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【社員リレーインタビュー Vol.4】山岸 健さん「バックパッカー魂」は生きている——山岸さんのキャリアストーリー
こんにちは!
株式会社LCAエキスパートセンター(LEC/レック)です。
われわれのことをより知っていただくため、社員で繋ぐ「社員リレーインタビュー企画」も第4弾となりました。
今回は、環境問題や社会課題をまさに「肌で感じてきた」経験を持つ、山岸健さんの登場です。
🎤インタビュアー:小倉
目次
■バックパッカーが何故?
■LCA普及活動と中小企業支援の実践
■LECでの業務
■LECの現状と今後の方向性
■LCA分野の人材像と求める人物像
■レックの組織文化と働き方の特徴
■リレー企画
■バックパッカーが何故?
上記写真:インタビューはバックパックに想いを馳せ、韓国料理店で🍴😋
小倉: 山岸さんっていうと、「元バックパッカー」というのを自己紹介の時にされたりしてるのでご存じの方もいるかと思うんですが、どれくらいの期間、どこら辺をウロウロされてたんですか。
山岸:主にはアジアをウロウロしていて、お金がなくなるのと、日本に帰ってきて仕事して、また旅に出るといった生活をしてました。28歳ぐらいまでだから合計すると多分5、6年間ぐらいです。
小倉:5、6年ですか。すごいですねぇ。日本にいるときの仕事というのはどの様なことをされていたのですか。
山岸:環境コンサルタントの仕事を短期でしていました。具体的には、制度がはじまったばかりの「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)」の関係の業務をしていました。単純に旅行するためお金を稼ぐことが目的でした。
小倉:その間って将来的なこととか不安はなかったのですか。
山岸:その時は不安よりもバックパッカーしようという思いが強かったので、色々と世界中いろいろ見て、そのうち何か決まるかなと思っていました。
上記写真:死海に浮かびつつ、そのうち何かが決まるのを待っていた頃の山岸さん
小倉:(バックパッカー5,6年かぁ……かなりやばい奴かもしれない)
そんな山岸さんがバックパッカーの足を洗って、まともな就職をされたのはどのようなキッカケだったのですか。
山岸: JEMAI(ジェマイ:産業環境管理協会=SuMPOの前身組織)主催のエコプロダクツ展を東京ビッグサイトでやっている時に、当時JEMAIにいた中野さん(中野 勝行氏 現・立命館大教授)とたまたま再会しました。学生時代からの知り合いでしたが、「今ちょっとLCAの人材を探してるんだけど、来ないか?」とお誘いいただき、「興味あります、はい」と。
小倉:なぜLCAの世界に興味を持たれたのですか?
山岸:特に途上国を旅行していると、いろんな厳しい地域や場面を見かけたりします。ゴミ問題、大気汚染、水が少ない地域や水が汚染されている地域、すごく暑い地域、インフラが整備されてなくて災害の被害を受けやすい地域だったりとか。そういったものを現場で直に見ているうちに、社会課題を解決するような仕事をしたいと思うようになりました。
一方で、世界中のいろんなところと日本は、製品を通じてつながってると思いました。例えば、HONDAのバイクや中古部品・交換部品はどこの国でも見かけましたね。そのつながりを考えた時に、その地域の社会課題を解決しようと思うと、日本の中で取り組みを進めることが実は効果的ではないかと思いました。言い換えると、日本人として生まれて日本でできる役割があるはずだと思ったことが、LCAをやろうと思ったひとつのきっかけですね。
小倉:海外に行き、日本製品がいろんな形で使われている現場を見て感じたということですか?
山岸:そういう面もあるし、逆に日本製品が世界中からの資源を集めて作られていて、その資源元を見てきたという側面もあります。
小倉:インのところもあるし、アウトのところもあるっていうことで、正にLCAっていう考え方ですね。そういうところで結びついてきたということですね。
(日本製品が使われているだけではなく、資源・材料として日本とつながっているという視点を実感として持たれているというのは凄いことだと思います)
■LCA普及活動と中小企業支援の実践
小倉: その頃(2007年頃)の日本でのLCAっていうのはどういう状況だったんですか?また、JEMAIでどのような仕事に携わったのですか?
山岸:大企業を中心としたLCAの国家プロジェクトの成果が一通りまとまり、今度は経済産業省がLCAを全国各地の中小企業に向けて普及していこうという時期でした。地域の中でLCAをできるコンサルタント人材を育てたり、地域の中小企業と一緒に算定事例をやってみるみたいなことです。この事業には様々な業界の企業に参加いただきました。例えば小学校のパイプ椅子を作成している会社の事例では、脚に使われる「鉄パイプ」の環境負荷が大きいので、鉄パイプをやめて「紙パイプ」で作ったらどうなんだろう?っていうような評価がありました。
小倉: その後、LECに至るまでどういうようなことを主にされてきたのでしょうか?
