こんにちは! NTT DXパートナー AI事業部の酒井です。
今回は、ターゲット開拓チームを率いる瀬谷巧美さんに話を聞きました。札幌から函館の大学へ進み、「熟練医の暗黙知をAIで可視化する」研究に取り組んだあと、NTT東日本 岩手支店を経て2022年に当社へ出向。入社4年で自治体・教育・農業の開拓リードと案件PMを担っています。
実は瀬谷さん、今年から仙台に拠点を移しました。全国のお客様と仕事をしながら、暮らしは地域に根ざす——そんな働き方を選んでいます。
「若いうちに濃い経験を積みたい」「でも住む場所は諦めたくない」。その両方を考えている方に、読んでほしい一本です。
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プロフィール
- 名前:瀬谷 巧美(せや たくみ)/30歳
- 役職:NTT DXパートナー AI事業部 / 自治体・教育・農業・支店連携のターゲット開拓チームリード 兼 案件PM
- 経歴:
- 札幌出身。函館の大学で情報科学を専攻し、医療へのICT活用を研究。テーマは「熟練医の暗黙知をAIで可視化し、若手医師の執刀を支援する」
- 新卒でNTT東日本 岩手支店へ。公共分野のSE・ネットワークエンジニアとして2年
- 2022年、NTT DXパートナーへ。自治体向けSI、DX認定システムのMVP開発、社会人向けリスキリング/リカレント教育プラットフォーム開発などを経て現職
- 今年から仙台に移住。リモートワークを基本に、全国の案件を担当
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原点は、祖母の入院と「暗黙知」への関心
――瀬谷さんの大学時代の研究、社内で話すとみんな驚きますよね。改めて教えてください。
札幌から函館の大学に進んで、医療へのICT活用に取り組んでいました。研究テーマは「熟練した医師の暗黙知を、AIで可視化する」というものです。
――そもそも、なぜ医療だったんですか?
きっかけは、祖母が体調を崩して入院していた時期があったことです。医療の恩恵をありがたく感じると同時に、「どうすれば健康に暮らしていけるんだろう」と考えるようになりました。
その後、関心のあったネットワーク技術を医療にどう活かせるかを考える中で、遠隔で熟練医が執刀医を支援する——そんな遠隔医療の取り組みと連携しているゼミがあることを知って、面白そうだと感じて入ったんです。
――そこから「暗黙知をAIで」に行き着いたのは、どういう流れだったんでしょう。
少子高齢化が進む日本では、その熟練医のマンパワー自体が足りなくなるのは目に見えていて。ちょうどDeep Learningが盛り上がり始めた頃だったこともあって、「熟練医の判断や暗黙知をAIで可視化して、若手医師の執刀を支援する」というテーマに取り組んでいました。
――……それ、いまの仕事とまっすぐつながっていますよね。
そうなんです(笑)。当時から「人の経験や勘をどう形にするか」に関心があって。
人の能力をAIが底上げして、人が人でなければできない業務に集中できるようにする
——この一点は、あの頃からずっと変わっていません。人口が減っていく中で、いかに生産性を維持し、高めていくか。学生時代に向き合った問いを、いまは生成AIと現場の課題という形で、あらためて解こうとしている感覚です。
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入社4年、いくつもの現場を駆け抜けて
――2022年に入社されて、そこからの4年がかなり濃いですよね。
そうですね。最初は自治体向けのSI事業、その後はDX認定システムのMVP(最小限の機能で価値を検証する試作)開発、複数の自治体向けSI、社会人のリスキリング/リカレント教育プラットフォーム開発……といろいろな現場を経験して、今に至ります。
――短期間でこれだけ幅広く。正直、しんどくなかったですか?
正直、大変でした(笑)。領域が変わるたびに、お客様も、求められる知識も、自分の役割もがらっと変わるので。
ただ、振り返るとその変化こそが、一番鍛えられたところだと思います。
――特に印象に残っている案件はありますか?
