町なので宿泊施設は多くありませんが、隣町の柳川市には歴史のある宿泊施設があります。それまでは交流がなかったが隣町同士が、これをきっかけに共同で取り組むようになったことも収穫だったと感じています。
大石:そうですね、大川市と柳川市が一体となって、面として取り組めたことは良かったですよね。自治体からも全面的な協力がもらえましたし、大川市長は組子体験にも参加してくださいました。
そしてファムトリップ後は、弊社への北部九州ツアーのご依頼が増えていて、地域全体のPRに繋がったのではと感じています。
カルフォルニアで開催したイベントには、数千万円の組子茶室を持って参加
―2018年11月にカリフォルニア州で開催した当社主催のイベントにも、大川市の代表として参加していただきました。
大石:井口社長はこのイベントのために、イタリアのデザイナーとコラボして新型の組子茶室を製作してくださったんです。それを現地に輸送し、大川市の技術力をPRしていただきました。
組子茶室は、透き通った16色のLED照明が、数パターンの光り方で変化するもので、現地の方にも大好評でしたね!販売価格は数千万になるとうかがっています…!本当に大掛かりなプロジェクトを遂行いただきました。
井口社長:国内・国外で様々なプロジェクトをやってきましたが、その中でもチャレンジングなプロジェクトでした(笑)。構想からだと1年ほどかかっています。ただ、それでもやる価値があると思ったんです。
海外の方が来てくださるのをただ待っているのではなく、知ってもらう・興味を持ってもらうためにこちらからアクションを起こすことは必要だと考えています。大稲グループさんが九州の観光PRのためにカルフォルニア州に出向いてイベントをされると聞いて、これは一緒にやらない手はないと思いましたね。
大石:イベント会場では、組子体験も開催してもらいました。初体験の現地の方でもできるような10分ほどの体験でしたが、完成した時のワーッという歓声で会場が湧いていましたよね。
※西日本新聞でも取り上げられました!
互いの強みを活かし、地方観光の成功事例を目指す
―タクシー会社は複数ありますが、当社と協業する理由、期待することを教えてください!
井口社長:それはシンプルに、大稲グループさんは普通のタクシー会社ではないからですね(笑)。単に人を運ぶということを事業にされているのではなく、自社の存在価値や需要をつくるような上流の動きをされていますし、常に、次のこと次のことを考えていますよね。
しかも、自社のメリットだけを優先せずに、各提携先のメリットも考えながら動かれている。私も自社だけのPRをしようという気はさらさらなくて、大川市や九州が一体となって観光PRをするべきだと考えているので、大稲さんの考えにとても共感しました。
また、私も前々からツーリズムは必要だと考えていたんです。富裕層の方は、旅をして旅の中で思い出の品物を持って帰られる。買った方が喜んでくだされば、それを聞きつけた方がまた訪れてくださる。そんな良い循環を生んでいきたいと考えています。
ただ、私たちは移動手段を持っていないので、大稲さんの力が必要です。これからもお互いの強みを活かせるパートナーでありたいですね。地方の成功モデルになれるよう、まずは大川市を盛り上げていきたいと考えています!
大石:そうですね!お互いの強いところはお任せして、弱いところは補い合いながら、今後も連携して大川市や九州の魅力を発信していきたいです!
※2018年11月にカルフォルニア州で開催した当社主催のイベントは、現地の雑誌でも紹介
―井口社長、大石さん、ありがとうございました!
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