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ママリ開発チームがスクラムマスターを輪番制にしている理由

 ママ向けQ&Aアプリ/情報メディア「ママリ」の開発チームは、スクラムマスターを固定することなく輪番制を取り入れた1週間のスクラムで開発を進めています。ママリ開発チームの柳村、富田にインタビューをし、スクラムマスターを輪番制にしている目的やどのように進めているのか、などご紹介します。

この記事はコネヒト Advent Calendar 2019 20日目の記事です。

はじめにママリ開発チーム 柳村、富田のご紹介です。

柳村(写真左):エンジニア。組み込み業界からWeb業界に転身し、グリー、Supershipを経て、現在コネヒトで主にママリのiOSアプリの開発を担当。

富田(写真右):エンジニア。サーバサイドエンジニアからAndroidエンジニアに転身、Diverseなどを経て、現在コネヒトで主にママリのAndroidアプリの開発を担当。

ママリ開発チームは、日々ユーザーの体験、価値向上を目指し改善しています

まずはママリ開発チームについて教えてください。

富田:ママリ開発チームは、エンジニアグループはサーバーサイド、フロントエンド、iOS2名、Android2名の6名、その他ディレクター2名、デザイナー1名の9名体制で行っています。
ママリ開発チームは、ユーザーの体験、価値向上を目指しママリサービスのグロース(機能改善)と保守を行っています。特に、ママリにおけるKPI達成において必要だと思う施策をメインに開発をしています。

たとえば直近でいくと、ママリアプリでの下書き機能のリリースになりますね。ユーザーが質問を投稿しようとしたときに、今までは下書き機能がなかったためすぐ投稿するしかありませんでした。ママリユーザーは子育て中のママが多く赤ちゃんが急に泣き出したりするので、落ち着いたタイミングで続きから投稿できるようにということで開発をしました。こちらはユーザーからの要望も多かった機能です。

各人がリーダーシップを発揮する主体的な組織を目指しています

スクラムマスターを固定しない輪番制にしていると聞きました。それはどうしてですか?

柳村:ママリ開発チームとしては、自分の得意分野においてリーダーシップをとる自己組織化されたチームを目指しています。

しかし、以前はスクラムマスターがすごい人でプロセスや問題を改善をしてくれるというマインドがチームメンバーについていてあまり主体性が見られませんでした。ところがある日、急な休みでスクラムマスターがいないときに、他のメンバーが主体的にスクラムイベントをまわしているときがあったんです。これを見てスクラムマスターがいなくてもよいのでは?と感じました。とはいえ、いきなりスクラムマスターなしにするとやりにくいかもしれないので、スクラムマスターの役割をチームメンバーが定期的に交代するスクラムマスター輪番制をはじめました。

初めてスクラムマスターをする人もいると思うのですが、すぐできるものですか?

富田:初めてスクラムマスターをする人が進めやすいようにフォローをしています!
スクラムマスターをする前に勉強期間を設け、全員でスクラムガイドの読み合わせと1週間に1回アジャイルコーチングの輪読会を実施しています。
この勉強会は、スクラムについて何も知らないというメンバーはあまりいないとは思っているのですが、人によって思い違いをしていることなどもあるため、メンバーの知識レベルや認識を揃えるために行っています。
特にアジャイルコーチングの輪読会では、実際のコネヒトの開発現場ではどうだろうかと議論することで理解を深め、実際にスクラムマスターをするときの想像力を身につけてもらっています。また、毎回輪読会で読んだ内容の中で実際にできそうなことを一つ取り上げて次の輪読会まで実際やってみるといった取り組みもしています。

柳村:スクラム期間も1週間に定め取り組んでいます。スクラムマスターの順番を早くし短期間に何度も経験できるようにというのもありますが、短期間だからこそ見積もりが比較的簡単だったり、振り返りも忘れにくかったりするメリットがあげられます。
また、スクラムマスターをフォローする役割の人をトミーさん(富田のあだ名)にしてもらっていて初めてのスクラムマスターでもいつでも相談できるように体制を整えています。

スクラムマスターのフォローってどんなことをしているんですか?

