約6年間にわたり大手監査法人で監査業務に専念されていた荻野氏。その専門知識を活かしつつ、なぜIPOコンサルティングの最前線であるタスクへの転職を決意されたのでしょうか。タスクでの現在の役割や、監査経験がどのようにクライアント支援に生かされているのかについて、詳しくお話を伺いました。
【プロフィール】
名前:荻野 智成
所属:コンサルティング事業本部 東日本事業部
前職:2017年にEY新日本有限責任監査法人に入所し、2022年まで監査業務に従事
趣味:キャンプ、映画
「会計士としての知見を、IPOの最前線で活かす」
Q. まず、公認会計士になられた経緯と、監査法人時代のキャリアについてお聞かせください。
公認会計士試験の勉強は大学1年生の時から始め、2016年に試験に合格しました。そして、2017年から、4大監査法人であるEY新日本監査法人に入所し、2022年まで約6年間在籍しました。
職階はシニアまで進み、主査(インチャージ)まで経験しました。基本的には監査業務中心で、大手の製造業や化学メーカー、不動産業等への監査をしていました。実は、意図したわけではないのですが、タイミングもあってIPO(新規公開株)に係る業務には一切携わることなく過ごしました。
Q. 長く監査業務に携わられた後、コンサルティング業界、特にタスクを選ばれた理由は何でしょうか。
大手の監査法人での監査業務以外のことにも挑戦したいという思いがあり、2022年10月にタスクに入社しました。
監査を行う中でチェックや検証を行ったり、指導・指摘をする側だけではなく、手を動かしたり汗をかいたりしながら、上場会社が実際に上場する場面に立ち会う経験をしたいという思いが芽生えてきました。目の前のクライアントのため、人のために貢献したいという思いもタスクへの入社のきっかけとなりました。
タスクを選んだ決め手としては、まず、IPOコンサルとして圧倒的な歴史とノウハウがある点です。今年で創業30年目になり、600社超に及ぶIPO実績があります。また、年間約200社の申請書類を作成(上場に至らなかった会社も含む)しており、年間約30社の上場審査対応支援をしていますので、上場審査の観点に必要なノウハウがタスクには蓄積されています。
また、所帯は決して大きくない会社ですが、その分、色々なことに挑戦できる環境、挑戦させてもらえる環境であるのも魅力です。
タスクに入社して1年経った頃、クライアントとも良好な関係でIPO支援をしていましたが、ある日、社長から「荻野はもっと失敗しろ!」と言われたことがあります。はじめは「失敗せずに仕事をして何がダメなんだろう・・・」と思っていましたが、自分が会計士としての幅を広げるためのチャレンジがあまりできておらず、小さく収まりすぎているんじゃないか?という意味なのだと思いました。それ以降、IPO支援だけでなく、営業活動やセミナーの実施、採用業務、新規支援の開発など、様々なことを経験させていただきました。チャレンジを推奨するカルチャーがあります!
「会計の専門性を武器に、IPOの現場で価値を届ける」
Q. 現在、タスクで担われている役割と、特に注力されている領域について教えてください。
現在はグループリーダーというポジションで、課長のような役割を担っています。ポジションとしての役割は、経営層と現場の橋渡しです。経営層からの戦略や運営方針を現場に伝え、メンバーが案件をうまく進められるように指針を示すとともに、その子がしっかり成長できるように教育する側面も担っています。
私のグループは、特に決算支援や経理業務支援に特化しています。タスクはガバナンス構築に強みをもち豊富な支援実績がありますが、さらに決算支援や経理業務支援の体制を今以上に充実させることを目標にグループ運営を行っています。クライアントが困っていることに対して、対応できる領域を少しでも広げられるように日々頑張っています。
現在、社内の会計人材の強化やパートナー会計士との連携強化をすることで、会計分野における対応力と専門性の幅を広げ、より包括的かつ高品質なサービス提供を実現しています。これにより、ガバナンス構築と決算体制構築の両面から、クライアントのIPO成功を力強く支援したいと考えています!
