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「野望だけじゃ、人はついてこない」レンチナスの社長が変わった理由

レンチナスの社長以前、伊勢社長ってどんな人なのかをいくつか書いた記事を上げましたが、ふともう少し話したいなと思い今日は伊勢社長に関する記事を少しだけ。過去の記事にも書いていましたが、伊勢社長は高校生の頃から負けず嫌いだったらしい。へえ、そうなんだ、くらいにしか思わなかったんですが今の伊勢社長からは、そういう荒々しさより「分かち合いたい」っていう言葉のほうが強く出てきていて、「あれ。なんか視座が変わったかも」っていう一面を最近は多く見るようになりました。でも、ハウスを5棟、6棟って増やそうとした頃の話を聞いて、ちょっと腑に落ちた。きっかけは直近ではなく、最初の規模拡大の時の話。当時、父はこ...

猛暑・光熱費高騰が菌床栽培に与える影響

去年の夏、ハウスのスタッフが、扇風機の前から一歩も動かずに休憩していたのを覚えています。涼しい場所で育てるはずの椎茸が、実は夏が来るたびに一番気を使う作物になっている。東北という立地で昔はそこまで暑くなかったのですが、年々記録的な暑さが続くようになっています。椎茸の菌床栽培は、屋内で温度と湿度を管理しながら育てる。以前の記事でも書いた通り、湿度85から90%、24時間換気という条件を保ちながら育てています。外の暑さに関係なく安定して育てられるのが、この方法の強みだと思っていました。でも「外に左右されない」というのは、「外が暑くなるほど、中を冷やすコストが増える」という意味でもあったんだと...

乾燥椎茸の輸出動向 ― 海外で評価される日本の椎茸

出張帰りの新幹線。香港のバイヤーが日本の乾し椎茸を箱買いしていくという話を人づてに聞きました。残念ながらレンチナスの椎茸ではありませんが、その話を聞いてから、乾し椎茸の輸出について改めて調べてみたくなりました。以前、世界のきのこ生産量では中国が圧倒的で、日本は量では太刀打ちできないという話を書きましたが、今回調べていて見えてきたのはそれとは少し違う角度の話です。日本特用林産振興会の報告書によると、林産物輸出額のうち、きのこ類を中心とした特用林産物が約4割を占めているそうです。木材やその他の林産物より、きのこ類の輸出の方が実は存在感が大きいということになります。ただし、その中身を見ていくと...

きのこの国内消費データと健康志向トレンド

スーパーのきのこコーナーで、しめじのパックを2つ重ねて悩んでいる人を見たことがあります。10円、20円の違いで選ぶ、日常の一部みたいな食材。椎茸もだいたい同じ棚に並んでいて、そんなに特別扱いされている食材には見えません。でも数字を見ていくと、この「地味さ」の中に、二つの違う動きが同時に起きていることが分かってきました。まず、きのこそのものの消費量。林野庁の資料によると、令和4年のきのこ類の一人当たり年間消費量は3.4kg。これは平成15年以降、ほぼ横ばいで推移しているそうです。単価もほぼ横ばいか、むしろ下がり気味。つまり、量として「もっと食べられるようになった」わけではありません。輸入額...

新規事業を担う人材の採用市場 ― 地方×0→1人材はどれだけ希少か

求人の難しさ新規事業のポジションを求人票に書くとき、いつも同じところで手が止まります。「事業開発経験者」と書くべきか、「未経験でも可」と書くべきか。書き直すたびに、この人材がどれだけ希少なのか、あらためて突きつけられます。厚生労働省の統計を見ると、地方の有効求人倍率は都市部より高い傾向にあります。2024年12月の数字では、地方の平均が1.41倍、東京などの都市部は1.18倍。求人の数だけで見れば、地方の方が人を探しやすいはずの構造です。でも実際は逆で、中小企業基盤整備機構の調査では、全国の中小企業の73%が人手不足を感じていると答えています。求人はあるのに、人が来ない。この矛盾が、地方...

