レンチナス募集、実は地域おこし協力隊という枠組み
この言葉、聞いたことはあっても中身までは知らない人が多いと思うのですが、レンチナス自身も関わり始めた頃は、名前しか知らなかった。
なんとなくボランティアみたいなものだと思っていたし、会社の採用と結びつくイメージもなかった。
なので、まず制度そのものの話をしておきたい。
そもそも、どういう制度なのか
地域おこし協力隊は、2009年に総務省が始めた制度。
都市部から人口の減っている地域に住民票を移して、その土地で一定期間働きながら暮らす。任期はだいたい1年から3年。
農業や漁業に従事したり、特産品を作ったり、情報発信をしたり、活動の中身は地域によってまったく違う。
空き家の調査をしている隊員もいれば、地域のデジタル化を進めている隊員もいる。
ひとくくりにできる仕事ではない。
始まった年の隊員数は、全国で89人だったそうで、それが2024年度には7,910人になっている。受け入れている自治体も1,176。
15年ちょっとで、規模がまるっきり変わった。
国は2026年度までに1万人まで増やす目標を掲げているみたい。
3年間の出向、ではない
この制度が目指しているのは、単純に言えば「人が地方に移り住んで、そのまま住み続けること」。
任期が終わったあと、その地域に残る人は7割くらいいるらしく、残った人のうちけっこうな割合が起業したり、農業を始めたりしている。
つまり、3年間の出向みたいなものではない。
3年かけて、その土地で生きていく準備をする制度、という理解のほうが近い。
お給料をもらいながら移住のリハーサルができる、という言い方をする人もいる。
国も「3年じゃ足りない」と認めた
面白いのは、2026年度から任期のルールが変わったこと。
地場産業に関わる隊員に限って、最長5年まで延ばせるようになったんです。
条件は、任期が終わったあとに同じ分野で起業するか、事業を引き継ぐこと。
理由は、農業や伝統工芸みたいな仕事は、3年では技術も土地も間に合わないから。
椎茸をやっている私たちからすると、この変更はかなり実感に沿っている。
菌床の扱いを覚えるだけでも、1年では終わらない。
温度も湿度も、その年の天候で変わるので同じやり方が翌年も通用するとは限らない。
ましてゼロから何かを立ち上げるとなれば、3年で形になるかどうかそんな簡単な話でもない。
制度は、何も保証してくれない
制度としてよくできているとは思う。
ただ、うまくいっている例ばかりでもなく、受け入れる側の準備が足りなくて、来た人が放置されるケースがあるという話も聞く。
何をすればいいのか誰も教えてくれないまま、任期だけが過ぎていく。
任期が終わったあと、結局その土地を離れる人も3割いるとか。
制度が悪いというより、受け入れる側の姿勢の差がそのまま出る仕組みなんだと思う。
だからこの制度は、それ自体が何かを保証してくれるものではないので、枠組みがあるだけで、中身は受け入れる側と来る人が作るしかない。
逆に言えば、受け入れる側が本気なら、かなり自由に使える枠組みでもある。
3年をどう使うかは、かなりの部分が本人と会社の裁量に委ねられている。
今回、初めてレンチナスが地域おこし協力隊としての採用を進めていることを初めて公表しましたが、私たちがこの枠組みを使って人を募集しているのも制度が便利だからという理由だけではないです。
そこにはもう少し込み入った事情があります。
その話は、また別で書こうと思う。