過去に心を痛めた経験がある人が、もう一度、前を向いて働ける場所を。
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「働くこと」は、時に喜びや成長をくれる一方で、私たちからエネルギーを奪ってしまうこともあります。
体調を崩すほど無理をしてしまったり、人間関係につまずいて「働くこと=つらいこと」になってしまった経験を持つ方は少なくありません。「その人が本来の力を発揮して、無理なく、前を向いて働き続けられるにはどうしたらいいか?」
この想いを土台に、私は日々、トライクアルのエンジニアたちと向き合っています。今回は、そのために私が日々大切にしている4つのことについて、お話しさせてください。
① 安心を土台にした“あたたかい居場所づくり
特にSESという働き方は、物理的に会社から離れていることが多く、
日々、別のチーム、別の文化の中で業務にあたることになります。そんな中で、「自分はトライクアルの一員なんだ」という帰属意識と
「何かあったときは、会社が自分を支えてくれる」という安全基地の存在は
その人のパフォーマンスや心の安定に、大きな影響を与えると私は考えています。もちろん、会社として一方的に「ここがあなたの居場所です」と言っても、それだけでは伝わりません。
だからこそ私は、日々のちょっとした対話や、Slackでの声かけ、定期面談の雰囲気作りを通じて
「ここにいて大丈夫」「あなたはちゃんと見守られている」と感じてもらえるよう、心を砕いています。
② 心理的安全性の発信と実践
もうひとつ、私がとても大切にしているのが「心理的安全性」です。
これは、ただ「安心して働ける」だけでなく
「弱さを見せても大丈夫」「本音を話しても受け入れてもらえる」
という感覚のことだと私は捉えています。たとえば、体調が優れないときに「休んでいいよ」と言えるか。
不調のサインを見逃さずに、「無理しなくていいよ」と声をかけられるか。
こうした小さなやり取りの積み重ねが、心理的な“許可”を本人に与えるのだと思います。
トライクアルでは「休むことは悪いことじゃないよ」「つらいときはすぐに言ってね」と、
言葉でも行動でも常に発信することを意識しています。
それが、社員一人ひとりの“働き方の土台”になっていくと感じています。
③ 自分の機嫌は自分で取る
これは、私自身がとても意識している言葉です。人事という立場では、社員の悩みに触れる場面が多くあります。
ときには、かなり繊細な心の問題や、過去のしんどい経験に立ち入ることもあります。そうした時に、私自身の心が不安定だったら、冷静に話を聴くことはできません。
感情的な対応をしてしまったり、表情や言葉に乱れが出てしまえば
せっかく勇気を出して話してくれた社員の信頼を損ねてしまうことにもつながります。だからこそ私は自分自身のコンディションを整えておくこと=社員との信頼関係を守ることだと考えています。
もちろん、完璧ではいられません。
でも「自分の機嫌は自分で取る」ことを基本姿勢として心がけることで
社員が安心して心の内を話せる空気づくりにつながると信じています。
④ 小さな変化を見逃さない
そして最後のひとつは、「小さな変化を見逃さないこと」です。「大丈夫です」と言ってくれる社員ほど、本当はギリギリだったりする。
そういう場面を、私は何度も見てきました。Slackのレスがいつもより遅い、返信の言葉がそっけない
定例ミーティングで表情が固い、発言が減った。
そういったほんの些細なサインの裏に、心の変化が隠れていることがあります。私はそうした変化に気づけるよう、意識的に観察しています。
「気づかれたいわけじゃないけど、気づいてもらえたら嬉しい」
という距離感って、たしかにあると思うんです。それを“監視”ではなく、“見守り”として届けるために
あえて何気ないタイミングで声をかけたり、雑談をしたりもしています。社員が「ちゃんと見てもらえている」と感じられることが
日々の安心や信頼につながり、それが結果として定着や成長にもつながっていくと実感しています。最後に私が大切にしている4つのことは…安心できる居場所をつくること心理的安全性を発信し、実践すること自分の心を整えること小さな変化に気づき、見守ることどれも特別なスキルではありません。
でも、“人を信じ、丁寧に関わる”という姿勢があれば、確実にできることだと思っています。エンジニア一人ひとりが、自分らしく働きながら、少しずつでも前を向いて進んでいけるように。
そして会社としても、無理なく、持続的に成長できるように。
私はこれからも、心を込めてエンジニアたちと向き合っていきたいと思います。
ありがとうございました。