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コーピーにおいて、技術と社会のあいだをつなぎ、ビジネスを前に進めるリーダーがCOOの竹下(KT)です。大手企業からスタートアップへの転身、AIという未知への挑戦、そして多様な才能が交差するチームをどう導くか——その一つひとつに、竹下らしい哲学と意思が込められています。
この記事では、竹下がコーピーにジョインした背景から、彼の描くチーム像、AIと向き合う姿勢、そして変化の時代において「強くしなやかな組織」をつくるために大切にしていることまで、じっくりとお話を伺いました。
技術とビジネスの交差点で、「自分の価値」を試す
──コーピーに入社されたきっかけを教えてください。
竹下:2022年の冬ですね。当時はちょうど、転職を真剣に考えていた時期でした。Wantedly経由でスカウトをもらって、コーピーのことを知りました。正直、最初は「なんとなく面白そうだな」くらいの軽い気持ちだったのですが、話を聞く中でどんどん惹かれていきました。
前職も非常に優秀な方が多く、組織としてもしっかりしていた。ただ、どこかで「自分がいなくてもこの会社は成り立つな」と感じてしまっていて。上司も同僚も本当に優秀。だからこそ、「この人がやればいいのでは?」という気持ちになってしまう。でも、自分のバリューを実感できる環境に身を置きたい。そう考えたとき、コーピーはまさにその場所だったんです。
コーピーは、組織もプロダクトもまさに立ち上がっている途中。自分の経験や知見を総動員して、全体に貢献できる余地があると感じました。
──もともとAI領域に興味があったのですか?
竹下:はい、もともとAIドメインには関心がありました。というのも、当時は「データサイエンティストってクールだよね」みたいな雰囲気があって(笑)。自分自身、情報工学とコンピュータサイエンスを学んできたエンジニアリングのバックグラウンドがあり、そこにビジネス経験を掛け合わせられるフィールドを探していたんです。
コーピーはその意味で、「自分が貢献できる可能性が最も大きい」と思える場所でした。海外でデータサイエンスを学んだ経験もあり、国際性や先進性といった観点でも、自分の強みが生きると感じたのを覚えています。
COOという仕事は「人のスイッチを見つけること」
──COOとして、特に重視している価値観は何ですか?
竹下:「個の力を最大化して、チームとしての総合力を上げること」ですね。コーピーは多様な背景を持つメンバーで構成されています。エンジニアリングが得意な人、顧客折衝が得意な人、発想力に優れた人。だからこそ、それぞれの強みを活かせる配置が非常に重要です。
僕はよく、技術に強い人にはなるべくプロダクト側に寄ってもらい、コミュニケーションが得意な人はブリッジ的な役割についてもらうように意識しています。単純なスキルの羅列ではなく、「この人のエネルギーはどこにあるのか?」という視点で見ています。
──メンバーの適性やポテンシャルは、どのように把握しているのですか?
竹下:参考にしているのは『人を選ぶ技術』という書籍にある考え方ですね。わかりやすいスキルや経験だけではなく、ポテンシャルや「やりたいこと」「向かう先」に注目します。いわばその人の“Source of Energy”を探す作業です。「この人のエネルギーの源は何か?」という観点で、対話を通じて見極めるようにしています。
何にワクワクするか、どこに不満を感じるか。そういった感情の動きに注目していると、その人の“本質的にやりたいこと”が見えてくる。そこにフィットする役割やミッションを用意するのが、僕の仕事だと思っています。
「このAIは何のためにあるのか?」という問いに向き合う
──AIという技術に、どのような期待や懸念を持っていますか?
竹下:AIには人の能力や思考を拡張する可能性があります。少人数でも、これまで実現不可能だったことが可能になる。これは、スタートアップにとって特に意味が大きいと思っています。AIを使うことで、少数精鋭でも社会に対して大きなインパクトを出せるからです。
一方で、懸念もあります。AIを「使いこなせる人」と「そうでない人」の間に、情報格差が生まれてしまうこと。これはインターネットの黎明期にも起きたことですし、今後ますます広がる可能性がある。
だからこそ、コーピーでは“使える人だけが使える技術”ではなく、“誰もが価値を享受できる技術”にしていく必要があります。そのためには、キャッチアップする姿勢を持ち続けることが大事だと思っています。
──自社サービスが社会にもたらすインパクトについては、どうお考えですか?
