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妥協を許さない真の課題解決のカギは、“深い顧客理解”の先にある

最新テクノロジーやソリューションを掛け合わせ顧客の事業成長を促すデザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部。Salesforceの導入コンサルタントとして活躍する荻野 陽介は、営業として真に顧客志向の仕事がしたいとNTTデータの門を叩き、入社20年になります。「これほど長く在籍するとは思っていなかった」と語る荻野がモチベーション高く働き続けられる秘訣は、NTTデータの“懐の深さ”にあると言います。挑戦と成長の連続の先、現在率いるSalesforceビジネスグループでその想いをどう体現しているのでしょうか。

目先の利益追求だけでは成し得ない仕事


Salesforceを起点としたお客様のDX推進を企画立案から担うSalesforceビジネスグループには約60名のメンバーが所属し、担当する業務の性質から2つのセクションに分かれています。1つは、大手金融機関などのお客様に複雑かつ大規模なSalesforce開発を実施する「大規模開発チーム」。もう一方は、荻野が所属するはじめてSalesforceを利用するような企業に対する提案から、開発・導入後の活用支援に至るまでを一貫してフォローする「伴走支援チーム」です。

伴走支援チームの仕事の大きな特徴は、チーム内での工程分担がないことです。導入コンサル、システム開発、アフターサポート…と担当者をパスしていくのではなく、お客様1社ごとに1人が腰を据え、名前の通り伴走します。必然的にメンバーとお客様との関係は長く、深いものになっていきます。

Salesforceを起点とした “ロングターム・リレーションシップ” こそが伴走支援チームの価値と語る荻野。組織のゴールはSalesforceを顧客に導入すること自体ではなく、システムの導入を起点に顧客のビジネスが好転する成果を創出することと定めています。そしてこのチーム方針は、荻野がNTTデータへの入社以来大切にしてきた仕事観とも一致しています。

前職でパッケージベンダの営業をしていたとき、とにかく重視しなくてはならなかったのはライセンスの売上金額でした。自分の行動が本当にお客様のためになっているのかわからなくなることもありました。お客様のパートナーとして伴走できるNTTデータならば、より視野を広げて最適なソリューションを選定・企画でき、本当にお客様のためになる提案ができるのではと考えて転職を決意しました。

それから約20年。荻野は管理職となりメンバーマネジメントをする傍ら、現在も担当顧客を持ってプロジェクトに向き合い続けています。現部署に来てから、Salesforceの認定資格も複数取得しました。

フロントに立ち続けていたいんです。営業出身ながら、現チームでは自ら手を動かして開発する機会も多くあります。Salesforceにはすでにベースのプラットフォームがあるので、ローコードで思い通りのカスタマイズができます。自分が提案したことを自分で形にして、前に進めていけることに大きな手応えと面白さを感じています。

真の課題解決のために、必要なのは“徹底した顧客理解”

目先の利益のみを追求した製品やソリューションの押し売りではなく、お客様との関係を長期で見据えた行動を歓迎される社風が、NTTデータで働く最大の魅力と繰り返す荻野。直近担当した案件も、お客様との関係性が未成熟では成し得なかった仕事だったと振り返ります。

Salesforceビジネスグループにジョインして間もなく、ある物流系機器メーカーのお客様を担当することになりました。当時はいわゆるコロナ禍の只中で、社会全体として働き方の変革を迫られている状況。このお客様も、長年現場で行われてきた対面・訪問を基本としていたルートセールスがうまく進められないという課題をお持ちでした。

従来の営業スタイルを制限せざるを得ないなか、最新のシステムを入れることで何とか現場を下支えしたいという経営層の想いが出発点だった、と振り返る荻野。ところがお客様との打ち合わせや営業現場への訪問を重ねていくうち、当初の課題設定は営業活動の質を上げる目的のうえでは表面的だったことに気が付きます。