いちご市場のトレンド ― 輸入依存と国産シェアのリアル

なぜイチゴか廃菌床でいちごを作ります、と最初に聞いたとき、頭に浮かんだのはケーキの上に乗ってる小さな赤い粒でした。それと同時になんでイチゴ?という困惑も。椎茸のハウスと、それがどうしても結びつかなかった。採用担当としてこの事業を人に説明する前に、まず自分で市場を調べてみることにしました。椎茸ハウスの隣にいちごのハウスを建てて、廃菌床を土台にして育てる。話を聞いた時はシンプルな計画に見えましたが、調べていくと、思っていたより複雑な構造が見えてきました。調べていくうちにわかった、そして驚いたのが、日本のいちごはほとんど輸入されていないという事実。生のいちごの輸入量は年間およそ2,300トン、...

資源循環型農業(サーキュラーエコノミー)の市場・政策動向から見る戦略

資源循環事業のチャンスやれ椎茸だ、やれイチゴだと言っている私たちですが、廃菌床を使った新しい道筋に対して国目線で見るとどうなのか。国の会議で使われそうな言葉と、うちの廃菌床の話がどう繋がるのか、今日はそんな話をしたいと思います。調べてみると、この言葉の裏には具体的な数字がありました。経済産業省の試算では、サーキュラーエコノミー、つまり資源を循環させる経済活動の国内市場規模は、2020年時点でおよそ50兆円。これが2030年には80兆円、2050年には120兆円まで拡大すると見込まれています。世界全体で見れば、2030年に4.5兆ドル、日本円で数百兆円規模になるという試算もあるそうです。ゼ...

なぜ八峰町で椎茸なのか。土地の歴史から

八峰町は…八峰町の面積の八割近くが、森林。町のデータを見て、まずこの数字に目が止まりました。総面積は約234平方キロメートル。そのうち農地はおよそ一割で、しかもその多くが峰浜地区に集まっている。つまり、平地が少ない。農業をやる土地としては、条件が良いとは言えません。田んぼを広く取ることも、畑を大きく展開することも難しい。平地が少ないというのは、それだけで選べる作物が絞られるということでもあります。ではなぜ、この町で椎茸なのか。土地の側から考えてみたくなりました。森まず森です。八峰町の森林は白神山地の一部にあたります。白神山地といえば、東アジア最大級と言われる原生的なブナ林。1993年に世...

堆肥にする、燃料にする。それでも余る廃菌床

「廃菌床って、堆肥にすればいいんじゃないの」過去の記事でも少し話したかもしれませんが、最初、私もそう思っていました。実際、その通りではあるんです。ただ、それだけで全部が片づくなら、全国で年間何十万トンも処分され続けているはずがない。調べていくと、既にある再利用の方法それぞれに、ちゃんと壁がありました。まず堆肥。これは相性がいい方法です。菌床の材料は、おが粉、米ぬか、ふすまなど、堆肥にするには揃いすぎているくらいの構成になっています。宮城県の実績報告書によると、水分を調整して二週間に一回ほど切り返せば、九十日程度で腐葉土状の堆肥になるとされています。ただ、この九十日という時間が壁になります...

実は、「椎茸の町」になる前はハタハタの町だった

八峰町→椎茸ではなかった八峰町のことを調べていて、一番驚いたのは椎茸の話じゃありませんでした。この町、もともと魚の町だったんです。椎茸の会社にいる人間が言うのもなんですが、八峰町の歴史を追っていくと、椎茸より先にハタハタが出てきます。しかもその歴史が、想像していたよりずっと重い。八峰町の八森・岩館の海岸には、毎年11月の下旬から12月にかけて、ハタハタが産卵のために押し寄せてきます。町ではこれを季節ハタハタと呼んでいて、この時期になると漁船が一斉に出て、港が一気に活気づく。町の公式サイトには、ハタハタなしでは正月を迎えられないと言われるほどの魚だと書かれていました。塩焼き、煮付け、しょっ...