Q. クライアントの経営層と接する際に、特に心がけていることは何でしょうか。
コンサルタントとしてクライアントのために最大限の価値を提供することが大事だと考えています。
IPOに向けて内部管理体制を強化していかなければならない中で、経営者の中にはIPOに係るコストを最小限に抑えたいと考える方もいらっしゃいます。一方、例えば、管理部門の人員を増やす必要があったり、内部統制構築のために時間やお金をかけたりする必要はどうしてもあります。場合によっては、お金をいただいているクライアントの経営者であっても、「上場したいのであればこれはやらないといけない」と、強く言わなければならない場面があると思っています。
もちろん、杓子定規に「やってください」「やらないといけません」と言うだけでは、コンサルタントの意味がありません。会社の実態を照らしながら、折衷案や代替案を提案することも我々の仕事だと思っています。
「“見る”から“動かす”へ──会計士の新たな挑戦」
Q. 約6年間の監査業務の経験は、現在のIPOコンサルティングにどのように活かされていますか。
監査業務は、クライアントの全て(仕訳一つから取締役会議事録まで)を見ることができると思っています。また、関与したクライアントの数だけ経験値はあがりますし、自分の引き出しが増えていくと思います。これはIPOコンサルをする上でも非常に活きています。特に、監査業務では、財務諸表監査や内部統制監査をやるため、IPOの申請書類である「Iの部」や「J-SOX(内部統制)構築」にはシナジーがあると感じています。
また、監査法人時代では、職階が上がっていくほど難易度の高い会計事象(論点)の検討に立ち会う機会が増えました。私は論点検討を積極的に手を挙げるようこころがけていましたが、論点検討をしていきた経験の数が、会社からの質問や相談に対応できる武器となっていると思っています。
Q. 監査とコンサルティングを両方経験されて、仕事の進め方やクライアントとの関わり方で最も違いを感じる点は何ですか。
クライアントとの関わり方は異なります。監査だと、我々がチェックして指導・指摘する側なので、クライアントから「先生」のように見られる傾向があります。
一方、コンサルタントはなにかしらの価値を提供することに対価をいただいています。監査人だと、法人内の資料(監査調書など)を作ることが多いのに対し、コンサルタントはクライアントに向けて成果物を渡したり、積極的に発信や提案をしていく必要があります。
Q. リモートワークやフレックス制度など、タスクの働き方についてどのように感じていますか。
働きやすい環境だと感じています。
IPOにはスケジュールがつきもので、IPOコンサルも期限がある仕事です。案件によってはどうしても繁忙期(山場)があり、時には夜遅くまで仕事する場合もあります。そのような一大イベントを乗り越えた翌日には、頑張った人は体調を大事にしてほしいと思っています。タスクでは時差出勤(フレックス)の制度があるので、そのような場合にこの制度を活用できるのは、コンサルをする上でも非常に適していると思います。
「挑戦を歓迎する環境で、タスクに“会計に強い”という新たな価値を」
Q. 今後挑戦していきたい業務やタスク内での役割はありますか。
タスクには、自ら手を挙げて挑戦することを歓迎するカルチャーがあると思っています。そうした環境の中で、決算支援をより強化していくことに取り組んでいます。
IPO支援において、今後さらに価値を高めていくためには、決算支援の拡充は不可欠だと感じています。会計分野に精通したメンバーを今以上に集め、専門性の高いチームを立ち上げることで、社内の対応力を底上げしたいと考えています。
この取り組みは単なる業務の拡張ではなく、クライアントが困っていることに全方位で力になりたいという想いを実現するものであるし、タスクのサービスや品質を一段と高める挑戦でもあります。今後は、ガバナンスと会計の両面からクライアントを支援できる体制づくりを進め、IPO支援における“総合力”で業界をリードしていきたいと考えています。
Q. 最後に候補者の方にメッセージをお願いします。
監査法人で培った経験を活かしながら、監査業務以外の現場で挑戦したい方にはタスクが最適です。たとえば、ベンチャーのCFOになるための素養もタスクで大いに学べると思っています。また、経理業務経験がある方が自分のステップアップのためにタスクに入社していただくことも多くなっており、その点でも良い環境なのだと思っています。
私は今会計の専門性を活かせるチームづくりに取り組んでいます。タスクがよりクライアントに価値を提供できるように!という想いもありますが、入社された方がタスクで経験したことを活かして個人としてもスキルアップしてほしいと思っています。何か価値を提供したいのはクライアントにもですし、一緒に働く方にもだと思っているからです。
タスクは挑戦を後押しする環境です!新しい価値を一緒に創りましょう!