Shippio Product Design Managerの西藤です。
Shippioでプロダクトデザインをやる魅力をもっと色んな人に知ってほしいと思い、デザイナー向けの採用資料を作ってみました。
その過程で、8名のプロダクトデザイナー・UI/UXデザイナーの方にプロトタイプへのフィードバックを頂きながらアップデートしてきました。
今回はその採用資料を作るプロセスや、プロトタイプ資料を通じて得られた発見点なども合わせて公開していきたいなと思っています。
※ ご協力いただいた方、改めて本当にありがとうございます。
フィードバックを頂いたおかげもあり有益なコンテンツを作ることができたと思っているので、ぜひ皆さんの採用資料にもお役立ていただけると嬉しいです。
※ ライバル(仮)に塩を送るようで嫌なのですが(笑)、デザイナーのみなさんが今よりもっと自分に合った仕事選びをできるようになることが大事だなーと思うので公開します。その上でもっと魅力的なプロダクトづくりの環境を作れるよう頑張ります。
なお、完成した資料は下記です。ご興味ある方はぜひ下記よりご連絡下さい。
プロダクトデザイナー採用資料に関するリサーチ概要
目的
・Shippioに興味を持ちうるプロダクトデザイナー像を明らかにする
・上記のような方が、「もっとShippioの話を聞きたい」と思い行動してくれるような訴求・コミュニケーションを明らかにする
リサーチにご協力いただいた方(要件): 8名
[必須]
・プロダクトのUIデザイン経験がある
[優先]
・WEB/グラフィックよりもプロダクト領域への興味が強い
・PdMやUX領域への興味もある
・顧客目線でのプロダクトづくりへの興味が強い
・転職を検討している
ポイント
(少しでも)転職を検討している方がネクストステップに進んでくれるか
・申し込む⇔申し込まない方の違いはなにか
・上記のような方に「Shippioだからこそ」提供できる価値はなにか
・上記価値を過不足なく伝えきれているか
・価値訴求に加え、申込みに至るまでに必要なコミュニケーションはなにか
進め方
初期は「価値・訴求内容」の精緻化: 資料+口頭で魅力を感じてもらうことができるか
後期は「資料への落とし込み」:資料のみで十分に魅力が通じるか、アクションに繋がるか
リサーチ結果サマリ
「顧客を向いて、デザインの力でより大きなインパクトをもたらすチャレンジをしたい」と(潜在的に)考えるプロダクトデザイナーの方に対し、”チームのコアメンバーとして、プロダクト経験の豊富なメンバーの支えも仰ぎながら、日本のためになる・業界を変えうるプロダクトを成長させる機会が得られる”というShippioの提供価値は強く刺さりました。(実際にカジュアル面談に繋がるケースも)
特にプロダクトチームの文化・現状のフェーズから鑑みると「UIのスペシャリストになりたい」人ではなく、「課題解決に興味のある」層が主なターゲットであることも明らかになってきました。
一方、コミュニケーション上では大きく4つの改善ポイントが見られました。
- 必要以上に採用要件が高く見えてしまい、「UX領域の経験が(あまり)ない」方から敬遠されてしまう。
- 働き方がハードに見えすぎてしまい、「熱く働くことは大事だがスマートに働きたい人」から敬遠されてしまう。
- チーム内での動き方のイメージが伝わりづらく、顧客目線でのプロダクトづくりを行えるかの不安が解消しきれない。
- カジュアル面談のハードルが高い。確実に転職することを検討していなければ面談を申し込んではいけないと感じられていた。
改善方針仮説1. 採用要件が高く見えてしまう課題に対するアプローチ
実際には「顧客目線での課題解決やUX領域に興味がある方」も採用対象であるにも関わらず、採用要件を「経験者以上」と捉えられてしまうことが課題でした。
顧客目線を持って働きたい方が「Shippioとして捉えている事業・組織課題を自分の力で解決できそう」と感じてもらえることが重要だと考え、①事業課題・チャレンジ(事業として今後取り組んでいきたいこと)、②組織としてのデザイナー不足、③「対象デザイナー」(UIを極めている必要も、UX領域の経験も必要ない)をストレートに明示しました。
改善方針仮説2. 「働き方がハードに見えてしまうこと」に対するアプローチ
実態以上に「ハードな/暑苦しい」印象を与えてしまっていたことも明らかになりました。
そこで、① 働き方(デザイナーは週1出社・裁量労働制であること、社内には子育て中のメンバーも多くいることなど)、② "コミット"のようなハードさを連想する言葉を使わないこと、③ 実際の勤怠チャンネルのイメージを提示することで、「持続可能な形でスマートに働く」ことを実現しうることを伝えるようにしました。
改善方針仮説3. 「動き方が分かりづらい」課題に対するアプローチ
「顧客目線でのプロダクトづくりを行えるかの不安が解消しきれない」という観点では、社内のドメインエキスパート・セールス・CSと連携しながら、課題発見・理解〜ソリューション検討〜具体化の一連を担っていくことが伝わるよう、① チーム体制、② “What”を軸に全体に染み出す役割、③ ドメインエキスパートとの協力関係を提示するようにしました。
特に不安に感じられやすい「全体像がわからない/影響を与えられない中で社内受託的にならないか」「経営/責任者/メンバーによるデザイン・プロダクト開発への理解があるのか」「他メンバーから学ぶことができそうか」などの疑問点・不安点は解消できるようなコミュニケーション設計をしました。
また、外国籍のエンジニアが多い点は大きな魅力になりうる一方、英語が不得意な方にとっては不安材料になるケースもあるため、英語でのコミュニケーションに関する注釈も設けることに。
改善方針仮説4. 「面談のハードルが高い」課題に対するアプローチ
「絶対転職するわけでもないのに時間を取らせてしまうことになるため、面談を申し込むのは気が引ける・・・」という不安を解消できるよう、Meety等への促しや、「会社として定期的に開催している会にカジュアルに参加いただく」ようなポイントを設けることにしました。
最後に: UXリサーチについて徒然に
今回の記事、リサーチ結果報告的な感じでまとめてみたのですがどうでしょうか...?笑
よく、「定性調査の結果を元に改善したいが、インパクトなど説得できない」と聞かれるケースが有るのですが、私はよく今回のように「成果」に対しての伸びしろが明確にわかるよう表現するようにしています。
① 今成果に繋がっている人たちが誰で、
② 成果につなげることを諦めるべき人が誰で(≒ 短〜中期的に価値を届けることができない)
③ 頑張れば成果に繋がる人が誰か (≒ 本来 or 次の改善で幸せにできる道筋が見えている人)← 伸びしろ
そうすると、例えば今回(UX興味はあるけど経験はそんなにない、熱意を持ってはいるけどハードに働きたいわけではない、など)のように、「そういう人はたくさんいるよね。その人達に価値提供できていないのは損失だよね」と感じてもらえるケースが多いです。もちろんこれが正解なわけではないのですが、なにかしらのヒントに繋がると嬉しいです。
このnoteはあくまで「コミュニケーション」のためのリサーチですが、もちろんプロダクト開発に活きるリサーチ等もじゃんじゃんやっています。
とにかく「顧客目線で仮説検証を回す」ことが大事だと思っているので、そういうことに興味ある方、すぐに転職、とかでなくても全然大丈夫ですので、雑談しましょー!