あずさ監査法人、事業会社での経理マネージャー職を経て、タスクに入社された辻さん。公認会計士としての専門知識に加え、事業会社のリアルな現場経験を持つ辻さんが、なぜコンサルタントの道を選び、タスクでどのような価値を生み出しているのか、その背景と業務の詳細に迫ります。

【プロフィール】
名前：辻慶
所属：東日本事業部
前職：あずさ監査法人にて監査業務を経て㈱農業総合研究所にて経理マネージャー
趣味：ゲーム（ポケポケ）

監査と経理の経験を武器に、コンサルの世界へ。

Q.コンサルには専門的な知識が必要だと思いますが、今までどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか？

あずさ監査法人に約4年弱、その後、上場企業での事業会社にマネージャーとして1年半ほど勤務してきました。あずさのような4大監査法人での経験や、事業会社での経理においてそれなりのポジションを経験してきました。

監査法人では、最初は雑用的なところから始まり、資料を見て数字が合っているかを確認するなど、一つ一つ手作業で確認する業務をやっていました。主に製造業を担当していましたが、原価計算や海外取引に関わるレートの使用など、システムから吐き出されるデータが複雑で、理解しながら正しさを確認する必要がありました。

事業会社では経理が主な業務でした。月の初めの数日間は仕訳入力や数字の集計など経理業務に集中し、それ以外の時期は、会社のシステム作りをやっていました。物流を扱う会社だったので、バーコードを使って入庫や運搬中、工場での作業中といった在庫認識をシステムに取り込む仕組みづくりを行っていました

Q.転職活動をしていく中で、最終的にタスクを選ばれた『決め手』は何だったのでしょうか？

私がタスクを知ったきっかけは荻野さんからのスカウトでした。色々な会社を見ていく中でタスクにヒットする前に荻野さんからスカウトいただきました。コンサルティング自体には非常に興味があったので、「本当に求めていたものが来たな」と感じていました。会計をもっとフルに活かせるようなところに行きたいという思いが大きかったです。事業会社では残業が少なく、健全で楽な環境だったのですが、もう少し業務にコミットしたいという気持ちがありました。

Q.入社前に感じていた不安や懸念点はありましたか？

一番大きかったのは、実際に何をするか分からないという点です。コンサルタントとして書類を作成することは調べていましたが、それが具体的にどのような内容なのか、基準をどこまで読み込むのかなど、想像がつかず不安でした。

また、労働環境についても懸念がありました。以前の事業会社が定時帰宅が多かった反動で、逆に働きすぎてしまうのではないか、というバランス的な怖さもありました。しかし、タスクはちゃんと労働基準を守っている会社だと感じています。

会計の深部に踏み込み、チームに還元する。介在価値は“つなぐ力”。

Q.現在タスクではどのような役割を担われているのでしょうか？

基本的には、Ⅰの部・有価証券報告書の「経理の状況」といった開示資料を作成していくことをメインにやっています。定量的情報、そしてMD&A（経営者による財政状態及び経営成績の分析）や設備の状況など、付随する内容についても触れています。タスクは現在、会計に寄った分野を強化したいという方針であり、私の役割も会計に特化している点が特徴です。

Q.これまで担当されたプロジェクトの中で、特にご自身の『介在価値』を強く感じたエピソードがあれば教えてください。

私の担当は「経理の状況」の作成で、比較的ワンマンで進めるイレギュラーな形をとることが多いのですが、チームメンバーとの連携も重要です。

特に、契約や売上の流れといった「数字の流れ」を真っ先に把握できる点に介在価値を感じます。経理の方と直接やり取りすることで理解が早く、その情報をチーム内でフィードバックできるのは大きいですね。セグメント情報なども、最初に経理の方に聞くことで、他のメンバーが手が回らない部分をサポートできます。

Q.コンサルタントとして難しさを感じる部分はありますか？

クライアントがどこまでやっているか、そのレベル感を測るのが難しい点です。例えば、試算表や精算表といった会計資料について、相手がどの程度イメージできるかによって話すレベル感が変わってきます。もし試算表など基本的な資料が提出されない場合は、もらった資料から無理やり集計し直して作るべきものを作成しなくてはなりません。

数字を“監査”するだけでは終われなかった。今は、クライアントの隣で価値をつくる。

Q.監査法人を離れたことで、タスクの仕事でどのような違いを感じますか？

監査法人にいた当時、コロナ禍でリモートやオフィス勤務が増え、数字と表ばかり睨んでいる状況に「何やってるんだろうな」と感じ、もっと積極的に会社に関われる業務をやりたいと思いました。

