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「就活から逃げる」という決断

「○○がしたいから休学します」というポジティブな理由ではなく「このままだとやばいから、一旦ストップさせてください」。

それが僕が休学を決断したときのリアルでした。

3年生が終わり4年生に上がる冬。

就活は佳境にさしかかり、選考も進んでいるけど、何かが違う気がする。もう少し時間をかけて考えたいのに、締め切りに追われ時間がとれない。

どんどん負のループにはまり、下北沢のアパートで1人塞ぎ込んでいきました。

「このままではやばい、心が壊れちゃう」というネガティブな理由から僕は休学を考えるようになりました。

でも、休学する人ってめったにいないし、友達や家族にも相談しづらかったりします。それに休学したとして、どんな選択肢があるのかも見えづらいです。

だから今同じように悩んでいるあなたに向けて、メッセージを届けたい。

ぼくは休学しましたが「休学は最高だ!」「みんな休学すべきだ!」なんて1ミリも思ってません。

体当たりで経験したからこそ見えてきた休学観を書いてみます。

休学は就活からの逃げか

結論、僕は逃げだと思います。

当時はあまり認めたくなかったけど、少なくとも僕の場合はそんな側面がありました。

大学3年生の終わりって、ちょうど自分の人生が見えてきちゃう頃な気がするんです。

社会に出るまで残り1年。単位をかき集め、自分を納得させられるくらいの会社から内定をもらい、最後友達とパーっと遊んで社会人になる。

そんな道筋が現実的になりつつ、もう一方で「本当にこの道でいいのかな?」「俺がしたいのってほんとにこれだったっけ?」と漠然とした不安が襲ってくる。

でも、ESの締め切りは次々に迫ってくるから、とりあえず目の前のことに集中する。

ちょうどそんな時期が大学3年生の終わる頃ではないでしょうか。

もちろんそうした悩みや迷いから逃げずに、前に進む決断は素晴らしいです。

社会に出る前からくよくよ悩んでも仕方ないから、一旦、社会に出てみる。まずは社会人として自立できるように集中する。その選択はもちろん立派です。

だけど、学生の段階ですでに違和感が大きくなっているのなら、思い切って違和感に向き合ってみるのも立派な勇気だと思うんです。

違和感を抱えたまま就職しても、結局同じ悩みにぶち当たるかもしれません。

思い切って逃げてみる、足をとめてみる。

それも勇気ある決断だと思います。

まっさらで誰も決めてくれない時間

今思うと、休学はそれまでの人生で最大の自己決定でした。

人生ってなんとなくの正解がある気がしませんか?

高校を卒業したら大学に入る。大学を卒業したら就職する。就職したら結婚して、仕事と家庭を両立させてetc.

ここに間違っても休学は入りません。

大きな社会の流れに逆らって決断するのが休学です。

実際、休学してみると「なんで休学したの?」「休学して何してたの?」とめちゃくちゃ聞かれます。ふつうはしないからです。

それに、休学にカリキュラムはありません。どこにいくか、何をするか。すべて自分で決めないといけません。それ次第で、実りある1年にもスッカスカの1年にもなります。普通にしんどいです。

でも、このしんどさって実は人生でも直面する気がするんです。

なんとなく、みんなと一緒の方が安心するし、正解なように思えるけど、人生に正解はないし、一つ一つ決断して選んでいくしかないはずです。

自分の違和感に向き合い、1年間自由な時間をもらうという決断をする。

その1年間の猶予を使って、どんな学びを得たいのか自分で考え、行動して結果を得る。

このプロセス自体が、休学したことによって僕にもたらされた財産であり、血肉となっています。

僕の場合は地方創生に関心があったので、1万人の過疎地に飛び込み、まちづくりベンチャーで4ヶ月間がむしゃらにインターンしました。

自主企画が成功し町長・副町長と記念撮影

屋久島のゲストハウスで2ヶ月間ヘルパーをしたり、1人で日本一周したりもしました。

休学期間をどう過ごすかは全て自分にかかっています。

人生にとって意味のある1年間にできるのか、失敗しても誰のせいにもできません。

ヒリヒリするししんどいこともあるけど「自分で決断して、自分でケツをふく」ことを初めて達成できた1年間だったように思います。(自立できていませんでしたと言っているようなものですが。。)

