自社で開発・提供しているAI電話自動化サービス「カイタクAIコール」を、今年2025年6月に新ブランド「スパ電 –AI駆動のスーパーな電話–」としてリニューアルしてリリース。
そんなスパ電について、今回は代表の松木さんに、プロダクトをリリースするまでの軌跡や展望について、お話を伺いました。
![]()
カイタク株式会社 代表取締役 松木友範
東京大学卒。日本政策投資銀行に入行し、予算策定を担当、その後広島にて法人営業に従事。
2013年から米国カリフォルニア州立バークレー校に留学しMBAを取得。
帰国後、2015年に友人と当社を設立し、CEOに就任。
カイタクの自社プロダクト:AIエージェント「スパ電」
ーー早速ですが、改めてカイタクの対話型AI電話エージェント「スパ電」について教えてください。
電話のサービスと聞くと、よくある自動音声を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、「スパ電」はよくある自動音声とは異なり、AIが自然な会話で、架電・受電・記録までを一貫して自動で完結させる、電話支援サービスです。
主な機能や特徴としては、
1.架電/受電の完全自動化
事前シナリオに沿った自動架電と、着信時の自動分岐応答をワンストップで提供。
2.通話ログの自動データ化
全件録音・文字起こしをリアルタイムでダッシュボードへ反映し、CSV/APIで出力可。
3.CRM・基幹システム連携
CRMへの通話結果書き込みや在庫・物件情報の参照更新をAPI経由で実現。
4.柔軟なカスタマイズ導入
要件定義から本番導入まで専任コンサルタントが伴走し、システム統合やシナリオ調整を支援。
5.エンタープライズ基準のセキュリティ
総務省ガイドライン準拠、OWASP LLMSVS対応、通信全暗号化、音声データ非学習化。
の、5つがあります。
膨大な架電・受電業務や、手間となる記録に関しても、Alを駆使することによって、工数のかかる業務を担う、画期的なサービスです。
▼「スパ電」のプレスリリースはこちら
https://www.wantedly.com/companies/company_8152223/post_articles/982433
1番のこだわりは、今使われている業務システムや業務プロセスにしっかりと理づけるかどうか
ーー「スパ電」のプロダクト企画に至ったきっかけを教えてください。
従来の人の力を主としたサービスを使用して、社内でもたくさん電話をしていたのですが、どんどんと進化を遂げる昨今のAIの流れの中で、カイタクで電話をし続けるのは、いずれ確実に厳しくなると思ったことがきっかけでした。
厳しくなる前に早めに手を打っていかなければと思っていたところ、社内にエンジニアもいることや、私自身もエンジニアとして考えたときに、「これはAIを使って解決していけるのでは!」と思い立ち、昨年開発を開始しました。
ふと思い立って始めた開発でしたが、プロトタイプ版のようなものを作り試したところ、意外と使えると分かり、これならいけると確信したため、本格的に開発をすることになりました。
ーープロダクトのコアコンピタンス(他社に真似できない核となる要素)としてこだわったポイントはありますか?
正直、AIが進化していくのは当たり前だと思っているので、音声の「品質」にこだわる必要は100%はないと考えています。
もし品質の部分にこだわったとしても、品質はAI技術のアップデートが解決していくだろうと思っているので、こだわる部分としてはどちらかというと、インテグレーションの容易さ、つまり今使われている業務システムや業務プロセスにしっかりと理づけるかどうかに重きを置いています。
具体的には、「今使っているシステムやCRMとシームレスに連携ができること」や、「業務の効率を上げることで、人とシステムが本質的な意味で共存できるサービス」というところにこだわりを持ってプロダクト開発を進めています。
営業代行会社では、「いかに電話をするか」という”量”の部分に着目している会社が多い中、こういった部分に着目している会社は正直少ないと感じています。
![]()
日本製のAIプロダクトで日本の産業を盛り上げる
ーーこのプロダクトが業界や社会に与えたいインパクトは何ですか?
AI革命は必ず来ると思っていて、AIの活用で世の中の仕事が革命的に変わると感じています。
今、人間が務めている業務のほとんどがAIが代わって作業することになり、5年もすればだいぶ様変わりすると予想しています。
これから海外のプロダクトもたくさん入ってくると思いますが、日本国内が海外のプロダクトだけになることは避けたいと思っています。
私たちにも、数え切れないほどのたくさんのチャレンジできる機会があるので、海外のものにも対抗できる品質のものを作り、日本の産業としても、”AI産業”として根付くようにしていかないと、つらくなるのではないかと思っているので、この日本で、国産の高い品質のAIプロダクトを作っていきたいです。
新卒で就活をしていたとき、私は「日本の産業支援や事業支援をやりたい」という想いを軸に就職先を決めたのですが、考えてみればカイタクを創業して10年経った今も、その根本的な想いは、変わらず持ち続けていることを実感しています。
【CEOインタビュー記事】カイタクの原点と、AIと目指す新たな未来
https://www.wantedly.com/companies/company_8152223/post_articles/1007499?status=success
カイタクでは、日本ではなかなかできない経験を積むことができる
ーースパ電やカイタクで開発するAIプロダクトに関わることは、エンジニアにとってはどんな点が魅力的ですか?
まず、今後の未来構想は、自律型のAIエージェント型アプリケーションの開発を強化していきたいと考えています。
その中で、カイタクのエンジニアに感じてもらえる具体的な魅力としては大きく3つあると思っています。
一つ目に、「Mastra(マストラ)」というTypeScriptのフレームワークを使ってプロダクトを作っているのですが、この「Mastra」を活用して何かを作ろうとしている会社は、今の日本ではほとんどないのが現状なので、とても珍しいです。
使っている会社は少ないですが、海外では既に使われていたり、感度が高いエンジニアの中では話題沸騰中のため、面白いと思って貰えるのではないかと思います。
エージェンティック(目的を理解し、目的を達成するための方法を能動的に考え、自律的に行動・意思決定する)なアプリケーションを作る経験値をつくりたい方には大変良い機会になると思っています。
二つ目として、弊社では「オーケストレータ(複雑で大規模なシステムを、自動化・効率化するシステム)」を作っているのですが、オーケストレーションのロジックを作ることも珍しいので、この部分もなかなかできない経験を積めると思います。
最後に三つ目として、eval()の構築(正しく評価するための仕組み・環境を整えること)にもこだわっていこうとしています。
社内では、テストの仕組みも整備していかなきゃいけないねとも、常々話しているところです。
開発をしていてもAIアプリケーション特有の論点で話をしたり、今お話したような、技術的な難しさもあるとは思いますが、今の日本ではなかなか積めないような経験も、弊社なら経験できることが魅力だと自負しています。
このように、最先端の技術も身に着けていきたい、どんどん成長していきたいという方には最適な環境だと思うので、少しでもご興味があれば、まずは応募していただき、面談で詳しい話もさせていただければと思っています。