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戦略設計からクリエイティブまで、ワンストップで新ブンランドの立ち上げを支援する。

ブランド紹介

Wan Deli Tokyoとは・・・
「自然をいただく」をコンセプトにしたワンちゃん専用の生食フードブランド。人が食べる食事と同じヒューマングレードの厳選された食材を医師が監修したレシピで調理したわんちゃんの健康を最優先に考えられている。

2020年12月に自由が丘にフラグシップショップを開店後、ECやPOPストアの展開を通じて成長を続けている。

今回は、ビジネスデザイナーとして参加した井澤とアートディレクター坂田にWan Deli Tokyoプロジェクトについて、どうやってブランドを立ち上げていったのかをヒアリングしました。


背景と課題

― ブランド立ち上げに関わった背景と課題についてお聞かせください。

井澤:そうですね。まず背景からお話すると、アメリカでは10年ほど前から健康志向のユーザーを中心にわんちゃん向けの食事もドライフードではなく、新鮮な野菜やお肉を丁寧に調理した生食フードが流行り始めていたそうです。クライアントの経営陣が実際にアメリカに視察に行った際に、百貨店のデパ地下でお惣菜や料理を買うように、わんちゃんのお料理を買っている光景を目にしたと話されていました。日本でも犬=ペットではなく、家族の一員として食事や健康などのウェルネスケアの分野に関心を持つ人が増えています。海外と日本で時差はあるものの今後伸びていくであろうマーケットに参入する際に、ブランディングパートナーとして立ち上げから関わって欲しいとお声かけいただいたのが始まりでした。
ただ、日本では全く新しいジャンルであり、ホームセンターやペットショップで販売されているドライフードしか認知されていないのがリアルな現実です。そんな日本のペットーフード市場にどうやって、全く新しいジャンルである手作りの生食フードをデビューさせるのか?そしてその後、一過性の流行りや突発的な売上ではなく定着をさせていくかが課題でした。


事業コンセプト&ブランドコンセプトの策定

― 新ブランド=新規事業になるのだと思いますが、どのようにコンセプトを設計されたのでしょうか

井澤:ご指摘の通りクライアントにとっても新しい事業として、新しいブランドを立ち上げることになるので、5年10年と事業が続く本質的な議論が必要だと思いました。そのため経営者のお考えはもちろん、“豊洲市場で仕入れる新鮮な食材を活用”していることや“医師が監修”しているといった、プロダクトの特徴や競合優位性コアターゲットの策定販売チャネルプライシングなどを左脳的(論理的)に整理しつつ、5年10年と愛されるブランド・事業であるための右脳的(情緒的)な想いを構造化していきました。その結果、「家族の一員であるわんちゃんに、家族と同じ健康的で食事を提供したい」という根底の事業思想に辿り着き「自然をいただく」というコンセプトが生まれました。


戦略の策定

― 一過性ではなく、5年10年と成長を続けるためのブランド戦略はどのように策定していったのでしょうか

井澤:まず、事業として早期に結果を出しやすいのはECを中心に全国のユーザーにリーチしたり、サブスクモデルで収益のベースを作ったりすることも可能だと思います。これらは販促費の投資対効果も計りやすいです。ただ、今回のプロジェクトの場合、最初から自由が丘という立地に直営の店舗を構えることができるとのお話がありました。

であればそこでブランドとしてリアル店舗で実際にわんちゃん用の食事の調理風景をライブでお届けしたり、接客におけるコミュニケーションによって、全く新しいジャンルのフードへの安心感や信頼を獲得し、丁寧にブランドを育てていこうという話になりました。そのため立ち上げ当初はECをあえて行わず、店舗での調理風景や接客・説明に納得いただいた方だけに購入いただくスタイルとなりました。そうして実際に店舗があり、ライブで調理風景も見れる安心感を確立した後、ECやWEB広告による展開を行い全国へ一気に拡販していくスタイルとなりました。


アウトプットについて

― ブランド戦略を体現するためにどのようなクリエティブやアウトプットをおこなったのでしょうか?

