今回はゴーレムのエンジニアリングマネージャー・古賀淳一郎さんにお話を聞いてきました。社員第1号として入社し、開発・採用・組織づくりを最前線で担ってきた古賀さん。前職での9年間から転職の決め手、そして「考えることが仕事の真ん中にある」ゴーレムの文化まで、たっぷり語っていただきました。
目次
高速バス比較サービスを9年かけて育てた前職時代
「最初は断っていた」——それでも入社を決めた理由
入ってみてのリアル——ギャップより「やることの多さ」
エンジニアも「考える輪」の中に入れる
こんな人と一緒に働きたい
おわりに
高速バス比較サービスを9年かけて育てた前職時代
── ゴーレムに入る前は、どんな仕事をされていたんですか?
前職には9年在籍していました。最初は一人のエンジニアとして入社し、PHPからRubyへのサイトリプレースを担当するところから始まって、最終的にはCTOの補佐みたいなところまでやっていました。「本当に全部やってた」という感じです。
サービスは、高速バスの予約をするときに「もうほとんどの方が使っていただいてる」ようなポータルサイトです。バス会社さんのシステムだと横断検索ができないので、そのデータを取りまとめてユーザーが横断的に比較・予約できるようにしたもの、と言えばピンとくる方も多いと思います。掲載しただけでインプレッションや予約が大体20倍くらいになるので、バス会社さん側にとっても手数料を払っても余りあるメリットがあって、お互いウィンウィンな形で大きくなっていったサービスでした。最終的に高速バス系だけで売上10億、その後は大手グループ会社への譲渡を経て、グループ傘下のサービスになっています。
── それだけのキャリアを積んだところで、なぜ転職を考えたんですか?次に求めていたものも教えてください。
9年間でやり切った感があったんです。加えて、グループ会社になったことでグループ側のメンバーも入ってきて、元の文化がだんだんと変わってきた。ちょうど落ち着いてきたタイミングでもあったので、次のキャリアを考えるには良い時期だなと思いました。
転職先に求めていたのは、「組織作りのところからやっていける会社」でした。前職はCTOもいて組織がある程度できあがった状態で入ったので、今度はプロダクトがある程度できていて、そこで組織を一緒に作っていけるような環境に行きたかった。マネジメントや採用の経験を積んで、キャリアを深めていきたいという気持ちが強かったですね。
「最初は断っていた」——それでも入社を決めた理由
── ゴーレムとはどんな経緯で出会ったんですか?
Wantedlyでスカウトをいただいたのがきっかけなんですが、最初はお断りしていました。当時のゴーレムはまだプロダクト開発のフェーズが早い段階で、自分としては「プロダクトがある程度できたうえで、組織づくりに力を貸したい」という考えがあったので、「ちょっとまだステージが違いますよ」という感じでお断りしていました。
でも何度かスカウトが来て、その後代表の野村さんからも直接連絡をいただいて。何度も声をかけてもらったので一度話を聞いてみようかと思って、面談を受けることにしました。
── 実際に話を聞いてみて、印象は変わりましたか?
かなり変わりましたね。最初にホームページを見たときは「建設業界のDXをやっています」という感じで、正直何をやっている会社かよくわかりませんでした。でも面談でプロダクトの内容を聞いてみると、話の筋がしっかり通っていました。しかもすでに大手ゼネコンに使っていただいていて、フィードバックをもらえる関係値もある。スタートアップの1年目にしてはすごくしっかりしているという印象でした。
「これは伸びそうだ」と思って、最終的には2週間ほどで入社を決めました。並行して他にも10社ほどあったんですが、全部お断りしてゴーレム1本に絞りました。「3〜4年は裁量を持ってやっていこう」という気持ちで入った形です。
入ってみてのリアル——ギャップより「やることの多さ」
── 実際に入ってみて、ギャップはありましたか?
ギャップはなかったですね。入社時点のエンジニアは業務委託の方と自分の2名だけだったので、ギャップも何もなかった、という感じです(笑)。むしろプロダクトは思っていたより完成度が高くて、そこから伸ばしていくという感覚でした。
最初の数ヶ月は、マネジメントをしながら自分でも手を動かしつつ、採用も進めるという形で、スタートアップらしく全部同時にやっていた時期でしたね。
── 入ってすぐの仕事で、特に印象に残っていることはありますか?
お客様が求めるものへの対応が、最初の大きな仕事でした。当初のプロダクトはデータを整理した結果だけをお客様に見せる形だったんですが、「この結果が正しいかどうか確認するのが大変」というフィードバックがあって。それなら元の情報に分析結果を紐づけて、元データから直接確認できる画面とデータ構造を作ろう、ということになりました。
これは私1人で考えたわけではなくて、ビジネスサイドの方々や野村さんと話し合いながら形にしていったものです。結果的に「今プロダクトが伸びているきっかけになった」と思っていて、最初に取り組んでよかった仕事のひとつです。
── 入社直後、いちばんきつかった時期はどんな時期でしたか?
きつかったことは2段階ありました。最初は、プロダクトの中身があまりわからない状態でバージョン1の仕上げをしなきゃいけないという状況でした。情報を集めながら並行してスケジュールを達成していくのは、普通にきつかったですね。まあそういう状況はよく経験していたのでこなせましたが。
その次の段階の方がより大変でした。お客さんが求めるものが急速に高まってきて、「お客さんが言っていることをそのまま実装すればいい」という話ではなくて、お客さんの課題を解決するために何を作るべきかをゼロベースから考えなきゃいけない場面が続きました。そこは結構しんどかったですね。でも、その中で作った構造化データまわりの仕組みが今のプロダクトの伸びにつながっているので、やりきってよかったなと思っています。
エンジニアも「考える輪」の中に入れる
── エンジニアとして、ゴーレムで働く面白みはどこにありますか?
