地域交通の未来をつくる。AI活用で進化するプロダクト開発と「ヒト」の介在価値
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100年先の理想的な移動社会の基盤を構築をすることをビジョンとするMaaS Tech Japan(以下、MTJ)。今回は、MaaSの可能性を現実に変えるための技術開発を担うチームである「プロダクト開発部門」で活躍する古川さんと高道さん、そしてCOOの清水さんに、現在の開発体制や仕事の難しさと面白さ、そしてこれから仲間になる方へのメッセージを聞きました。
――現在のプロダクト開発部門について教えてください。
清水さん:現在のプロダクト開発部門は、社内のエンジニアとして古川さんと高道さんを中心とした少数精鋭の体制です。実際の開発はパートナー企業と連携しながら進めていて、MTJ側で基本アーキテクチャ、データ設計やモックアップを作り、それをパートナー企業にて実装作業をしてもらうケースが多いですね。交通という分野はかなり専門性が高いので、パートナー企業に要件を正確に伝えることがとても重要になります。そのため、プロジェクトマネジメントの役割も大きいです。最近は、要件定義の段階で生成AIを活用してPOC(概念実証)を作ることも増えています。以前は「作ること」に時間をかけていましたが、今はむしろ検証に時間を使い、要件の精度を高める方向にシフトしています。AIのコードをそのまま本番に使うにはまだ不安もあるので、最終的な品質確認もパートナー企業とともに確認しています。
――現在のMTJでのミッションや具体的な業務について教えてください。
清水さん:私の役割の一つは、MTJが持っている技術やノウハウをプロダクトとして形にすることです。もう一つは、そのプロダクトを一緒に展開してくれるパートナー企業を増やしていくことですね。具体的には、お客様のニーズに合わせて、どんなプロダクトに仕立てるのか、どう収益化するのか、どのように販売・展開していくのかといった全体戦略を考えます。またプロダクトは販売して終わりではありません。導入したお客様がしっかり活用できるように、導入支援やサポート体制を整えることも重要です。そうした意味でも、営業や導入支援まで一緒に担ってくださるパートナー企業の開拓と連携は欠かせません。。
高道さん:私はプロダクト開発責任者である冨増のもとで、エンジニアとしてプロトタイプ開発を中心に担当しています。現在取り組んでいるのは、国土交通省の日本版MaaS推進事業の一環として進めているMaaSプロダクトの開発です。このプロダクトは、交通政策課の職員や交通コンサルタントの方が、交通課題を分析し施策を検討するためのツールです。例えば、鉄道やバスの人口カバー率の算出や人流データを使った移動頻度の分析などを行える仕組みを、一から開発しています。現在は開発2年目となり、実証実験として、みなかみ町や群馬県などにご協力をいただき、自治体から具体的なフィードバックをいただきながら、機能をブラッシュアップしている段階です。
古川さん:私はプロダクト開発部門のアーキテクトとして、高道さんと同様にプロダクト全般を担当しつつ、現在特に注力しているところが、MaaSプラットフォーム「SeeMaaS」の設計・開発・運用を担当しています。役割としては、膨大で多様な交通データを整理・統合し、プロダクト全体の仕組みを設計することです。交通課題を把握しやすい画面設計や、施策につながるデータの見せ方などを意識しています。また、ローコード・ノーコードで柔軟に活用できるような設計も進めています。お客様から「こんな交通情報を可視化できないか」という相談が、新しい機能開発につながることも多いですね。また開発の効率化という意味では、ChatGPTやGemini、Antigravity、GenSparkなどAIツールの活用も進めています。会社としてAIツールを福利厚生で利用できる点はとてもありがたいですね。
――プロジェクトの難しさなど、日々どのように考え向き合っていますか?
清水さん:交通分野のプロダクトは、世の中に前例が多いわけではありません。なので、「どう機能として落とし込むか」に正解がないのが難しいところですね。仮説を立てて作り、お客様の声を聞いて修正する。その繰り返しです。納期の中でどこまで完成度を高められるかを考え続けるので、思考し続けること自体はハードでもあります。ただ、その分「世の中になかったものを作る」という面白さは大きいですね。ゼロから想像していく仕事が好きな人には向いていると思います。一方で、独りよがりにならないことも重要です。チームの意見を柔軟に取り入れながら機能開発に落とし込むバランス感覚が求められます。
高道さん:難しいというより、僕はむしろ楽しいと感じています。今は、単純にコーディングするだけでは成り立たないフェーズです。例えば、グラフの設計一つとっても「どう作れば使いやすいのか」をチームで議論しながら進めています。好奇心が強いタイプなので、新しいことを考える余地が多い環境は面白いですね。前職は業界的にも開発する要件が決まっているオーダーが多かったのですが、MTJでは逆で、世の中にない価値を生み出すからこそ、顧客も活用イメージがまだないことが多いです。だからこそ自分たちが起案し開発したものをどう提案するかというプロダクトアウト型アプローチとなることも多く、市場に受け入れてもらうために、そこは難しさでもあり、やりがいでもあります。
古川さん:MTJでは、開発のやり方自体も試行錯誤しながら作っています。決まったワークフローがないので大変ではありますが、その分やりがいも大きいです。交通データは、空間的にも時間的にも複雑で、しかも事業者ごとに形式が違います。バラバラのデータをどう統合して価値ある形にするかが腕の見せどころですね。事業者の方々と相談しながら進めますが、途中で修正が発生することも多い。だからこそ柔軟に対応しながら、より良いものにしていく姿勢が大事だと思っています。
――チームで成果を出すために、大切にしていることはありますか?
古川さん:一人で抱え込まず、いろんな人を巻き込むことですね。思考プロセスや設計内容は資料や図にまとめて共有するようにしています。
清水さん: メンバーから「これをやってみたい」という声が出たときは、基本的に否定しないようにしています。まずは任せてみる。その経験から得られるものも多いと思うので。
――MTJで働く中で、学びになっていることはありますか?
高道さん:日本の交通課題の実態を知る上で様々な分析手法を日常的に活用するので学びになっています。また普段からAIが当たり前に使われる環境なので、技術のフレームワークの使い方などを深く学びながら開発でき成長実感があります。
古川さん: MTJには本当に多様なバックグラウンドの人がいます。同じ課題でも、いろんな視点から議論ができるので、自分では気づけなかった制約や可能性に気づくことが多いです。それがMTJの強みでもあると思います。
――最後に、これからMTJを検討する方へメッセージをお願いします。
清水さん:単にコーディングができるだけではなく、交通という分野で何を解決したいのかという想いを持っている方に来ていただきたいです。システムをどう設計するか、クラウドやアーキテクチャをどう組むか、全体のデザインを描きながらAIにも指示を出していく。ユーザー体験を考えながら自走できる方と一緒に働けたら嬉しいです。
高道さん:MTJはさまざまな業界出身の人が活躍できる環境だと思います。何か解決したいテーマがあり、アイデアを形にしたいと行動できる方にぜひ挑戦していただきたいです。
古川さん:0→1を思考することが好きで、枠にハマらずに解決策を提案できる人にはとても面白い環境だと思います。試行錯誤しながら、自分で道を切り開くことに楽しさを感じられる方とぜひ一緒に働きたいですね。
――清水さん、古川さん、高道さんありがとうございました!
今回の対談からは、AIやパートナー企業との共創を重視し社会全体の変化を見据える視点と、実装までやり切ろうとする強い想いが感じられました。
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