今回は、シクミヤで総務・労務・経理を担当する豊田飛鳥さんにお話を聞きました。シクミヤでは総務・労務・経理、そして人手が足りないプロジェクトのサポートをするなど、八面六臂の活躍ぶりです。
大学院卒業後は工具の設計開発へ
東工大で機械系の修士号を取った後、通っていた大学に近かった工具メーカーへ就職し、主に設計開発を行っていました。なぜそこを就職先に選んだのかと聞かれると、面白可笑しく「立地が良くて社屋が綺麗だった会社を選んだ」と話していますが、やっぱり大学院まで進んで機械を学んでいたので、機械を作るなら最初から最後まで自分でやりたいという意志が強かったんです。
大手だと担当が機械の一部品だけということはよくあり、私はそうではなく最初から最後まできちんと自分の手で設計したかった。なら、大手じゃなくて比較的小さめの会社の方がいいのでは、というのが決めてでした。
子育てをしながら働くことを考え始めた
前職はとても楽しかったです。グラインダーやサンダーの設計開発は油と鉄粉まみれになりますが、大好きでした。ですが、育児をする過程でいざ育児と仕事を両立しようと思うと、今までの働き方では厳しいなと感じ始めました。コロナ禍でリモートワーク導入は加速しましたが、当時前職はリモートワークを進める気配がなく、業務上実験も多いため出社ありきなので、例えばいざ子供が体調を崩した場合、本当に育児と両立できるのかが見えてきませんでした。
設計開発に関しては女性社員は入社時、私しかおらず、会社としては私を育児もする女性のロールモデルとして起用したいという考えがあったようですが、制度が育児と仕事を両立する側に追いつくのかどうかは初めてのことだからこそ不確定要素が多い。それなら、リモートワークや柔軟な働き方が出来る会社へ転職するのも一つの選択肢ではないかと思い始めました。
前職の事業部長のアドバイス、そして転職活動
少し話はそれるのですが、前職の事業部長が病気になった時、「会社は一生の責任を取れるわけではないんだから、自分を大事にしなさい」と言っていたことがありました。当然のことかもしれませんが、会社として表立って言えることではないですよね。だけど、その言葉が育児をしている中で私の心の中に残っていて、その言葉が転職の後押しをしてくれました。
育休中にいわゆる転職するか否かという岐路に立ったので、まずは転職した友人に相談したり、エージェントに登録をしました。これは転職活動をした方の多くが経験していると思うのですが、エージェントは学歴と経歴を見て転職先候補を紹介するため、紹介された企業が前職と非常に似ていました。業界や組織構成が似ている場合、働き方は変わらないのではと感じ、働き方を最優先して未経験の業界も検討し始めたころ、シクミヤと出会いました。
代表の山岡はもともと大学の同級生で、共通の友人もいます。彼がTwitterで人材を募集しているのを見て、応募。スタートアップを主に支援するシクミヤですが、シクミヤも同じようにスタートアップなので、組織が小さい分個人の裁量が大きく責任も大きいということは想像できました。その責任や業務遂行に関しては正直不安がありましたが、最終的に好奇心が勝ちましたね。
柔軟な働き方は人それぞれ
リモートワークの話をしましたが、基本的には出社して、9時-16時半の1日6.5時間で働いています。保育園の時間に合わせて、こんな中途半端な時間にしてもらっています。子供が熱を出したりした日には夫とどちらが在宅勤務にするか協議し、私が見る際にはslackで連絡を入れて在宅勤務にしています。病院の予約をとって連れて行き、その時間分は有給使ったり子供が寝た後にやったり、柔軟に働いています。
私の場合は、子供が一人遊びが好きだったり、傍にいるだけで落ち着くのか、子供がいても在宅勤務が出来ていますが、これに関しては子供の性格によると思います。ただ、こういった夫婦間での仕事の調整や、子供の特性を織り込んだ柔軟な働き方が出来るのがシクミヤの良いところだと思っています。
前職は大好きでした。仕事も楽しかったです。ですが、インタビューで、「もし転職していなかったら」と聞かれたのですが、有給残数におびえながら働いていたんじゃないかな(笑)と思っています。
仕事の在り方も人それぞれ
採用SNSなので、きっと今後のキャリアを明確にお話した方がいいかもしれないと思うのですが、実はスキルアップはしたいと思いつつも、キャリアの予定といえるほど明確なものは自分の中に現時点ではありません。今はまだ色々と修行の身なので出来る限り出社していますが、子供が保育園や学童を卒業したら、帰宅時は家で迎えられるよう在宅メインにしたいと思っています。
専門性を身に着けて特定のキャリアを構築するのも、家族を優先し、家族との時間を軸にした働き方を模索するのも、仕事だと思っています。仕事の在り方は働き方と同じように人それぞれと思うのですが、それを含めて自分に合った働き方がシクミヤではできています。
話を聞いていて、豊田さんの最後の仕事の在り方は人それぞれだという話にとても共感しました。形は違えど自分が望む状態に向かうという意味では、在宅で仕事が出来るようにすることも、どのような業務を行えるようにするかも同じかもしれません。