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部活改革!中学生の地域クラブ「まちづくり部」をつくった4つの理由

今月から、都農町で地域クラブ「まちづくり部」を創部

都農中学校の1年生3名が入部、月火木金の週4日、16時から18時まで、ぼくらのコワーキングスペースYARDを部室として活動スタートしてます!

ぼくらがつくったチラシを見て応募してくれました。

初日に入部の理由聞いたら、中学生らしすぎて笑えました。

・他に楽しそうな部がなかった
・先輩がいなくていい
・なんかかっこよさそうだったから
・変えることができそうだから

「まちづくり部」構想を提案したのは、昨年の12月。
教育委員会、都農中学校に提出した企画書がこちら↓

やや公式の資料としてつくったので、かたくなってるんですが、わかりやすく「まちづくり部」を創部した理由を挙げると4つあります。

1.部活が忙しくて集まらない

3年前から都農中学校で総合的学習の時間で15時間、「つの未来学」を担当。2年前に2年生が「気候変動対策」をテーマに300個のアイデアを出し、そのプロセスを町長が見て感心、町として「ゼロカーボンタウン宣言」を表明することに。

具体的なアクションとして、小中学生で選抜チーム「Green Hope」を結成、町には「ゼロカーボンU-18議会」を創設、ゼロカーボン対策については、2050年に40代と町の中心世代になる小中学生たちが議会で、毎年、施策提言をすることに。

選抜チーム「Green Hope」のメンバーを募集したところ、小学生は順調に6名が決定。ただし、中心メンバーとして期待していた中学生が難航。

小学生と同様に、テーマや活動に興味を持つ中学生はいたのですが、共通して部活がネックに。

折衷案として、部活のない水曜日の活動ということで、吹奏楽部に所属している2年生3名が参加することに。



2年目の2期生募集は、前年同様、小学生はすぐにメンバー決定したものの中学生が難航。興味を持った中学生たちがいったんは集まったものの、結果的に年間20回ほどの活動において、最後まで残ったのは3名だけ。
しかも部活(吹奏楽部・美術部)の大会などで、欠席が目立ち残念。

このような流れで、どうすれば中学生が参加できるか?と考えた結果、Green Hopeの活動自体を部活にしちゃえばいいんじゃないか、と。

早速、現教育長に提案したところ、ものすごく賛成いただき、中学校の校長先生も乗ってくれて、前述の企画提案書に至りました。

2.部活に選択肢がなさすぎる

校長先生と「Green Hope」の相談をする中で、いまの部活の問題も共有することができました。

世間的には、先生たちの労働負荷を下げ、地域の民間委託をという流れ。


中学生の課外活動は部活から地域クラブへ
<課外活動の場が学校から地域社会へ移れば、教員の働き方改革につながる> 少子化に...
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/post-101158_1.php

日本の中学校教員の勤務時間がやたら長い。授業時間は平均的、事務作業と課外活動が異常値

舞田敏彦氏(教育社会学者)

中学生の運動部加入率は低下傾向にある。スポーツ庁の『全国体力・運動能力、運動習慣等調査』によると、公立中学校2年生男子の運動部加入率は2012年では86%だったが、2022年では73%

舞田敏彦氏(教育社会学者)

中2男子の地域スポーツクラブ加入率は、2015年の15%から2022年の19%へと増えている。国としても、中学校の部活動を徐々に地域に移行する方針を示しているところだ。
小5男子の地域スポーツクラブ加入率が50%であることを考えると、積極的な働きかけをすれば、中学生の加入率ももっと高まると思われる。朝から夕方まで生徒が学校にいる状況も変わりつつある。子どもは社会全体で育てることが理想だ。

舞田敏彦氏(教育社会学者)

部活問題を語る時、多くは中学校教員の労働負荷軽減が論点になりがち。それはもちろん重要なんですが、ぼくが問題視したかったのは、中学生にとっての選択肢の少なさ。

運動部の加入率が10年間で13%減少とでているが、そもそも、みんな、そんなに運動したいのだろうか?

ぼく自身、サッカー部だったけど、もちろんやりたいスポーツではありつつ、消極的にいうと、他に面白そうな部活がなかったからともいえる。

特に、文化系における選択肢が寂しい。都農中学校で文化系となると「美術部」と「吹奏楽部」の二択。

もっというと、運動か文化の二択も寂しい。

起業や経済、建築、不動産があってもいいんじゃないか?

そんな思いから、「まちづくり部」という提案がうまれていきました。

3.当事者としてまちづくり、やる

中学生にとっては選択肢を増やすことが「まちづくり部」の意義でしたが、町として意義は、「まちづくりの当事者」を増やすことだと思ってます。

高校が廃校になった町では、中学卒業と同時に、ほぼ都農町にはいないことになります。大学や専門学校がなく、就職先も少ない都農町に残り続ける確率は非常に低い状況です。

町を出た中学生が、将来、Uターンしたいと思えるか?

戻るか戻らないかの基準として、仕事が最大の課題。
デジタル化やリモートでの働き方の変化が進んでいけば、都農町にいながらにして全国の仕事をできる選択肢は増えるでしょう。

仕事ができるとしても、都農町に住むんだろうか?

昔同様、ふるさとへの郷愁的な要素も一定数あるとは思いますが、ぼくが重要視したいのは、「自分がつくったまち」かどうか

当事者として自分がまちづくりに関わっていれば、自分ごととして、愛着に加えてある種の責任感も帯びて戻ってくる可能性があるのではないかと。

「まちづくり部」に入部することで、町の大人たちと、ほぼ毎日、まちのことを考え、アクションを起こしていけば、少しずつ自分ごとになっていくのでは、ということを期待しています。もちろんベースはエンジョイ!です。

4.過疎地ほどオープンな環境づくり


最後に、中学生にとっても、町(の大人)にとっても大事だと思うのは、都農町のような過疎地は、内向化しがちななか、ぼくらや、町内外の大人たちと毎日、気軽に会えて話せる環境自体に意味があるのではないでしょうか?

まちづくりは、とても広範囲な活動であり、役場の活動の総称といっても過言ではありません。それだけ関係者が多いことになります。

中学生たちのやりたいことがなんであれ、その専門知識や実務を担っている人たちに会うことは可能だし、それが小さな町の強みだと思って、ぼくらも積極的に大人たちを巻き込んでいきます。

金曜日は、ぼくらが経営するHOSTEL ALAでリモートワークしてるゲストがまちづくり部に興味を持ち、活動を見にきてくれました。中学生たちと校則について話したり、とても理想的な場になりました。

5.動き出した「まちづくり部」

以上、4つの理由により創部された「まちづくり部」

早速、中学生たちが自主的に「まちづくり部」でやりたいこと100個をアイデア出し。

議論した結果、BEST3は

1位:まちづくりYouTube
2位:Newのみもの
3位:まちづくり部の旗を揚げる

早速、月1回開催している、花とみどりで商店街を元気にする「みちくさ市」にもデビュー!自分たちがやりたいことを町の人にプレゼン

次回、6/18の「みちくさ市」で、Newのみもの第一弾、収穫したての梅シロップを使ったドリンクの販売を企画。

これから、どんなことが起きていくのか?入部した中学生を含めて、ぼくらもまったくの白紙。毎日、話しながら試行錯誤を楽しんでいきます。

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