休学というリスクを自分なりに評価し、自分で決めて自分でケツをふく。

これを就活という大きな意志決定の前に、体感できたことの意味は大きかったです。

就活の軸・人生の軸がじんわり見えてきた

僕は休学期間を長期インターンにあてるという選択をしましたが、休学しながらの長期インターンって割と特殊だなと思うんです。

インターン自体を経験する人は多いですが、並行して学業や他のアルバイトもあるので、一本集中というわけにはいきません。

だけどその点、休学すると時間だけはたっぷりあるので、数ヶ月間単位でインターンに没頭できます。

学生の身分のまま、社会人に足をつっこむことができるんです。

没頭してどっぷり浸かるからこそ「体験レベル」をちょっとだけ超えて「壁」にぶつかることができたし、他の社員さんと話す中で、自分の軸も見えてきました。

社会人になったときの自分は、何を大事に、どんなふうに働きたいのか。それがじんわり見えてきたんです。

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休学期間の半分は長期インターンにつっこみましたが、残る半分は旅に使いました。

この期間はまるで「生き方見本市」でした。

・シンガーソングライターとして生計を立てながら、子供3人を育てる家族
・100年続く天然の麹屋さんの3代目として、冬は毎日働き、夏はバケーションする方
・30代を目前に小学校の先生をやめ、旦那さんと自転車での世界一周を始めた方

これまで自分の人生では出会わなかった、想像もできなかったような生き方があるんだと知り、視野がグワッと広がりました。

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僕は長期インターンと旅を通じて「自分はどう生きたいのか」という問いに向き合うようになっていました(たぶんこれが「就活の軸」でもあるんだと思う)。

正直な話、まだ僕は明確な軸を見つけたわけじゃありません。

それでも「なんとなくこっちの生き方のほうが俺には向いてそうだ」という嗅覚は鋭くなったという自信はあります。

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休学は怖いし、留学や資格と違って経験したから取得したから価値がある系のものじゃありません。

スッカスカの1年になるリスクはあるし、同期からも取り残され、就活では多少なりともネガティブな視線にさらされます。

だけど自分の行動次第で、より納得感のある人生を送るチャンスをつかめるかもしれない。その可能性を秘めているのが休学だと思うんです。

だからこそ、就活してるけど漠然とした違和感を抱えている人には悩む価値があるんだよと伝えたい。

就活からの逃げかもしれないけど、単なる逃げで終わらせない道もある。人生を変える1年間にできる可能性もあるんだよと伝えたいんです。

1人で悶々と悩んでいるあなたに届きますように。

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僕が働いている宮崎県都農町の会社(株式会社イツノマ)では、4月からの長期インターンを募集しています。

地方創生やまちづくりに興味ある人はもちろん、自分の進路に悩む人・キャリア選択に悩む人におすすめです。

まさか「苦手なこと」が「やりたいこと」になるなんて!〜東京から都農町に飛び込んだインターン生に起きた変化〜|まちづくりホステルALA
社会課題や教育の問題に興味があって大学で学んでいるけど、実際の現場はどうなっているんだろう?就活が迫ってきているけど、自分のやりたいことが見つからなくて迷走していた。 東京の大学から九州の過疎地に飛び込み、数ヶ月滞在した学生たちは、インターン直前の心境をそう振り返ってくれました。 === ...
https://note.com/ala_tsunocho/n/nd56c63cef3e3


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あなたのちょっとだけ先を歩むメンバーが、行き詰まったときはそっと寄り添います。