井澤:まずはコンセプトを体現した店舗名や商品名を開発しました。「家族の一員であるわんちゃんに、家族と同じ健康的な食事を提供したい」という想いをわんちゃん専用のデリを提供できるお店と捉え「Wan Deli Tokyo」という店舗名を、家族であるわんちゃんのための食事を表現し商品名を「My Dog Deli」とネーミングさせていただきました。その上でクリエティブチームに託して様々な角度からクリエイティブを検証してもらいました。

坂田:通常のプロジェクトと比べるとかなり短期間でのブランド立ち上げでしたが、時間を理由に妥協はせず、100案以上のネーミングやロゴのプロトタイプを週次のミーティングでクライアントの皆様と何度も検討、ロゴの決め手になるシンボルマークはミリ単位での検証を重ねるなど、やれることはやり尽くし作り込んでいきました。

初期段階では店舗を中心にブランディングを行っていくため、店舗空間のクオリティ、実際に手に取れるパッケージ、ディスプレイ、制服などが重要となります。私たちのほうでは、店舗のVMDもちろんのこと、商品パッケージや制服、ブランドサイト、パンフレット、パネルやポスターなどのツールに至るまでトータルでコーディネートをさせていただいきました。
立ち上げは本当の0→1なので検討事項が多く大変ですが、クライアントと本音で語り合い少しずつ形にしてくこのプロセスは本当に楽しかったですね。答えがないからこそクライアントと一緒にブランドの世界観・ゴールを描き、共に作り上げて言った感じです。



坂田:店舗の立ち上げ後、運営が安定してきたタイミング(だいたい半年後くらい)でECを立ち上げ、広告運用やSNSによる顧客獲得のPDCAサイクルを構築していきました。運用の初期段階では、クライアント側で新たに採用されたEC担当者の方にECを運営する上での広告デザインの制作のコツや運用方法などをレクチャーしながら伴走し、徐々に引き継いでいきました。永遠に私たちが関わるのではなく、クライアントの皆様にノウハウを共有して自走していただけたのが嬉しかったですね。現在は全国各地の百貨店やデベロッパーからPOPUPの引き合いも多く、全国でリアルな顧客接点を獲得しなら成長されています。チーム一丸で成長されているがとても素敵です。

提供価値

― このプロジェクトで発揮した提供価値、U.Sならではの価値はどんなところにありますか?

井澤:あえていうならワンストップでサービス提供できるところでしょうか。新ブランド・新規事業の立ち上げを戦略立案からアウトプット、その後のグロース支援、運用引き継ぎまでワンストップでお手伝いできる点は珍しいのかもしれませんね。実際クライアントにも「戦略と店頭のパッケージや制服を同じ会社に相談できると思わなかった」と言われましたね。

坂田:あとは社内メンバーの背景として広告業界だけではなく、元アパレル販売員だったり、イベント会社の経験があったりと様々な背景を持った人がいるため、広告業界だけの知見ではなく現場のリアルな肌感や考え方を理解したうえで、クリエイティブを作れるというのも強みだと思います。


ブランド立ち上げの秘訣は

― ブランドをうまく立ち上げるための秘訣やコツはなんだと思いますか?

井澤:色々あると思うんですが、腹を割って話せるパートナーをみつけること。これは社内社外どっちでもいいと思います。「ぶっちゃけた話、上手くいくと本心で思ってる?どうすればいいと思っている?」など、忖度のない建設的な意見の効果ができないと、形にしたところで結局は裸の王様状態になると思うんです。
最近、新規事業や新ブランドをやってみることが目的化している会社や組織もあると思うんですが、忖度しあって「いいね、いいね」って言っていても仕方ないんですよ。ぶっちゃけダメな時はダメと言えるかどうか。そこで忖度なく意見できる存在として、しがらみのない外部パートナーを活用される企業もあるのかな?と思います。

坂田:絶対にやり切るという鉄の意志があるかどうかですかね。私自身、今回のプロジェクトでクライアントの皆様が「絶対に3ヶ月で新規事業を立ち上げる!何があってもやり切る!」という気迫に引き寄せられる形で昼夜問わず楽しんでプロジェクトに向き合っていました。実際、WAN DELI TOKYOさんはうまくブランドが立ち上がり、その後も2年以上順調に成長を続けておられます。
その姿を見ると、いろいろなノウハウは世の中に溢れているけど、どんな熱意を持った人がどう使うのか?が重要であり、型をまねるだけでは成功にはつながらないと思いました。熱量だけでもロジックだけでも成功はしない。両者の掛け合わせの先に、成否の差が出てくるのだろうなと思います。


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