経歴も価値観も異なるつむぎ株式会社のメンバーが、本音で語り合う「つむぎのしゃべり場」。
第3回は、CS(カスタマーサクセス)を担当する門前みほ、栗原ともこ、廣原里奈の3人が集まりました。テーマは「安心感ってどうやって生まれる?」。
お客様に「この人たちになら任せられる」と感じていただくためには、何が必要なのでしょう。それぞれの仕事やこれまでの経験から話してもらいました。
パネリスト
CS担当 門前みほ
CS担当 栗原ともこ
CS担当 廣原里奈
モデレーター・文責
カケハシ事業部
紡ぎ手 大川祥子
「前にも言ったのに」をなくすことが安心感の始まり
つむぎ株式会社は、お客様の事業の成功を支えることを目指し、2025年に初めてCS部門を立ち上げました。
当初は基盤となるサービスや業務フローもまだない状態からのスタート。最初にCSに任命された門前が自ら学び、試行錯誤を重ねながら、つむぎにおけるCSの道を切り開いていきました。
CSチームには現在、栗原、廣原が加わり、3人体制に。担当するお客様の支援に同席し、散らばる情報をつなぎ、認識のズレを埋めたり、お客様自身もまだ気づいていない課題に目を向けたりしています。CSの仕事をするに当たり、3人はどのようなことを意識しているのでしょう。詳しく聞いていきました。
門前:CSを始めた頃から、お客様の「安心感」についてはかなり意識していました。部門を立ち上げた当初、CSはお客様とつむぎのメンバーの打ち合わせや研修など、ほぼ全ての支援に同席していました。そのときに、お客様が何度も同じことを聞かれていることに気が付いたんです。もちろんつむぎのメンバーはお客様の話を一生懸命聞いています。でもメンバー同士で共有する機会がないと、どうしても情報がつながらない。まずはお客様の二度手間をなくすために、情報の統合を図りたいと思いました。
大川:何度も同じことを聞かれると「あれ、ちゃんと伝わっているかな」って不安になりますよね。
門前:そうなんです。例えば病院で別の部門につながれたときに「どのような症状ですか」と何度も聞かれたら、「前にも言ったのに」と思うじゃないですか。
大川:でも「◯◯のために来られたのですよね」と言ってもらえたら、自分がきちんと受け入れられていることを感じられます。
門前:安心感はまず「自分たちのことを知ってくれている」と感じられると生まれるのではないかなと思っています。
「知ってくれている」と、なぜ安心する?
大川:「知ってくれている」と感じると、どうして安心するんでしょうね。
廣原:同じ空間の中に「わかってくれる人がいるはずだ」と思えるからではないでしょうか。例えば自分が意見を言っているときに、相手から「わかるよ」と一言もらえるだけでも、私はすごく安心するんですよね。
大川:自分のことを何も知らない人ばかりの空間におかれると、ずっと全員と向き合って説明をし続けることになる。でも事情や考え方を知っている人がいてくれていたら、横に並んで一緒に話してもらえるような感覚になりますよね。
栗原:少し困ったときに慌てず頼める相手がいるというのも、安心感が生まれる理由かと思います。CSは支援に同席し「前にはこんなことに取り組んでいました」「こっちではこういう話になっていましたよ」と補足したり、「あの資料ですね!」とすぐに差し出すことがあります。つむぎが支援している葬祭業の皆さんは現場の仕事が忙しいので、ときどき情報が飛んでしまうことがある。小さなポイントをサポートすることで安心感が生まれるのだと思います
知っているから「見えていない課題」に気づける
相手を知ることは、安心感を生むだけではありません。3人がCSの役割として大切にしているのが、お客様自身もまだ気づいていない課題を見つけることです。
廣原:どの企業様も一生懸命事業に取り組んでいるので、課題を見つけることって実は簡単ではないんです。すでに見えている課題は、お客様自身がすでに善処しようとしているんですよね。つむぎの担当者も解決策をすぐに提案できる。だから「お客様の成功」を本当に実現するためには、「見えていない課題」を探さなければなりません。お客様自身も知らなかった課題を見つけることができたら「つむぎに支援してもらって良かった」と強く感じていただけるのではないかと思います。
栗原:そのためには点と点を線でつなげることが大切ですよね。あちこちの打ち合わせや研修、相談などをしているときに出てくる話を比較検討すると「こんな課題がありそうだな」という一本の線が浮き上がってくる。ときには自分で現場の声も拾いながら課題を浮かび上がらせていきます。
門前:見えていない課題を見つけるには、やっぱり相手のことを深く知らないとできないと思うんです。例えば、家族がちょっと落ち込んでいたら、それまでの1週間の出来事を知っているから「きっとこのことで落ち込んでいるんだろうな」となんとなくわかるじゃないですか。
それと一緒で、深く知っていれば核心に近づける。すると「つむぎってこんなに自分たちのことを知ってくれているんだ」と感じてもらえる。それが安心感や信頼につながると思うんです。
呼ばれてから行くのではなく、「三河屋」としてそばにいる
CSを新設して間もないころ、門前は自身の役割を「三河屋」に例えていました。『サザエさん』に登場する三河屋の御用聞きのように、定期的に磯野家を訪れ、何か必要なものはないかと尋ねる存在です。
大川:「三河屋」の例えは、CSをとてもよく表していると思ったんですよ。「何かわからないことがあったら連絡してください」と窓口を開けておくことも安心感にはなる。でも、わざわざ声をかけるのって、結構大変ですよね。電話するほどでもないけれど「そういえば、ちょっと聞きたかった」ということって意外とたくさんあります。「三河屋」って、呼んでもいないのに来るじゃないですか。だから「そういえばさ」と声をかけられる。その場では商売につながらなくても、顧客の情報をストックしておくこと自体が価値になります。