あえて1つ挙げるなら、社会人向けのリスキリング/リカレント教育プラットフォームの開発ですね。
それまではエンジニアとして、「課題がある程度明確になっているものを具体化する」のが自分の役割でした。それがこの案件では、「そもそも課題を掘り起こして訴求するところから、具体策の検討まで」に一気に広がって。しかもSIのように仕様に対して打ち返すのではなく、事業モデルまで念頭に置いて、ビジネスとして考えることが求められた。この役割の変化が、本当に難しかったです。
――あのプロジェクト、私も横で見ていて大変そうだなと思っていました。うまくいかなかったこともありましたよね。
忘れられない失敗があります。複数のお客様に水平展開を進めていく中で、当然お客様ごとに課題意識は千差万別なのに、それを無視した提案をしてしまって、大きく外してお怒りを買ってしまったことがありました。
初期の頃だったので、非常に堪えましたね。
――そこからどう立て直したんですか?
痛感したのは、「まずは共感が何より大事」だということです。
仮説を立てて、お客様の声を聞いて、それを具体的なソリューションに落とし込む。この作業を粘り強く繰り返すことで、最終的には形にすることができました。
役割の変化を乗り越えられたのかと言われると、正直今でもわかりません。ただ、失敗を含めたあの試行錯誤が、今の自分の土台になっているのは間違いないと思います。
――逆に、「この経験が自分を成長させた」と思うものは?
1つに絞るのは難しいですね。むしろ、短い期間でいろんな分野・いろんな役割を経験させてもらえたこと自体が、一番の財産だと思っています。引き出しが増えましたし、社内外に幅広いつながりもできました。
そして何より、「思いを技術で形にして、初めてビジネスになる」という感覚を培えたことが大きいです。いい技術があるだけでも、いい思いがあるだけでもダメで、それが誰かに価値として届き、対価をいただけて初めて続けられる。この感覚は、教科書ではなく現場で叩き込まれたものだと思います。
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開拓とPMとプロダクト企画。役割をまたぐ面白さ
――いまの仕事を教えてください。役割、けっこう多いですよね(笑)。
多いですね(笑)。自治体・教育・農業・NTT東日本との連携といったターゲット開拓のチームリードをしつつ、個別案件のPMも担当しています。AIプロダクトの企画開発にも、メンバーとして関わっています。
――その中で、一番面白いのはどこですか?
正直、「どの役割が」というより、役割をまたいでいるからこその面白さを感じていて。
いろんな経験をしてきたからこそ、目の前の課題を多面的に見つめて、立体的なアイデアにつなげられる瞬間が一番面白いですね。自治体の案件で得た視点が教育の課題に効いたり、開発の経験が開拓の場面で活きたり。引き出しが掛け算になる感覚があります。
もうひとつは、自分ひとりでは解決できないことでも、「この人や、この組織と連携したら拾えるかもしれない」と見立てて、実際に持っていったら本当に解決につながった瞬間。これまで築いてきたつながりが、お客様の課題解決という形で実を結ぶのは、素直にうれしいです。
――自治体・教育・農業って、デジタルの導入に慎重な領域でもありますよね。難しさはどこにありますか?
おっしゃるとおり、どちらかというと保守的で、デジタルの導入に慎重な組織や人が多い文化です。
その中で、自分たちが直接解決する場合も、内部で解決しようと奮闘されているお客様を支援する場合も、「導入して終わり」ではなく、どうすれば定着まで持っていけるか。現場が活性化して、「人でないとできない業務」「現場が本当に注力したい業務」に集中できる状態をつくれるか。ここが一番の難しさだと思っています。
――その難しさが、やりがいでもある?
そうですね。お客様の先には、住民の方や学生、生産者の方——つまり「お客様のお客様」がいます。そこまでインパクトを届けられて初めて、社会に価値を出せたと言えると思っていて。
正直、まだ「そこまで届いた」と胸を張れる段階には至っていません。だからこそ、どうすればそこに至れるかを、日々考え続けています。
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仙台に住みながら、全国の現場とつながる
――今年から仙台ですよね。実際、働き方はどう変わりました?
普段はリモートワークで、お客様対応が必要なときは東京などへ出張する、という形です。
仙台での暮らしと、東京での仕事の両方を楽しみながらやれているのが、今すごく心地いいですね。拠点を移しても全国のお客様や案件にしっかり関われるので、住む場所の選択肢が広いのは大きな魅力だなと感じています。
――両立のコツって、何かありますか?
