1
/
5

ロゴデザインはこうして作られる。魂の宿ったロゴは最強なのだ!

ヤッホー! 山と森が好きなアートディレクターの北住です。

ロゴデザインをクライアントに提案すると「どうやって作っているの?」「どうやって考えているの?」とよく聞かれます。そこで今回は、ロゴをデザインする上で私なりの【考え方】や【作り方】の手順をご紹介します。

外見が良いだけじゃダメ。魂がないと!

常日頃、外見だけで中身が伴わないのはダメだと思っています。ブサイクの私が言うと僻みにしか聞こえませんが、お顔の話じゃなくて、もちろんロゴの話です。ロゴも人間と同じで中身、つまり魂が宿っていないと良いロゴとは言えません。人間だと中身があれば外見なんてって言ってくれる殊勝な方もいらっしゃいますが、ロゴはデザイン物なんで、もちろん外見も優れていないといけません。ロゴというお方はハードルが高いですね。そこで私は外見も中身も両方優れたロゴを作る為にこんな事をいつもしています。

とにかくヒヤリング

ロゴのデザインだけでなく、WEBデザインやその他のデザインにも共通して言えることですが、打合せをしっかりしてクライアントの要望をヒヤリングすることが大事です。しかし、多くのクライアントは要望がまとまっていなかったり、オーダーが曖昧なことがあります。そこで色々な質問をしたり、雑談の中でクライアントの潜在的なニーズや課題を引き出し、ロゴデザインの方向性を明確にします。そしてもう一つ重要なことは、引き出したニーズを自分の口で「御社の○○なビジョンにあわせて○○なデザインにしましょう」などと言うことです。口に出したり、後でメールで伝えたりと方法は何でもいいのですが、自分とクライアント間でしっかりロゴデザインの方向性を共有することが大事です。そうすることで間違った方向に進んでいかないようにします。ここまでできたら、私の中でロゴデザインは8割、9割完成したようなものです。

ベネフィットからキーワードを考える

次にヒヤリングした内容を元に【ベネフィット】を考え、そこからデザインのヒントとなるキーワードやモチーフを見つけます。【ベネフィット】とは、デザインやマーケティングの世界でよく使われる言葉ですが、「商品を買ったユーザーが “将来的に” 得るメリット」のことです。メリットとよく勘違いされますが、全く違うものです。

  • メリット:この新型掃除機は他社の3倍の吸引力があります。
  • ベネフィット:吸引力が良いからお掃除が早く終わり、その分子どもと過ごせる時間を多く持てます。

上の例は、商品を買うお客様に対するベネフィットですが、クライアントがオーダーする内容に合わせたステークホルダー(お客様だけでなく従業員や社会などなど)のベネフィットを考える必要があります。

まずは手書き!Macお触り禁止!!

ベネフィットから導き出したキーワードやモチーフを元にパソコンでキレイにデザインをしたいところですが、プロのデザイナーは、まず手書きのラフを描きます。パソコンでいきなり始めれば、短時間でそれなりに美しいデザインが出来上がりますが、深みの無い見た目だけのデザインになります。ロゴというのは、見た目の美しさ以上に企業やお店の指針をデザインから感じ取れるかどうかが重要です。なので、キーワードやモチーフを足したり、引いたり、掛けたり、割ったりと色々なアプローチをして何度も描き、たくさんの案を出します。そういった作業は手書きの方が効率が良く、結果時間も短縮になります。「急がば回れ」ですね。

ハイな自分を客観的に見る

手書きラフを描きまくっていると(特に深夜は)結構テンションが上がってきます笑。そんな時は、勢いで描いたデザインが「なんかイイ!」って気持ちになるのですが、一旦落ち着いて、もしくは翌朝にヒヤリングした内容やベネフィットから逸れていないかチェックが必要です。自分でできない場合は、社内スタッフにチェックしてもらっています。時には勢いでできたデザインでも良い場合があります。しかし勢いで作ったデザインはクライアントに意図を説明できないことが多いので、私はあまり提案しません。私たちデザイナーが説明できないものをクライアントがその先にいるステークホルダーに説明できるはずがありませんから。

遂にMacで作業

数ある手書きの中から選ばれし案たちをパソコンでキレイにデザインしていきます。その際も色は着色せず、まずモノクロで形を整えてから色をつけます。フルカラーのロゴでも印刷物によっては黒1色で使用することも想定し、黒1色で成立するデザインを作り上げます。

クライアントに提出する案を決める

案数は多ければ良いというものではありません。しっかりヒヤリングをしていれば、自ずと提出するべき案は絞られてきます。多すぎる案は、クライアントに決断を鈍らせますし、逆に多くの案を提出してしまうデザイナーは己の力量の低さを晒していると私は考えます。なので私はいつも選ばれし最強の3案、多くても4案を提出するようにしています。

ロゴの展開を考える

ロゴはデザインして終わりではありません。ロゴは様々なものに露出して初めて多くの人に見てもらえるのです。名刺、HP、SNS、パンフ、チラシ、会社案内、看板、DM、社用車などなど書き出したらキリがありません。その全てでしっかり目にとまるようなデザインに調整していく作業が必要です。縦書き、横書き、フルカラー、モノクロ、最小サイズの設定など様々なパターンを想定し、ロゴを調整していきます。

修正を行い完成データへ

提出したデザインをクライアントと擦り合わせ、微調整を繰り返しながら完成データへ近づけていきます。作業は当然デザイナーひとりが行っていますが、事前の打ち合わせや最終の調整段階で必ずクライアントの協力が必要です。完全にお任せではなく、デザイナーと二人三脚の気持ちでやっていただけるクライアントだと素晴らしいロゴができるといつも思います。

株式会社エコムクリエーション's job postings

Weekly ranking

Show other rankings
Like 山岡 慈美's Story
Let 山岡 慈美's company know you're interested in their content