門前:「三河屋」の例えは『カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」』に書いてあったんですよ(笑)。つむぎの皆さんにCSの役割を説明するときにも便利だったので、そのまま引用しました。
CSも「三河屋」と同じように「いつもいてくれている」「知ってくれている」と感じていただくことで、少しずつ信用を積み上げていけると思うんです。そのために、CSはつむぎが行うあらゆる支援にできるだけ同席することを心がけています。今はまだ、お客様からいきなりCSに連絡が来ることはあまりないのですが、ちょっとした相談がポンっと寄せられるようになったらうれしいですね。
廣原:前職では保険の営業をしていたのですが、よく意識していたのは小さくてもお客様との接点を持ち続けることです。何かあったときに「廣原さんに聞いてみるか」と思い出してもらうために。メルマガを配信したり、LINEで「最近いかがですか」と連絡したり。本当に細かい、小さなことをコツコツ続けるようにしていました。
門前:10通中9通のメルマガはスルーするかもしれない。でも、情報が必要になったときに「あそこに連絡すればいい」「そういえば、あれがあった」と思い出すことはある。小さくてもつながりを保つことはCSに通じます。
つながり続けることで「見えない信用残高」を積み上げる
栗原:私はヨガのインストラクターの仕事もしているのですが、待ち時間はできるだけ生徒さんと話すようにしています。「最近どうですか」とか「休みは何していましたか」とか。少しずつ話を広げていき、そこで聞いた内容はレッスンに生かします。最近の調子を聞いておくことは結構大事ですね。
大川:「こんなに覚えてくれている」「ちゃんと見てくれている」と思えたら安心して、頼ろうと思えますもんね。
廣原:覚えておくってとても大事ですよね。でも実は私、名前を覚えるのがすごく苦手なんです。だから、お客様と会ったらすぐにメモを取ります。話した内容とか、その人の背景とか。そうすると「よく覚えていますね」「廣原さんだと安心できます」という言葉を言っていただけるようになりました。安心感ってきちんと自分の手で築いていくこともできるんだなと感じました。
門前:知ろうとすることやつながり続けることって、とても手間がかかるんです。メールを送るのもそうですし、チャットに何かを書いても何のリアクションも得られないこともあります。けれど、そういうことを繰り返すことで「見えない信用残高」みたいなものが積み上がっていくんだと思います。
言いにくいことも、きちんと伝える
お客様にアクセスしつづけ、隣にいるような雰囲気を作ることで安心感を作ることはできますが、CSの仕事はそれだけでは務まりません。お客様の成功のため、ときには不快に感じられる情報を伝えなくてはならないこともあります。
前職で保険金の支払いに関わっていた門前は、お客様にとって厳しい事実を伝えなければならない場面を数多く経験してきました。
門前:トラブルが起きる前にリスクを伝えておくことはとても大切でした。事故があったときも、保険で賄える金額を算出する前に「全額払えるかわかりません」ということをできるだけ早い段階で伝えておく。早ければ早いほど、お客様に不信を抱かれにくくなります。それでも、支払われると思っていた金額に補償額が届かず、ご不満を抱かれるお客様はたくさんいらっしゃいました。そういうときはとにかく細かく理由を説明してご納得いただいていました。
廣原:営業でも、言いにくいことを伝えなくてはならない場面はあります。そういうときこそ、それまでにお客様と積み重ねてきた会話が効いてくる。伝えにくいことをきちんと伝えるためにも事前のコミュニケーションは大切だと感じます。
すべてはお客様の成功のために
相手を知り、覚え、つながり続ける。その積み重ねがあるからこそ、いざというときに頼ってもらえ、ときには言いにくいことも伝えられる。「安心感」は一度の大きな働きかけによって生まれるものではなく、小さな接点の積み重ねによって築かれていくものなのかもしれません。CSの仕事の細やかさと、その一つひとつがお客様との信頼につながっていることが見えた「つむぎのしゃべり場」第3回となりました。
インタビュー&執筆:大川
企画・ディレクション:川合
いかがでしたか?
違和感は、ときに見ないふりをしたくなるものです。しかし、言語化したり、自分を開いたり、できることから行動したりすれば、現状から踏み出すきっかけになります。
違和感は、ときに見ないふりをしたくなるものです。けれど、それを言葉にしたり、自分を少し開いてみたり、できることから行動に移したりすることで、今いる場所から一歩踏み出すきっかけになることがあります。
「いい違和感」とは、違和感そのものではなく、その先の行動につなげることで生まれるものなのかもしれません。
違和感の見つけ方も、向き合い方も人それぞれ。その違いを否定せず、互いの言葉に耳を傾ける時間となった、「つむぎのしゃべり場」第1回でした。
この記事を通して、つむぎの人や考え方、働き方に少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか?
カジュアル面談では、つむぎでの仕事や働き方はもちろん、気になっていることや、今感じているモヤモヤも含めて、ざっくばらんにお話しできたらと思っています。