例えばお客様の主力製品のひとつにフォークリフトがありますが、国内市場はすでに成熟状態。製品のニーズは経年劣化やリースアップによる買い替えがほとんどです。加えて、営業社員の皆さんは1人につき平均100社を超えるお客様を担当しており、そもそも顧客1社1社の買い替えニーズや現況をリアルタイムで把握しておくことは個人の努力だけでは難しい。そうした課題感を、実際に拠点を回らせていただくなかで感じました。

そこで荻野は「顧客が現在使用している製品情報を適切に管理し、タイムリーに営業へ通知する仕組み」こそがSalesforceで解決すべき課題ではないかと考察します。製品情報とは具体的に、その顧客は今何台のフォークリフトを使用しているか/使用中のものは納品から何年になるか/製品は自社のものか競合のものか、などです。

こうした仕組みをSalesforce上で実現できれば、全ての顧客の詳しい情報を会社全体で見える化できるうえ、現場はコンタクトを取るべき顧客の優先順位をつけられます。結果として、訪問の質が上がることで訪問件数が減っても売上を上げることが可能になると考えました。

お客様にとって真に有用なシステムを提供するために問われるのは、徹底した顧客理解だと考えます。それは機能のリッチさや卓越した技術よりも先にある大前提です。この案件でも、業界、商品、日頃の営業行動について深く理解し、お客様と同じ目線に立った仕様検討ができるようになるまでには1年以上かかりました。

顧客理解とシステム開発を同時並行で進めるなか、荻野はあえて最初から100点は目指さず、時間をかけてより課題の核心に迫っていきます。目の前のお客様を徹底理解し、時間をかけて本当に必要とされる仕様の解像度を上げていく。これこそがロングターム・リレーションシップの成せる価値だと語ります。

個人の主体性を受け入れ伸ばす、組織の“懐”


現在はSalesforceの導入コンサルティングをする荻野のNTTデータにおけるキャリアスタートは、流通小売業界担当の法人営業でした。キャリアの途中では複数の異動や出向も経験しましたが、本人にとってこれらは「希望通りの連続」だったと言います。

NTTデータをひと言で表現するならば、「懐が深い」に尽きます。グループ会社にも3回出向しましたが、実はこれも私の希望を会社に叶えてもらった結果です。動機こそその時々で違うものの、当時の上司たちは私の話に耳を傾けてくれ、見合った環境に送り出してくれました。

現部署へのチャレンジも自らの希望だと話す荻野。きっかけは、直前に出向していたNTTデータイントラマートでの経験でした。

自社製SFAの開発兼マーケティング責任者に就いていました。市場分析の一環としてさまざまな他社製品について調べていたところ、特にグローバル規模で高いシェアを築くSalesforceについてもっと知りたいと思う気持ちが強くなっていったんです。Salesforceが持つ広範なソリューション群を携えて顧客課題に向き合ったとき、自分はお客様に何を提供できるだろうという好奇心が今の仕事につながっています。

荻野は「顧客志向の仕事」という自分の軸はぶらさずにさまざまなポジションに挑戦し、そこで得られる知識と経験を深めてきました。今後のSalesforceビジネスグループをさらに前に進める原動力も、こうした主体性を持った人財であると話します。

私たちの組織はNTTデータの中では比較的規模が小さく、大企業の中に包まれたベンチャー企業のような雰囲気があります。安定した経営基盤や対外的な知名度がある一方、限られたメンバーでお客様から期待される仕事を一気通貫でやり遂げる力が問われます。

だからこそ、自分の領域に壁をつくらず新しいことに挑める方、あるいは過去の仕事で「自分だったらこうするのに」といったもどかしさを感じたことのある方にとっては面白い環境と感じていただけるはず。NTTデータという土台は思い切り活用しつつ、お客様のためにやり切ったと胸を張れる仕事をしましょう。

お客様の真の課題解決のために、深い顧客理解という大前提を追求し続ける荻野とSalesforceビジネスグループ。その挑戦はまだ始まったばかりです。

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