RECRUIT | TRUNKの求人情報
ブランディングに関わりたい、コンセプトからデザインを考えたい、アートディレクターを目指したい、キャリアアップしたい。TRUNK(トランク)ではそのような、意欲的で主体性のある方を募集しています。
https://trunk-inc.jp/recruit/
この記事はnoteに掲載したものを転載しています。Wantedlyでは“TRUNKで働くことに関心がある方へ”の観点で紹介しています。
「これでいいのだ」
経営者って、日々迷いながらも、自分の信じた道を突き進んでいます。だけどふと立ち止まって、「これで本当に良かったんだろうか」と、ひとり悩む瞬間がある。
そんなとき、ふと心の奥に降りてくるように現れるのが、この言葉です。
あの、バカボンのパパのセリフ。見た目はふざけてるのに、なぜかめちゃくちゃ深く刺さる。不思議ですよね。
でもあれ、ただの開き直りじゃないんです。ましてや諦めの言葉でもない。
あの言葉は、自分の選んだ道がちゃんと誰かのためになっていたと確信したとき、魂の奥からじんわりにじみ出る──いわば“静かなガッツポーズ”なんです。
私たちTRUNKは、そんな「これでいいのだ」を経営者が実感できるようになるまで、そっと、でも真剣に寄り添いながら伴走するデザイン会社です。
やることはただひとつ。 「純度を高める」
その人、その企業が本当にやりたかったことは何か? どうなりたかったのか? それを一緒に掘り起こして、磨いて、社会に届く形にしていく仕事です。
なぜそんなことをやっているのか? それは、私自身が「これでいいのか?」と、ずっともがき続けてきたからです。
初年度、純利益10万円。死ぬほど働いて、深夜まで残って、手応えはある。でも、数字がすべてを否定してくる。そんな日々が続きました。
値上げしてみても、今度は大切なお客さんが離れていく。
“デザインを頑張っていれば、売上はあとからついてくる”──なんて信じてた自分が、だんだん恥ずかしくなってくる。
でもその中で、ようやくたどり着いたのが、
「ちゃんと聞く」こと。
デザインは一旦置いて、まずは相手の話をとことん聞くこと。そうやって相手の想いや歴史に耳を傾けると、言葉にならない本質が浮かび上がってくる。
たとえば、ある貿易商社のプロジェクトでは、社長がとある国に強い想いを抱いていた。でも、入れ替わりの激しい組織の中で、社員にはその情熱がうまく伝わっていなかったんです。
だから私たちは、毎月のように通って、社長の思いを聞き取り、社員たちと何度も対話を重ねていきました。
気づけば、社員たちは行ったことのないその国の文化や暮らしを語れるようになり、商品の背景にある“人々の暮らし”を伝えるようになっていた。
あの瞬間、確かに“伝わった”と感じました。
森島酒造の森嶋さんも、最初は控えめでした。でも心の奥には、「不利な立地でも、うまい酒をつくれると証明したい」という強い思いがあった。
時間をかけて、丁寧に話を聞いていく中で、その想いが少しずつ言葉になって現れてきました。
森島酒造の森嶋正一郎さん
そして生まれたのが──
「一石投じる一杯を」
ラベルのど真ん中に、石。しかも商品名は小さく。
「こんな日本酒、売れない」と言われたこともありました。でも、私たちは信じていました。
それは単なるデザインじゃない。その酒の生き様だったから。
結果、森嶋は大ヒット。「初めて仕事が楽しいと思った」と話してくれた森嶋さんの笑顔に、私ははっきりと「これでいいのだ」を見ました。
今橋製作所さんとのhikiZANでは、若手社員の所さんがプロジェクトリーダーに。 チタンという無骨な素材と向き合いながら、酒器という美しいプロダクトを生み出していく姿に、胸が熱くなりました。
葵建設工業では、建築が好きすぎる社員さんたちの熱量に圧倒され、「社員×建物」をメインビジュアルに据えました。ここでも削ぎ落とした先に、伝えるべき姿が浮かび上がったんです。
今橋製作所の皆さん
葵建設工業さんでは、建築を心から愛する社員さんたちの想いを知ったことから、彼らと建物をメインビジュアルに据えました。これらは決して私たちが、何かを付け加えたわけではありません。
葵建設工業のみなさん
むしろ、余分なものを削ぎ落としていく作業でした。その人や企業が本来持っているものの純度を高め、より鮮明に表現していく。そうすることで説得力が生まれ、自然と顧客の心を掴み、結果として、売り上げの向上や評価の獲得につながっていったのです。
しかしもちろん、すべての物語が華々しい成功で終わるわけではありません。時には、経営状況の変化など、外部要因によって純度を高める過程が中断を余儀なくされることもある……。どんなに対話を重ねても、答えが見つからないこともあります。
それでも、その過程で生まれた気づきや変化は、決して無駄にはなりません。だから、答えを急がなくてもいいんです。時に経営の答えは一つではないし、そう簡単に見つかるものではないからです。
ただ対話を重ねることで、答えへの理解の溝が少しずつ埋まる効果があります。そしていつかまた、新しい形で花開く日が来ると信じています。私たちは、幾度となくそんな経験してきました。
さて。 ここでちょっと話を戻させてください。
私、若いころ、ポール・ウェラーに憧れてたんです。
The Jam、The Style Council、そしてソロへ。ずっと変化しながら、自分の信じる音を奏で続けたあの姿に、心から「ロックだなぁ」と思ってた。
でも、ギターは弾けないし、歌もうまくない。
「俺には無理だな」って、諦めた夢でした。
でも今こうして、TRUNKというチームで、誰かの“想い”を聞いて、それを“世の中に届くかたち”にしていく。
それって、経営者の“未発表デモ音源”を聴き取りながら、社会に響く“ヒットソング”に仕立てていく、プロデューサーの仕事じゃないか。
そう気づいたとき、思ったんです。
あ、これが俺なりのロックの鳴らし方なのかもしれない。
ギターの代わりに、言葉とデザインで。しかも最高のメンバーと一緒に。私たちが経営者に寄り添い、「純度を高める」ブランディングプロジェクトの名は、「BANSO」です。
「BANSO」を通じて、私たちTRUNKがやりたいことは、
ただ“デザインを提供すること”ではありません。
話を聞いて、迷いながら、一緒に悩んで、
見えない未来に不安になって、でも一歩踏み出す。
そんな“となりを走る仕事”をしたいのです。
ここでご紹介した企業さんのように、まだ見ぬ可能性を信じて、
勇気をもってBtoCに挑戦する企業は、これからきっと増えていくと思います。
でも、道は決して平坦じゃありません。
何を作ればいいかもわからない。
誰に届ければいいのかもぼんやりしている。
そもそも、どこから始めていいのかさえ、よく分からない。
──その“モヤモヤ”こそ、BANSOの出番です。
TRUNKは、どこかで聞いた耳障りの良い言葉やどこかで見たことあるようなおしゃれなビジュアルを作る前に、
あなたの会社の中にある“まだ言葉になっていない想い”に耳をすませます。
BtoBからBtoCへ。
新規事業、ブランド再構築、プロダクト開発、
どんなテーマでも、「ともに考える」ことから、始めていきたい。
「やらなきゃいけない気はしてるんだけど、何から手をつけたら……」
そう感じている経営者の方がいたら、ぜひ気軽に声をかけてください。
きっとその不安の先には、貴社だけにある“かたち”が眠っているはず。TRUNKがあなたのとなりで、今日もまた、バタアシしながら伴走します。
第9話に続きます。