富田:スクラム期間中に取り組む課題決めを一緒に行っていますね。また、最初のうちはなるべく取り組む課題自体も多すぎないように絞るようにアドバイスしています。
課題ってよくよく考えてみると、課題ではなかったり、捉えていた課題ではない別のところに課題があったりするため、課題自体を明確にするようフォローをしていますね。

「初めてやることを否定しない!」ナイストライとして捉えられるチーム

どうして、スクラムマスターの輪番制ができると思いますか?

柳村:ママリ開発チームのメンバーは、開発だけに専念していたいというより開発プロセスの改善などに興味のある人たちだからスクラムマスターを輪番制にしていくということに対して抵抗がないんだと思います。
それは、開発組織だけの話ではなく、コネヒトという会社自体が社員全員でママリワークショップやみらい会議(※)といった自分たちで会社をよくしていくという社風であることも関係していると思いますね。
あと、「ナイストライ」として捉えることができるチームというのは大きいですね。初めて取り組むことだったりするので、失敗することだってあると思います。ネガティブな発言をすることなく、初めてやることに対して否定をしない、受け入れるというのがチーム全体にあると思いますね。

※コネヒトでは、組織やサービスについて立場を超えて話し合う文化があります。
ママリワークショップ:毎月1回開催する全社員でママリもしくはコネヒトについてテーマを決めてブレストするワークショップ。
みらい会議:3ヶ月に1回開催するコネヒトのちょっと先の未来について全社員で課題抽出と解決案の検討を行う会議。

実は、コネヒトで初めてスクラムマスターに取り組んだメンバーにもヒアリングをしたんですよ。

富田:おおお。なんて言ってましたか?

インタビュアー:最初は漠然とスクラムマスターに対してハードルが高そうだなと思っていて、すごく不安があったみたいです。でも、輪読会などを通して知識が増えてきたりすると少しずつ不安も解消されてきたり、もともと失敗しても大丈夫というチームの雰囲気があるので一歩を踏み出せたといったお話をしていました。
また、前職でスクラムマスターを経験していたメンバーからはママリ開発チームのメンバー自体がそもそも主体的に動くようなマインドセットを持っている印象があり、自分がスクラムマスターをするときにやりやすい印象があったと感想をもらいましたよ。

富田:輪番制をスタートするにあたってはじめたフォローの効果が出ていたみたいで安心しました。

続いて、この取り組みを実施している中で、課題は何かありましたか?

柳村:本来、スクラムを実施する上で大切なことは、事業貢献やKPI達成のためのプロセス改善であるということです。日々、プロセス改善を行うことで開発スピードをあげていき最終的なユーザーに届ける価値を増やすことができます。
ただ、頭でわかっていながらもプロセス改善に目がいってしまい事業貢献やKPI達成をおろそかにしてしまったときなどもありました。なので今ではちゃんとチーム全体として、あるべき姿である事業貢献やKPI達成につながるプロセス改善なのかという意識になっています。

また、今はスクラムマスターの経験を何度もしてもらいたいというのがあるのでしょうがない部分ではありますが、スクラムを1週間で行っているため、その中で解決できる課題にしか着手できていないというのがあります。そこは今後改善していきたいと思っていますね。

スクラムマスターを通してどんな発見がありましたか?

富田:今はスクラムマスターをフォローする役割をしていますが、僕ももともと順番にスクラムマスターを行ういちメンバーでした。
最初に、スクラムマスターを輪番制にしているのは、それぞれがリーダーシップをとる主体的な組織を目指すためとお話をしたと思うのですが、そこはすごく効果としてあったなと思いますね。すごく業務に対して自分ごと化して取り組むことができ、モチベーションもあがりました。また、自分のチームだけではなく他のチームについても観察するようになるなど、視野が広がった感覚があります。

柳村:そういった話をきくと取り入れた甲斐があったなーと思いますね!そして、トミーさんには今、スクラムマスターのフォローをしてもらっていますが、もともと僕がしていたことだったんです。スクラムマスターのフォローという役割も僕だけでしているより、他のメンバーにバトンタッチすることでまた違った視野の広がりがでて、成長の機会になると考えています。
今後もいろいろな役割を通して、自分の得意分野のところでリーダーシップをとり自走するチームを目指していきたいと思います。

いかがでしたでしょうか。
今後もママリ開発チームでは目指している主体的な組織に近づくよう、取り組んでまいります!

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