山岸:その直後ぐらいに、「カーボンフットプリント(CFP)」が、言葉として初めて日本に導入されて、経済産業省主導のCFP試行事業をやりました。スーパーマーケットで並ぶような食品や日用品にCFPラベルをつけよう、それによって消費者の選択を促そうという取り組みです。それが2008年から2011年頃。その中で必要になってくるデータベースや関連ソフトウェアの開発に着手をしました。
小倉:それがIDEAやMiLCAにつながっているのですね。
山岸:その頃から現在まで一貫してLCAやCFPに関する調査業務、民間企業のコンサルティング、ソフトウェアやデータベースの開発に携わっています。
■LECでの業務
小倉:今、LECでは経営者側の立場におられると思いますが、ご自身はどのような業務を行ってますか。
山岸:経営者としての役割と、LCA事業部長としての役割ということなります。
経営者の役割は事業戦略を考えたり、組織の全体の中で足りてないロケーションをどうサポートしていくかを考えてます。
事業部長としては、特にMiLCA開発の部分について、ユーザーの方と対話をしながら必要な機能を考えています。
■LECの現状と今後の方向性
小倉:これまでお聞きした日本のLCAの流れの中で、LECは今どういうような方向で動いていくものとして捉えているのかお聞かせいただけますか。
山岸:結構難しい質問ですね。
先ほど中小企業に普及していくといった話もありましたが、誰でも簡単にLCAができて、「環境によいものづくり」と「生活者が選択していくという行動変化につないでいく」役割がLCAにはあると思っています。
それを推し進めていくにも、まだまだ専門的な人たちの知見や経験が必要です。LCAエキスパートセンターは、そのエキスパート人材が活躍する場であることが重要だと思います。また、MiLCAはそのためには必要なツールと位置づけているので、使いやすいソフトウェアにしていくために開発や販売を進めていくというのがLECの役割と思ってます。
■LCA分野の人材像と求める人物像
小倉: これまでの話を踏まえて、どんな人を求めているかをお聞かせください。
山岸:LECはスタートアップ企業ですので、スピード感が求められます。一方で、その中で着実に誠実に仕事をしていくプロフェッショナル集団であるというところで、LECの信頼と仕事の品質の良さが守られていると思っています。
私自身、20年近く前からLCAに携わっていますが、LCAのコンセプトはその頃から比べて今でも全く変わっていません。その時その時で表に出てくるいわゆる流行するワードは変わりますが、本質的に使える道具としてLCAの位置づけやあり方には普遍性があると思います。
また、DX推進だったり企業間でのデータ流通が進んでいく中で、LCAが道具として使える範囲が広がっていることも感じます。
LCAは昔から変わらない本質的なツールですが、DXやAIなどどんどん新しい要素が入ってきているので、そういったことに関心のある人に是非入っていただきたいです。あとは、ともすると数字遊びになってしまいがちな世界ではありますが、そこを数字遊びにしてしまうと途端に信頼がなくなっていくと思います。そこはちょっとこだわりを持って、サステナビリティのために貢献するという志を持っている方に来ていただければと思います。
小倉:今おっしゃった中で、その「数値遊びにならない」というのは、すごく刺さる言葉と感じます。特にこだわってることとかあれば教えていただけますか?
山岸:今、世の中ではカーボンが流行りですけれども、気候変動以外の環境影響もあるので、製品群の種類や取り扱うものによっては、カーボン以外の領域が重要だったりします。そのあたりも忘れずに考えられる視野の広さがあると良いと思います。
小倉:自分はまだまだだと思います。すみません!
■レックの組織文化と働き方の特徴
小倉:組織文化としての LEC の特徴はどのようなところでしょうか。
山岸:スタッフ全員がしっかりと成果を出している点が、LECの素晴らしいところだと思います。
一般的に、組織は「バリバリ働く人が3割、普通の人が4割、あまり働かない人が3割」といった構成で成り立っていると言われますが、LECは小規模な組織でありながら、メンバーそれぞれが確実に成果を上げている点に、深く敬意を抱いています。
小倉:確かに、ちゃんと自己完結で品質の高い成果が出せるっていう人たちの集まりではあるっていうのは感じますね。
上記写真:オフィスでの一枚📷 和気あいあいな職場です!
■リレー企画
あなたの“LECの推し”はなんですか!?
恒例のリレー企画!今回は山岸さんに"LECの推し"をお伺いしました。
「非常に面白いなと思ってるのは、スタッフの成長や、組織の成長です。スタッフに関しては、チャレンジした結果、新たにこんなことまで出来るようになったといった気づきがあるのが非常に嬉しいです。組織に関しても、LECは立ち上げてまだ一年間という中で社外の方々から「LECさん」って呼んでもらえることで、自分たちの組織の輪郭が出来ていくことを実感しています。」
~編集後記~
朝、一杯のコーヒーから仕事を始める山岸さん。以前から気になっていた「バックパッカーが何故まともな職業に(偏見込み)」というところの疑問がひとつ解けました。
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