廃菌床は普通、どう処分されているのか

椎茸を収穫し終わったあとの菌床が、どこへ行くのか。この仕事に関わるまでは当然考えたことはなく、畑の肥料として再利用してました。菌床というのは、おが粉に米ぬかやふすまを混ぜて固めた、椎茸を育てるための土台のことです。ここから椎茸が生えてくる。何度か収穫すると力を使い切って、役目を終えます。その後に残るのが、廃菌床と呼ばれるものです。この廃菌床、実は業界全体で相当な量が出ています。ある研究者の試算では、菌床椎茸だけで全国から年間およそ24万トンの廃菌床が排出されているそうです。皆さんがよく食べるであろう、えのきやしめじなどのきのこ全体で見れば、もっと多い。では、それがどう処理されているのか。...

世界的に見て、日本の椎茸ってどのポジションなのか

世界ランキング世界のきのこ生産量ランキングを見て、ちょっと驚きました。1位は中国、ダントツで強い。でも2位に入っていたのは、まさかの日本でした。椎茸だけの話じゃありません。きのこ全体で見ても、日本は世界で上位に入る生産国だったんです。国土の広さで考えたら、中国やアメリカに勝てるはずがないと思っていたので、意外でした。そもそも椎茸という食材自体、原産地は日本と中国のふたつの国だと言われています。西洋のマッシュルーム、東南アジアや中国のフクロタケと並んで、椎茸は世界三大栽培きのこのひとつに数えられているそうです。つまり椎茸は、日本発祥と言ってもいい食材のひとつだったということになります。ただ...

干し椎茸は、なぜ生より旨いと言われるのか

生椎茸と乾燥椎茸スーパーの生椎茸と、乾物売り場の干し椎茸。同じ椎茸なのに、出汁を取ると味の深さが全然違う。ずっと「乾かしただけでしょ」と思っていました。実は、そこには理由がありました。椎茸を天日干しにするのは、長持ちさせるためだと思っていました。でも本当の目的は、旨みを増やすことだったんです。生の椎茸には、旨み成分がほとんど含まれていません。ところが乾燥させると、細胞が壊れます。中にあった核酸が、酵素の働きで分解されて、グアニル酸という物質に変わる。これが、干し椎茸だけが持つ強烈な旨みの正体です。昆布のグルタミン酸、かつお節のイノシン酸、そして干し椎茸のグアニル酸。三大旨み成分と呼ばれる...

きのこ農家から出る"ゴミ"は、収穫量の2〜3倍出る

収穫量<廃菌床きのこを収穫したあとに残る「廃菌床」は、収穫できたきのこの2〜3倍の重さで発生すると言われています。椎茸を育てれば育てるほど、その裏側で同じくらいの量のゴミが増えていくということです。ある県の推計では、きのこ生産が盛んな地域だけで、年間11万トン近い廃菌床が発生しているというデータもあります。想像以上に大きな量が、日々どこかで行き場を探しているということです。多くのきのこ農家にとって、この廃菌床は正直厄介な存在です。放っておけば産業廃棄物として処分費用がかかりますし、焼却すれば二酸化炭素が発生します。埋め立てるための土地を確保するのも簡単ではありません。再利用せずにそのまま...

「いつか地元で働きたい」と答えたZ世代が、4割を超えてきた

Z世代は都会志向だと、なんとなく思われがちです。地元を出て、便利で刺激のある場所を求めていく。そういうイメージを持っている人も多いと思います。でも実際のデータを見ると、そう単純な話でもなかったんですよね。Z世代を対象にした意識調査では、「いつか地元で働きたい」と答えた人が41.4%にのぼりました。ミレニアル世代の35.2%より高い数字。地元を離れて都会に出た人でも、心のどこかで地元に戻る選択肢を持ち続けているということだと思います。一方で、Z世代の転職市場そのものも大きく動いています。26歳以下の若手の転職は、5年前と比べて約2倍に増えています。終身雇用を前提にしたキャリア観はもう当たり...

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