タスクでは、クライアントから質問が来たり、こちらで集計した資料を渡して説明したりするなど、非常に近い距離感で関われます。これは、作る側（クライアント）と見る側（監査法人）を分けなければならない監査法人ではできなかったことです。

Q.監査法人の経験、経理の経験のうち、タスクで特に生きているのはどちらですか？

経理をやっていた経験が大きかったと思います。決算などのスケジュール感や出さなければいけないものがわかりますし、税理士や社労士への依頼内容なども把握できるのは、監査法人の中では全く見えなかった部分です。監査法人での経験は、社会的なマナーを身につける上で役立ちました。

コンサル分野で活躍したい公認会計士の方には、細かい会計論点よりも、大枠の理解が非常に大事だと伝えたいです。何が必要で、どういった提案ができるのか、という視点や、最終的に会社側で作成が難しいキャッシュフロー計算書、金融商品、税効果会計などのゴリゴリの会計分野を習得することが求められます。

数字に強いだけじゃない。人との距離も、働きやすさも、ちょうどいい。

Q.公認会計士や経理のプロフェッショナルが在籍されていますが、社内の雰囲気はどのような感じですか？

社内の雰囲気は活発だと思います。ずっとシーンとしてカタカタしているわけではありません。私自身は仕事中はあまり雑談はしませんが、色々な方から質問に来られることは多いです。

Q.ナレッジシェアや勉強会など、チームや組織全体の専門性を高めるための取り組みはありますか？

ナレッジシェア（知識共有）や勉強会は、現在まさに「これから」という段階です。私が加入したのが昨年10月で、そこから経理の状況に関する作成ノウハウが形になってきたため、今後はこれを社内で広くシェアしていく予定です。また、兄弟会社である宝印刷のセミナーなど、外部の勉強会に参加する機会もあります。

Q.働き方やワークライフバランスについてはいかがですか？

フレックス制が導入されており、働きやすいです。リモートワークはあまり使いませんが、ワークライフバランスは非常に良いと感じています。

以前の監査法人では、忙しい時期（7月や5月）は残業が80時間を超えることもありましたが、タスクでは緊急案件がなければ、日々の残業はせいぜい1〜2時間程度で帰れます。

基準を読み解き、実務に落とす。会計の“本質”を追い続ける。

Q.この会社で経験を積むことで、どのようなスキルや視点が身についたと感じますか？

上場審査で必ず出さなければならないⅠの部などの作成を通して、基準をしっかり読み込んで、新しいものをどんどん吸収し、それを業務に落とし込めるというスキルが身につきました。これは専門にやっている会社でないと身につかない強みだと思います。

また、単に答えを見るのではなく、「なぜそうなったか」という根拠（基準）まで遡って理解するよう意識しています。一度理解してしまえば、次にどう活かせるか、何をベースに考えたらいいのかがわかるようになります。

Q.今後のキャリアについて、どのような目標をお持ちですか？その目標達成のために、会社はどのようなサポートをしてくれますか？

基本的には、「経理の状況」などの業務を本当に突き詰めていきたいという気持ちです。今後は教える側、管理する側に回ることも増えるでしょうから、その技術を身につけたいです。

具体的には、J-SOX（内部統制）や、IPO準備会社が行う、税務会計から財務会計へのシフト支援などにも取り組んでいきたいと考えています。これまでタスクでは手薄だった領域なので、これから開拓していくところです。

挑戦したいことを上層部に伝えれば、それに応じて仕事を受注してサポートしてくれるカルチャーはタスクの強みだと感じています。

経験者へのメッセージ

Q.最後に、かつてのご自身と同じように、新たな一歩を踏み出そうとしている候補者の方へ、メッセージをお願いします！

タスクでは、積極的に会社に関わって、その力になれる、助けになれるということを経験できます。これはタスクならではの魅力だと思います。挑戦していきたい方、一緒に走れる気持ちを味わってほしいですね。

--------------------------------------------------------------------------------

【編集後記】 辻さんは京都出身だが、言葉遣いに方言の名残がないという話題や、お酒に強い体質であるというプライベートな話、社内でのホームパーティー的な打ち上げなど、和やかな雰囲気での会話も交えながら、多岐にわたる専門的なお話を伺うことができました。