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こんにちは。IIJプロテック採用チームです。
これからIT業界を目指す方とお話ししていると、必ずと言っていいほど話題に上がるのが生成AIです。AIがコードを書けるのなら、エンジニアの仕事はなくなってしまうのではないか。いまから未経験で目指すのは、遅すぎるのではないか。そうした不安の声をよく耳にします。
一方で、すでにエンジニアとして働いている方からは、まったく別の悩みを聞きます。生成AIをどこまで業務に使ってよいのか、会社としての方針が定まらないまま個人の判断に委ねられている。使いたくても、情報の取り扱いに不安があって踏み込めない。そうした環境で働いているという声です。
そこで当社では、現場で働くエンジニアを対象に、生成AIの活用実態についてアンケートを実施しました。日々システムに向き合っているエンジニアたちが、AIをどのように使い、何を大切にしているのか。その結果をご紹介します。
これからエンジニアを目指す方にも、すでにエンジニアとして働いていて次の環境を考えている方にも、参考にしていただける内容かと思います。ぜひ最後までご覧ください。
生成AIは「魔法の道具」ではなく「優秀なアシスタント」
回答を集計して見えてきたことを一言でまとめるなら、生成AIは仕事を代わりにやってくれる魔法の道具ではなく、優秀なアシスタントとして使われている、ということです。
アシスタントである以上、指示を出すのも、上がってきた成果物を確認するのも、最終的に責任を持つのも人間です。この関係性は、業務内容や経験年数を問わず、現場で共通していました。
なお、当社では生成AIを業務効率化や情報整理の支援ツールとして活用しています。利用にあたっては社内ガイドラインや契約条件を遵守し、機密情報および個人情報の適切な管理を徹底しています。AIの出力をそのまま採用することはなく、最終的な判断と責任はエンジニアが担っています。
現場では、どのような業務で使われているのか
●プログラミング・ツール開発
最も多く挙げられた活用例が、コードの生成です。プログラムのひな形作成、業務自動化ツールの作成、デバッグの支援、コードレビューなどに用いられています。特に、繰り返し発生する作業を自動化するツールの開発では、大きな効果を発揮しています。
ただし、生成されたコードをそのまま使うエンジニアはいません。内容を理解し、安全性を確認し、必要に応じて修正する。この工程は必ず挟まれています。AIがコードを書けたとしても、その品質を判断するのはエンジニアの役割です。
●システムの分析・トラブルシュート
システムに問題が起きた際の原因調査にも活用されています。傾向の整理や、確認すべきポイントの洗い出しに役立てているという回答が多く見られました。従来は経験豊富なエンジニアが時間をかけて確認していた内容を、短時間で整理できるようになっています。
●調査・情報収集
日常的な調査業務でも活躍しています。クラウドサービスの仕様確認や、最新の技術トレンドの把握などが挙げられました。英語の技術文書を日本語で要約できるため、海外の情報を取り入れやすくなったという声もありました。
●ドキュメント・資料作成
社内ミーティングの議事録、要件定義書、設計書、テストシナリオ、プレゼン資料など、文章や資料の作成にも広く使われています。チーム内の打ち合わせの文字起こしから議事録を整えたり、長文の技術情報をスライドの形に整理したりすることで、資料作成にかかる工数を削減できています。
●データの整理・品質管理
大量のデータの比較や集計、グラフの作成、品質の評価、ドキュメントの命名規則のチェックなど、人手では時間のかかる作業の効率化にも役立てられています。
使いこなしているエンジニアほど、慎重です
興味深いのは、生成AIを積極的に活用しているエンジニアほど、その扱いに慎重だという点です。アンケートでは、次の3点が繰り返し挙げられました。
●情報管理を徹底する
現場で最も重視されていたのが情報セキュリティです。生成AIに入力した情報がどこに保存され、どのように扱われるのかを理解したうえで使う必要があります。会社のガイドラインを守ること、そして扱う情報に応じて利用する環境を使い分けることが欠かせません。
●回答を鵜呑みにしない
生成AIは、ときにもっともらしい誤りを出力します。ハルシネーション(AIが事実に基づかない内容を、もっともらしく生成してしまう現象)と呼ばれるものです。多くのエンジニアが、AIの出力はあくまで参考情報として扱い、必ず自分で確認するという姿勢を徹底していました。特にインフラやセキュリティの領域では、誤った情報が大きな事故につながる可能性があります。