コツと言えるかはわかりませんが、意識しているのは「時間のメリハリ」と「根を張ること」の2つですね。
出張で移動に拘束される時間がある分、それ以外の時間をどう有効に使うかは、以前よりも工夫するようになりました。家族の理解を得ることも大事なので、家庭での時間の使い方にもメリハリをつけるようになって。むしろ移住前より、時間の使い方は上手くなった気がします。
もうひとつが、暮らしの側で「根を張る」こと。移ってから、外に出て自然に触れる機会が増えましたし、地域のコミュニティにも積極的に参加するようにしています。仕事は全国のお客様とつながりながら、暮らしは地域に根ざす。この両立が、今の自分にはすごく合っていると感じます。
――そもそも、なぜ仙台だったんですか?
家族の都合もあったのですが、私の地元の北海道と、会社のある東京の、ちょうど交通上の中間点だったからです。山も海もあって、四季が豊かで、地元と同じように雪も降る。そこが決め手でした。
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一人の働き方の変化から、社会を変える連鎖を
――これから挑戦したいことを聞かせてください。
これまで携わってきた自治体・教育・農業といった領域で、自分が起点になって新しい事業を立ち上げたいと思っています。
目指したいのは、お客様への価値提供が、その先の「お客様のお客様」にまで波及して、社会が良くなっていく連鎖を生む事業です。
――もう少し具体的に、どんな連鎖をイメージしていますか?
たとえば、自治体の窓口で働く職員の方や、地域の企業で働く方の業務を、AIが底上げする。すると、本来やるべき仕事——人でなければできない仕事に集中できて、「今日も頑張った」と胸を張って一日を終えられる。
その手応えが日々の活力になって、家族と過ごす時間や、地域の活動にも身が入る。そのゆとりと元気が地域を活性化させて、地方を変え、やがて社会を変えていく。
一人の働き方の変化の先に、そこまでの連鎖を描けるのがこの領域の仕事だと思っていて。その起点になる事業をつくりたいんです。
――いい話ですね。ただ、瀬谷さんはそこで必ず「事業として成立させる」って言いますよね。
そこは外せないと思っていて。継続的にやっていくには、まず事業として成立して、きちんと対価をいただけるようにならないと、絵に描いた餅で終わってしまいます。
だからこそ今は、新規事業開発の力を身につけて、事業戦略を具体化できるようになりたい。「やりたいことをやるためには、それを事業として成立させないといけない」——それが、今の自分の課題意識です。
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こんな人と働きたい
――オフの日は何をしていますか?
サッカーが好きで、やるのも観るのも。スタジアムで声を出しているタイプです(笑)。あとはドライブや旅行で、妻と国内の地場のものを楽しんだり。最近は温泉・岩盤浴も好きですね。30歳になって健康の大事さを実感して、運動も始めました。
――(笑)。最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
まず、自分の枠組みを積極的に広げたい人。この仕事は一人で完結することがほとんどないので、越境や連携をいとわず、未経験・未知の領域にも飛び込んでいける人ですね。
その上で、技術を社会に還元したい、地域の魅力を最大化したい——そんな想いを持っている方となら、きっと面白い仕事ができると思います。
――未経験の領域に飛び込むのって、勇気がいりますよね。
いりますね。でも僕自身、入社して数年でいろんな現場を任せてもらって、そのたびに未経験からのスタートでした。だからこそ言えるのは、そこで得た引き出しは全部あとから効いてくるということです。
「若いうちに濃い経験を積みたい人」には、本当に面白い環境だと思います。
働く場所も、仙台の僕のように選べます。少しでも気になったら、まずは気軽に話を聞きに来てください。
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編集後記
10年前に立てた問いを、いまも同じ熱量で解き続けている——瀬谷さんの話を聞いていて一番驚いたのはそこでした。
失敗の話を隠さず語っていましたが職場での瀬谷さんもいつもそんな感じです。
いつも等身大でいるので、話す言葉は芯をくっているし、周りも安心して本音で会話ができる。なのでしっかり議論が積み上がる。
当社の社員のありたい姿の一つを体現していると思います。(酒井)
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