竹下:私たちが取り組んでいるのは、社会の中における「ミッションクリティカル」な領域です。今までAIが実用化されてこなかったような現場に対し、確かな品質と説明責任をもってAIを届けていく。それは技術的な挑戦であると同時に、倫理的・社会的な責任でもあると考えています。
プロダクトを開発する上では、顧客の声をそのまま受け取るだけでなく、その“奥”にある本当の課題を読み解く必要があります。例えば「作業時間を減らしたい」という声の背景には、「もっと創造的な業務に時間を使いたい」という本音が隠れているかもしれません。
課題をアウフヘーベンするように捉えること――AかBかではなく、「そもそもこの前提自体が間違っていたのでは?」と問い直す視点が必要だと考えています。そこにこそ、コーピーの存在意義があると思っています。
自律が文化になるまで――カルチャーの実装論
──コーピーで大切にしている組織文化について教えてください。
竹下:自律性と責任感。この2つがないと、スタートアップではやっていけません。もちろん誰もが最初から完璧ではないですが、「自ら学び、自ら動く」という文化を育てるのがリーダーの役割だと思っています。
特に、人数が限られるスタートアップでは、誰かに逐一指示されないと動けないようでは厳しい。だから、全員が自分で噛み砕いて理解し、動ける状態を目指して、社内勉強会を開いたり、Slackで気軽に質問できる空気をつくったりしています。
実際、「キャッチアップできる人」と「できない人」の差は、スキルよりも“質問する勇気”や“恥をかくことを恐れない姿勢”の有無にあると感じています。だから、質問できる環境を整えることが、組織文化の基礎づくりなんです。
──カルチャーの浸透において、経営陣として意識していることはありますか?
竹下:トップダウンで価値観を押しつけるのではなく、「一緒につくっていくもの」として提示するようにしています。たとえば、「CONFIDE」というプロダクトの名前にも、私たちの価値観が込められていますが、単なるプロダクト名で終わらせるのではなく、それをどう“語れる”かが大切です。
Slackや対面ミーティングでのコミュニケーションはもちろん、価値観やカルチャーをビジュアライズしたり、具体的なストーリーとともに語ったりする工夫もしています。
また、あえて「これだけは変えない」というルールは決めていません。成長フェーズにおいては、固定観念に縛られることがリスクになるからです。こだわらないことが、ある意味のこだわりですね(笑)。
未来のチームに必要な力、未来のCOOに求められる姿
──AIスタートアップにおける今後の展望をどう見ていますか?
竹下:技術的には、LLM(大規模言語モデル)やVLM(ビジョン言語モデル)が進化しており、自然言語と視覚情報を結びつける取り組みが今後ますます加速すると思っています。ただ、マネタイズや実用性の観点ではまだまだ課題が残っている。
それでも、「人にやさしいAI」が実現すれば、さまざまな産業や現場での負荷は大きく軽減されます。誰でも自然言語でAIに指示を出せるようになれば、技術の民主化が進み、より多くの人が恩恵を受けられる。コーピーとしても、その未来に向けて大きな役割を果たせるはずです。
──そうした未来に必要なチームの力とは何でしょうか?
竹下:一つは「変化に適応できる力」。もう一つは「技術に対する前向きな姿勢」。これはエンジニアに限らず、営業でも、バックオフィスでも同じです。私たちのような会社は、常に時代の変化の最前線にいます。つまり、ここで必要になるスキルは、やがて他社でも必ず必要になるということです。
だからこそ、「自らキャッチアップし、自ら動ける人材」が求められます。これは今後のコーピーだけでなく、未来のあらゆる組織に共通して必要な力だと感じています。
また、個人的には「エフェクチュエーション(effectuation)」的な思考法も大事だと思っています。つまり、最初から完璧な計画を立てて進むのではなく、「今ある手札」で最善を尽くしながら柔軟に進めていくこと。不確実性の高い領域では、これが最も強い戦い方になります。
──最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
竹下:素直で、自分の言葉で話せる人ですね。「こう思う」「こう感じた」を自分の言葉で伝えられる人。そして、わからないことを「わからない」と言える人。
コーピーは、まだまだ発展途上の組織です。だからこそ、一人ひとりの推進力が本当に重要なんです。自分がいなくても大丈夫な場所ではなく、自分がいなければ回らない状況で、自分の能力を試してみたい――そんな思いがある人には、ぴったりの環境だと思います。
自分の力で未来を変えてみたい、価値を出すことに真正面から向き合いたい、そう思っている方と、ぜひ一緒に働きたいです。
コーピーでは、一緒に働く方を探しています!少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひWantedlyよりご応募ください。