●最終的な判断は人が行う
AIは選択肢やアイデアを提示することは得意ですが、それが正しいのか、採用すべきか、実際の運用に耐えられるのかを決めることはできません。現場において、AIがそう答えたからという説明は通用しないのです。最終的な責任は、エンジニア自身が持つ必要があります。
AIの時代だからこそ、基礎知識が武器になります
AIがあるのだから、もう勉強しなくてよいのではないか。そう考える方もいるかもしれません。ですが、アンケートから見えてきたのはむしろ逆の事実でした。AIを使う時代だからこそ、基礎知識の重要性が高まっているのです。
コードが正しいかどうかを判断する。システムの状態を読み解く。設計内容を評価する。セキュリティ上のリスクを見抜く。いずれも、エンジニア自身に知識がなければできないことです。知識がなければ、AIの回答が正しいかどうかを判断できません。
具体的には、次のような力が求められます。
●ITの基礎知識
OS、ネットワーク、サーバー、クラウド、データベース、セキュリティといった、IT全般の仕組みを理解していること。
●プログラミングの基本原理
変数、条件分岐、繰り返し処理、関数、データ構造といった考え方。特定の言語を覚えること以上に、この基本原理の理解が大切だという声が多く挙がりました。
●問題解決力と論理的思考力
エンジニアの仕事は、システムを作ることではなく、課題を解決することです。何が起きているのか、どこに原因がありそうか、次に何を確認すべきか。順序立てて考える力が求められます。
●学び続ける力
IT業界は変化の速い業界です。知識を持っていることよりも、知識を学び続けられることのほうが重要になります。
●情報セキュリティの知識
利便性だけでなく、守るべき情報を守れること。これもエンジニアの重要なスキルです。
●AIを使いこなす力
適切な指示を出す。回答を検証する。複数の情報源で裏を取る。AIと人間の役割を分ける。これらは、新しい基礎力と言えるものです。
これから求められるのは、AIに仕事を奪われない人ではなく、AIを使って成果を出せる人です。
すでにエンジニアとして働いている方へ
ここまでは、AIとどう向き合うかという話をしてきました。ですが、実際にAIを使えるかどうかは、個人の姿勢だけで決まるものではありません。会社の環境に大きく左右されます。
生成AIを業務で使いたくても、社内のルールが整備されておらず、どこまで入力してよいのか判断がつかない。結果として、使わないという選択が一番安全になってしまう。そうした環境に置かれているエンジニアの方は、少なくないのではないでしょうか。
当社では、生成AIを業務効率化と情報整理を支える支援ツールとして位置づけ、社内ガイドラインと契約条件のもとで活用しています。何を入力してよく、何を入力してはいけないのか。どの環境で使うべきなのか。その判断基準が整理されているため、エンジニアは安心して業務に取り入れることができます。
同時に、AIの出力をそのまま採用することはありません。最終的な判断と責任は、常にエンジニアが担っています。効率化の名のもとに判断そのものを手放してしまえば、技術者としての価値は失われていきます。AIに任せる範囲と、人が引き受ける範囲を明確に線引きすることを、私たちは重視しています。
エンジニアの判断を尊重し、そのうえで使える道具は積極的に使う。AIを禁止するのでも、AIに丸投げするのでもない中間地点を、現場のエンジニアと一緒に探り続けています。
これから、私たちと一緒に
生成AIによって、エンジニアの仕事は確実に効率化されています。その一方で、現場では考える力、判断する力、学び続ける力の価値が、これまで以上に高まっています。
生成AIとエンジニアの知識。この掛け合わせが、これからのIT業界で活躍するための大きな武器になります。裏を返せば、基礎から学ぶ意欲さえあれば、未経験からでも十分に戦える時代だということです。実際に当社では、多くの社員が未経験からスタートし、いまは現場の第一線で活躍しています。
すでにエンジニアとしてキャリアを重ねてきた方にとっては、AIを使いこなす環境があるかどうかが、これからの数年間の成長速度を左右していくはずです。適切なガイドラインのもとで新しい道具を試せる環境は、技術者としての市場価値を守るための土台になります。
未経験からの第一歩を踏み出したい方も、いまの環境に物足りなさを感じている経験者の方も、まずはお話を聞かせていただければ幸いです。
募集記事の「話を聞きに行きたい」から、お気軽にご連絡ください。お会いできる日を楽しみにしています。