「制度があっても、使えない人がいる」その違和感からすべてが始まった
——創業のきっかけについて教えてください。
山口:最初は大阪のバーで、現COOと話していた何気ない会話から始まったんです。福祉や医療の現場で感じていた違和感、「制度があるのに支援が届いていない人が多いよね」という話をしていて。
「じゃあ、それを自分たちで変えてみないか?」という一言が、気づけばNOBLEという会社の原点になっていました。
最初から壮大なビジョンがあったわけじゃなく、「目の前の“困ってる誰か”を、なんとかしたい」という想いからスタートしました。
ワンルームの雑居ビルが、最初の“オフィス”だった
——創業当初の様子を教えてください。
山口:最初は大阪市内のワンルームの雑居ビルで、文字通り「全部自分たち」でやっていました。
家賃5万円の小さな部屋に、机2つとパソコン2台。お客さんを迎えるスペースもなくて、電話のたびにベランダや廊下に出ていました(笑)
でも、不思議と辛くなかったですね。むしろ「誰かを助けられるようになったら絶対にもっと良い部屋借りよう」ってポジティブに思ってました。
小さいスタートだったからこそ、何を優先するべきか、本質を見極める目が鍛えられました。
なぜ「制度」に着目したのか
——そもそも、なぜ社会保障や制度に注目されたのですか?
山口:医療・福祉業界で働いている中で、「制度があるのに、必要な人に届いていない」ことに強い違和感を抱いていたんです。
特に精神疾患を抱える方や就労困難な方にとっては、情報のハードルがとても高い。
書類が難しい、日本語が分かりづらい、ネットで調べても情報が古い…結局、手続きできずに諦めてしまう方が多かった。
でも、本来その人たちこそ制度に守られるべき存在なんですよね。だから「使える制度」にしようと決めました。
「RE:START」が目指す社会保険のあり方とは?
——RE:START事業について、もう少し詳しく教えてください。
山口:RE:STARTは、失業手当や傷病手当などの“社会保険給付金”の申請をサポートするサービスです。
制度はあっても「どうやって申請するのかわからない」「役所に行く時間も気力もない」という方々に、LINEなどのチャットを通じて手続きのサポートをしています。
言ってしまえば、制度の“翻訳者”みたいな役割ですね。
実際に、「自分では絶対無理だったと思います」「申請できて本当に助かりました」と涙ながらに感謝されたとき、これは絶対に必要なサービスだと確信しました。
「マンション型」グループホームという新しい選択肢
——福祉領域でも独自の取り組みをされていますね。
山口:はい。大阪市内で展開しているグループホームは、いわゆる「マンション型」です。一人ひとりの生活スタイルに合わせられるよう、一般的なアパートやマンションの1室を使っています。
そこに支援スタッフが入って、金銭管理や通院の同行、日常生活のフォローを行っています。
特に精神的な不調を抱えた方にとっては、“家感覚”で生活できることが大きな意味を持つんです。
医療法人の運営にも踏み出した理由
——医療法人まで運営しているのは珍しいと思います。
山口:制度と福祉を支えるには、医療との連携が絶対に必要だと思ったんです。
訪問診療やオンライン診療が必要な方が、グループホームに入居されていることも多い。そうなると、切れ目のない医療支援が求められます。
それなら、自分たちで医療法人を持ってしまおうと。いまでは「梅田国際メディカルクリニック」として、内科診療や訪問診療、オンライン診療を展開しています。
離職ゼロ・急成長を支える“人を信じる文化”
——組織運営で大切にしていることは?
山口:1つは、フラットであること。もう1つは、成果主義だけど「過程も見ているよ」ということです。Slackでのやり取りも全員がオープン。年齢や職種に関係なく、必要なときに必要な人に相談できます。
成果が出れば即昇進。でも、その過程にちゃんと向き合う姿勢も評価します。
ありがたいことに、創業以来、離職者は今のところゼロです。
「大阪」という地にこだわる理由
——なぜ大阪を拠点に選ばれたのでしょう?
山口:僕自身が大阪出身ということもありますが、それ以上に「社会的な課題と向き合える土地」だと思ったからです。
人情があって、でも生活は厳しい人も多くて。多様な価値観が混ざり合っている場所だからこそ、社会制度が“効いているかどうか”が如実に出る。
大阪で通用する仕組みは、他の地域にも広げられると思っています。
今後の展望──制度が“当たり前に使える”社会へ
——これからのNOBLEが目指すビジョンは?
山口:まずは大阪での事業基盤をさらに強固にして、「この街では制度がちゃんと使える」と胸を張れる状態にしたいです。
その上で、他地域への横展開。行政や地域団体と組んで、「制度が生きているモデル地域」を全国に広げたいと思っています。
最終的には、「制度のあるべき姿ってこれだよね」と言われるような社会インフラを作っていきたいですね。
最後に──“社会を変える”って、特別なことじゃない
——これからNOBLEで働くかもしれない人へ、ひと言お願いします。
山口:社会を変えるって、何かすごい人がやることだと思われがちですが、全然そんなことないです。
誰かの「困った」に寄り添えるかどうか。ちゃんと話を聞いて、「それならこうしてみましょう」と一緒に考えられるか。
NOBLEには、そういう気持ちを持っている人がたくさんいます。
もし「自分にも何かできるかも」と思ったら、ぜひ一度話を聞きに来てください。きっと面白い出会いになると思います。
株式会社NOBLEについて
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「困っている人を根本からサポートしたい」「自分のスキルで人の役に立ちたい」という方は、ぜひお気軽にエントリーください。
まずは気楽にお互いのことをお話しできれば嬉しいです✨
下記もぜひご参照ください!
【ベストベンチャーWEST100】今期、ベストベンチャーWEST100(これから成長が期待される西日本の企業100社)に選出されました。
https://www.nishinihon-venture.com/company/noble/
【熱狂ベンチャーナビ】代表取締役、山口のインタビュー内容です。
https://nekkyo-navi.jp/interview/noble-yamaguchi/
【MiraError】代表取締役、山口のインタビュー内容です。
https://miraerror.jp/202412029095/