興味がある人は、wantedlyページから申し込むか、こちらのアドレスに直接メールしてください(info@itsunoma.co.jp)。

まちづくり×教育×観光の企画
地方でリアルなまちづくり×教育×観光の企画・運営したい学生インターン募集!
1 グランドデザイン作成 理想の未来をわかりやすく見える化 町民との20回以上のワークショップを経て、パッと見てわかる未来の姿をデザイン 町の課題を解決するアクション100を提案、「つの未来ブック」を全世帯に配布 ①ワークショップ まちづくりの主役である住民のニーズやインサイトを引き出し、「実現させるためには?」を問いかけるワークショップ A レゴ®︎シリアスプレイ®︎ レゴ社とMITメディアラボが創ったプログラム。レゴブロックを活用して創造的で革新的、かつリアルタイムに創ることができるプログラムを認証ファシリテーターとして実践。 B フューチャーランゲージ 慶應義塾大学SFCの井庭崇教授が研究する「パターン・ランゲージ」(よい設計や実践の本質、コツを言語化)をベースに、未来ヴィジョンや理想の未来像を小さな単位で言語化し、共有する手法。 2 こども参画まちづくり こども・若者が当事者としてまちづくりに参画するしくみづくり ①つの未来学 都農町内唯一の中学校、都農中学校の総合学習の時間を各学年、年間24時間使ってまちづくりをテーマに探究・提案を行う。2021年には「気候変動対策」をテーマに中学生が出したアイデアがきっかけとなり、都農町として「ゼロカーボンタウン宣言」を表明。「自分たちのまちは自分たちで考える」をコンセプトにプログラム企画・実施を続けている。2024年度から、町内の小学校3校でも開講。 ②Green Hope 都農町「ゼロカーボンタウン宣言」をきっかけに結成された小学生のゼロカーボン推進チーム。毎週水曜日の放課後、2時間を使って「木と花を植える」をコンセプトに、議会や町内に対してゼロカーボン施策を提案している。2022年度には、町議会に対し木と花を植えるための予算100万円を提案、全会一致で可決されている。 ③まちづくり部 2023年5月にスタートした、中学生の地域クラブ「まちづくり部」。現在、中学1年生5名が部員として、週4日活動。まちづくりとAIをテーマに、未来の都農町について企画をつくっている。毎月開催している「みちくさ市」では、出店者としてオリジナルの飲料や菓子、ゲームを企画・販売して「稼ぐ」経験も楽しんでいる。 ④みちくさ市 GreenHopeが主催者の一角として、「花とみどりで商店街を元気に」をコンセプトに、商店街の空き地で毎月1回、イベントを開催。①のつの未来学では、2年生が「みちくさ市」の会場を常設広場にするとしたら何があったら行きたいか?をテーマに企画し、町長や教育長に提案を実施している 3 空き家・廃校活用 建築・不動産の企画・デザイン・運営まで ①YARD1927 商店街の入口に位置する、築93年の旧歯科医院を町内初のコワーキングスペースとして、リノベーション、イツノマの本社所在地。イツノマは運営も担当。現在は、オフィスに加え、中学生の地域クラブ「まちづくり部」の部室としても活用。放課後は、大人と子どもで賑やかな場となっている。 ②BUNMEI 商店街の中心に位置する、築91年の金物屋を多世代交流サロンとして、リノベーション。1Fは、イツノマが政策提言した「デジタル・フレンドリー事業」の運用の場として、全世帯に配布したタブレットの使い方がわからない高齢者がいつでも無料で聞きに来れるITヘルプデスク機能をもたせている ③HOSTEL ALA 約5,000㎡の耕作放棄地にある2件の空き家と1台のトレーラーをリノベーション。20床の宿泊施設をイツノマが直営。「まちづくりホステル」をコンセプトに、町内外の人たちが出会い交流を促す場として運営しています。多拠点生活サービスのADDressと提携、ワーケーションニーズを中心に誘客。 【スタディツアー】 定期的に高校や企業のまちづくりスタディツアーを催行。廃校や空き家など地域課題をコンテンツに、町内の小中学生と一緒に解決案を考え、町の人に提案するプログラムを実施。 (ツアー実績) 新渡戸文化高校(東京)、日吉ヶ丘高校(京都)、東京大学(地方創生コンソーシアム)、関西学院大学(社会起業学科)、立教大学(観光学部)、海士町(島根県)、サントリー、三菱重工グループなど 【ALAガーデン】 Hello New One!をコンセプトに毎月開催。5,000㎡の敷地を活用、都農ワインを楽しみ、新しいコトを起こしたい人が集まる場づくり。ゲストを呼んで新規事業やまちづくりを話し合う「まちづくりカレッジ」も同時開催。県外からのツアーゲストも招待、ホステルに宿泊し夜までゆっくり語り合える企画。
株式会社イツノマ


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