入ってきたメンバーが口を揃えて言うのが、裁量を持ってやれることですね。ただその裁量というのは、単に「自由にやっていい」という話ではありません。ビジネスサイドから課題感を受け取って、エンジニアも「それだったらこういう実装の方が手間もかからないし筋がいいですよ」と打ち返せるし、それを受け入れてもらえる文化がある。「言われたことをそのまま実装する」という形ではないんです。
ビジネスサイドとのコミュニケーションも毎日あって、距離がすごく近い。「エンジニアとビジネスが分断している」という話を他社でよく聞くんですが、うちはプロジェクト単位で集まって、課題を持ち寄って、じゃあこうしようというのをみんなでやっています。エンジニアも考える輪の中に入っていけるのが、このチームの面白みだと思っています。
── 具体的にはどうやって話し合いながら進めているんですか?
まずビジネスサイドの方々がお客様から課題情報を拾ってきて、ノイジーな情報を整理しながら「こういうことが課題なんだよ」とまとめてくれます。それをエンジニアが受け取って、「じゃあこういったUIや画面にすれば解決できそうですよ」という形で提案を返す。それをまた野村さんやビジネスサイドと話し合って、「じゃあこれで行こう」という形で決めていく、という流れですね。
このプロセスをきちんとやっているおかげで、手戻りが少なくて筋がいいものができていく感覚があります。もちろんエンジニアの提案が的外れな場合もあって、そのときはビジネスサイドから「実はこういう背景があるので、その実装だと課題解決につながらない」という打ち返しもあります。お互いに遠慮なく意見を出し合える関係性が、今のゴーレムの強みだと思っています。
── 建設業界×DXというドメイン自体の面白さも聞かせてください。
建設業界はまだまだExcelでの手作業が根付いている業界で、ここ10年ほどずっとDX化を試みてきたけれどなかなか成功しなかった領域なんです。そこにゴーレムが切り込んで、確実に成果を出しています。
ゴーレムが最初から目指しているのが「どの建設会社でも使えるデファクトのプラットフォーム」という視点です。一社特化ではなく、あらゆる見積もり書のフォーマットに対応できる形でデータを整理してきました。これが実現すると、建設業界全体の業務効率化に本当に大きなインパクトを与えられる。「建設業界のインフラを作っている」というやりがいを感じながら仕事ができる環境だと思っています。
── 建設業界の現状、もう少し具体的に教えてもらえますか?
一番わかりやすいのが、作る側のゼネコンと発注する側のデベロッパーが、データを共通で見られる場所すら存在しないということです。じゃあどうやってやり取りしているかというと、メールなんですよね。それだけデータの一元管理が遅れている業界です。
そこにゴーレムが切り込んでいて、両者が同じデータを見られるプラットフォームを作っています。それだけでもインパクトがあるんですが、さらにその先もあります。見積もり書のデータが溜まっていけば、過去データを使って今後の予測を立てたり、外算を作ったりということも可能になってくる。「データを整理する」というところから始まって、その先の業務全体を変えていける可能性がある。改善の余白がめちゃくちゃ大きい業界なんです。
こんな人と一緒に働きたい
── どんなエンジニアに来てほしいですか?
「考えることが苦じゃない人」と「話し合いながら進めることが好きな人」ですね。さっき話したように、チームで情報を出し合って物事を決めていく文化なので、コミュニケーションに苦痛を感じない人は合うと思います。毎日ビジネスサイドとすり合わせをしたり、クイックに10分だけ話したりという場面が普通にあるので。
技術的には、設計が好きな人はすごくはまると思います。小さな設計がエンジニア全員の日常になっているので、チケットの内容から自分で設計を考えるのが好きな方には向いていますね。ジュニアの方でも「設計方面を伸ばしていきたい」という方は全然ウェルカムです。今後チームを拡大していく段階なので、チームリーダーを目指したいシニアの方にも面白い時期だと思います。
もうひとつ付け加えると、面接の中でポジションを一緒に考えていける柔軟さがあります。例えば、インフラエンジニアとして応募してきた方が、話を聞く中でMLインフラの方が合いそうとなって、そのポジションで活躍していただいているケースもあります。「こういうキャリアを積んでいきたい」という話を面接でしていただければ、一緒に考えていける会社です。
── 最後に、ゴーレムに興味を持っている方へメッセージをお願いします。
プロダクトの拡大に直接関われる機会というのは、実はなかなかないと思っています。今のゴーレムはまさにその真っ只中にあって、組織を作りながら自分のキャリアを深めていける時期です。そういうフェーズに乗りたい方には、ぜひ来てほしいですね。
ジュニアの方も遠慮せずに来ていただきたいと思っています。「まずできることから始めて、次はここをやっていこう」というのを一緒に話し合いながら進めていくので、キャリアを育てながら働ける環境だと思っています。
おわりに
「みんなで話し合いながら作っていく」——古賀さんが何度も口にしたこの言葉が、ゴーレムという会社をよく表しているように感じます。エンジニアがビジネスの課題を一緒に考え、建設業界という大きな余白に向かって、チーム全員で進んでいく。そんな環境に興味を持った方は、ぜひ一度話を聞きに来てみてください。