IT業界の中でも「ITインフラ」と呼ばれる領域があり、その名の通りネットワークなどの社会の情報通信の基盤(インフラストラクチャー)を担っている重要なポジションです。
プログラミング言語を使って何かを作る「開発」と呼ばれる領域と区別して扱われる事が多いこのインフラのお仕事ですが、何をするのか知らないという方も多いと思います・
パソコンでプログラムを使って何かを開発しようと思ったら、最低限ソースコードを書くためのテキストエディタが必要です。
では、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアはどんなアプリケーションを使って仕事をしているかご存知でしょうか?
今回はこれからネットワークエンジニアやインフラエンジニアになる方向けに、エンジニアがパソコンに入れておくべきアプリを紹介します。
ネットワークエンジニアに必須な超重要アプリ
今回は「インフラエンジニア」や「ネットワークエンジニア」がどんなお仕事なのかについての説明は割愛させて頂き、エンジニアのパソコンに入っているアプリ(ソフトウェア)の紹介をしたいと思います。
あくまでシーエスコミュニケーションのエンジニアが最低限入れているアプリという事なので、個人的に別のアプリを入れていたり、人によっては他にも必須としているアプリがあるかもしれません。
なるべくIT初心者の方にも機能や使い方をイメージしやすいように、なにかに例えたり、ざっくりと噛み砕いて説明するのでご了承下さい。
・Tera Term(テラターム)
「Tera Term」はターミナルエミュレータと呼ばれるアプリの一つで、ネットワークエンジニアには必須となります。
簡単に説明すると、このアプリはコンピュータ同士やコンピュータとネットワーク機器をつなげて、リモートで操作することができるアプリです。
ネットワーク機器にはパソコンやゲーム機と異なり、画面がついていないものが多くあります。そのような機器をパソコンで操作するために機器の情報を画面に表示してくれる役割があります。
画面と言っても、パソコンの様にアイコンがあったり色分けされてるような親切なものではなく、基本的に単色で文字しか表示しない味気ないものです。
ネットワークエンジニアはこのTera Termの画面に、コマンドと呼ばれる命令文を打ち込んで、ネットワーク機器を設定していきます。このような機器を設定して実際にネットワークを作る仕事を「構築」と呼びます。
「Tera Term」は機器をケーブルでパソコンに繋いで使う時にも使えますし、遠隔地にある機器に対して接続することもできたり、データを暗号化して送受信することもできます。
ネットワークエンジニアの仕事においては欠かすことができないアプリなので、これが使えないとお仕事になりません。
・WireShark(ワイヤーシャーク)
「WireShark」は名前からしてカッコいいですが、これはネットワークの動きを調べるためのアプリです。
動きを調べるという意味が解りづらいかもしれませんが、要するに通信するデータを捕まえて、中身がどんな種類のデータなのか、誰が送ったのか、どこに送られたのかを解析して表示してくれます。
通信するデータのひと塊の事を「パケット」と呼び、それを捕まえる(キャプチャする)ことから、「パケットキャプチャツール」と呼ばれています。
ネットワークが上手く繋がらなかったり、セキュリティの監視をしたいときにこの「WireShark」を使うことで、どのデバイスが異常なデータを送っているのか調べたり、ネットワーク遅延の原因を特定することができます。
こちらも問題解決が求められるネットワークエンジニアには必要不可欠のアプリです。
・3CDaemon(スリーシーデーモン)
「3CDemon」も名前にDemonが入っていて怖い気がしますが、こちらはネットワーク上でファイルをやり取りするためのアプリです。
こちらも簡単な言葉で説明すると、パソコンからネットワーク機器に対してデータを送ったり、ネットワーク機器の設定情報のデータをパソコンで受け取ったりすることができます。
パソコンやゲーム機を使っていると、「アップデートファイルをダウンロード中」とシステムのアップグレードを知らせる画面が出てきますが、ネットワーク機器も同じようにアップグレードが必要な事があります。
そんな時にはこの「3CDemon」を使って、パソコンにあるアップグレードに必要なデータをネットワーク機器に送ってあげるというわけです。
ゲーム機は自動でアップグレードをやってくれるのですが、ネットワーク機器は自動でやってくれないことが多いので、エンジニアがアップグレード作業を行ないます。
アップグレードをすると、機器の性能やセキュリティが強化されたり、新しい機能が使えるようになったり、バグが直ったりと様々なメリットがあるため、常に最新の状態にしておく事が推奨されています。
また、機器の設定情報をパソコンに保存しておけば、なにかトラブルがあっても保存した設定情報を使って元の状態に復旧させることも簡単にできてしまいます。
こちらのアプリも特にネットワークエンジニアには必要となる場面は多いようです。
使えると効率アップ!超便利なアプリ
・ExPing(イーエックスピング)
「ExPing」はネットワークの接続状況をチェックするためのアプリです。
ネットワークで接続された他のコンピュータや機器(ルータやサーバなど)がちゃんと動いているのか、ちゃんとつながっているのかを確認するために使います。
イメージとしては友達とキャッチボールをするようなものでしょうか。
ちゃんと友達がボールを投げた場所にいればキャッチして投げ返してくれますが、投げた場所に友達がいなければボールは帰ってきません。
また友達になにかトラブルがあった場合もボールが返ってこなかったり、返ってくるまで時間がかかってしまいます。
「ExPing」は「Ping(ピンでもピングでもOK)」という小さなデータを他の機器に投げて、応答の有無や応答時間を測ります。
このアプリを使わなくてもPingを送ることはできますが、「ExPing」は結果をグラフで表示して、ネットワークの応答時間の変化を視覚的に確認できるため、より問題を見つけやすくなります。
・WinMerge(ウィンマージ)
「WinMerge」はファイルやフォルダーの内容を比較して、違いを見つけるためのアプリです。この子は間違い探しがとても得意です。
例えば、AさんがWordに書いた5000文字の文章を、Bさんが1文字だけ変更してしまったけど、どこを変更したのかわからない状況があったとします。
人がそれを見つけようと思ったら、目を皿のようにして文章を1文字ずつ調べ、どこが違うのかを探すという面倒な作業をしなければなりません。気が狂いそうです。
この「WinMerge」で2つのWordファイルを指定すると、どこが変更されているかを一発で判別してハイライトで表示してくれるので、一目で違いがわかります。
もちろん1文字に限らず、変更前と変更後のファイルの変更点をすべて洗い出してくれます。
また2つの文章の変更された点を確認しながら、一つの文章にまとめる事もできます。
文章比較アプリはプログラマもよく使いますが、ネットワークエンジニアも機械に伝える命令(コマンド)を確認するときに使うことがあります。
エンジニア職でなくても使えば便利になりそうな場面がありそうですね。
これらのアプリはあると便利と言われていますが、あくまで効率的に仕事をするためのものです。
他にも便利なアプリはいっぱいあるので、自分に合うアプリを見つけると作業効率も上がります。
古いアプリが今も現役で使われている理由
もちろん世の中のすべてのネットワークエンジニアが同じアプリを使っているかといえば、そういうわけではありません。
あくまで基本的な機能を満たしていて、初心者にもオススメできるものをピックアップしました。
同じ機能を持っている別のアプリを使っている人もいますし、もっと業務に必須となるアプリがあるという方もいると思います。
今回紹介したアプリは、ほとんどが10年以上前から存在していたり、既に更新が終了しているようなものばかりなので、新しくて高性能なアプリがあるかもしれません。
ちなみに「Tera Term」は最初のリリースが1994年ということなので、30年も経っていますが未だにこの機能のアプリとしては圧倒的なシェアを誇っています。
30年も同じアプリが主戦力として使われる理由としては、シンプルで使いやすい、安定性と信頼性がある、柔軟にカスタマイズできるという点があります。
そして、今回紹介したこれらのアプリはすべて無料で使うことができるんです。
しかしタダだからというのは要素の一つであり、ユーザーであるエンジニアの満足度が高いアプリだからこそ、これだけ長年愛用されているのだと思います。
シーエスコミュニケーションのエンジニアに聞いても、ネットワーク機器を扱うためにはまずは「Tera Term」が使えるようになるところからスタートと言われます。
もしこれからネットワークを勉強していくのなら、きっと使う機会があると思いますので、ぜひ自分のパソコンにこれらのアプリをインストールして触ってみて下さい。
知らない単語などもでてくるかもしれませんが、WebやYouTubeで検索すると丁寧な使い方の説明が出てくるのでハードルは高くないはずです。
シーエスコミュニケーションではこれからネットワークエンジニアを目指す未経験の方の採用を積極的に行っています。
入社後も技術を学ぶ研修やOJTを受けられ、自社での請負案件も多数扱っているので、エンジニアの一歩目を踏み出すには最適の環境です。
ネットワークに興味を持たれたら、ぜひ求人にご応募下さい!!
ここまで読んでいただきありがとうございました。