こんにちは!ABABA広報の高橋です。
ABABAのバリューを体現するメンバーにフォーカスする連載企画、第3弾は「ABABAアワード(2025年10月〜2026年3月)」にて「Best Value Driver賞 -仲間を信じる-」を受賞した、タレントコンサルティング Division Bユニット / ユニットマネージャーの夏谷弦さんにお話を伺いました。
入社から約2年で、メンバー、リーダー、ユニットマネージャーへと目まぐるしく役割が変わり続けてきた夏谷さん。
一見するとクールでロジカルな彼が、なぜこれほどまでに仲間から信頼を寄せられ、組織のあり方に対してもフラットに向き合えるのか。その思考の深さと、彼が構築しようとしている組織の構造を紐解きます。
※2026年5月時点の情報です。
夏谷 弦(なつや げん) / タレントコンサルティング Bユニット ユニットマネージャー
前職で人材業界にて新卒採用チームのリーダーを経験。2024年4月、ABABAに参画。入社3ヶ月でリーダーに就任し、同年10月にユニットマネージャーへ昇格。現在はTC Divisionにおけるマネジメントと事業設計を担う。
「視座」は無理に上げるものではない。目の前のコトに向き合った結果の「視野の広がり」
── 受賞おめでとうございます !夏谷さんは入社から2年で、メンバーからリーダー、そしてユニットマネージャーへと、短いスパンで役割を変えてこられましたね。まずは現在の役割から教えてください。
夏谷:ありがとうございます。現在の役割は大きく分けると2つあります。1つはユニット全体に対するマネジメントです。メンバーを細部まで管理するのではなく、リーダーたちに対して、チーム方針の定め方や、今の状況の適切な把握の仕方をサポートする役割ですね。
もう1つは、事業全体を前進させるための設計です。具体的には、『ABABA』というプラットフォームにおいて、重要なドライバーがどこにあるのかを洗い出し、それをKPIやKGIの構造へと正しく落とし込んでいく役割を担っています。
常に「何が伸びれば、誰にどう価値が届くのか」という本質から逆算し、現場にただ頑張らせるのではなく、「現場が納得感を持って走れる状態」を上流の構造を整えること。それが、このポジションにおける私の役割だと捉えています。
── これほど急速に役割が広がる中で、ご自身の「視座」をどう変化させていったのでしょうか?
夏谷:視座は意識的に上げるものではないと思っています。それをしてしまうと中身の伴わない判断に陥ってしまう。 目の前にある任された仕事に、オーナーシップを持ってしっかり向き合う。そうすると、その仕事がその上の文脈と地続きになっていることに気づく瞬間が来ると思います。全体像や上の文脈を理解しないと、自分の目の前の仕事すら全うできない。そう感じたときに、自然と視線が上に向く。その繰り返しの結果、気づいたら視野が広がっていくと考えています。
── その「事業の全体構造を掴む」というフェーズにおいて、夏谷さん自身の働き方にも変化はありましたか?
夏谷: 思考に使う時間が劇的に増えましたね。AIのおかげで、これまで「調べる・まとめる」といった単純作業に費やしていた時間が、ほぼすべて「考える」時間へと変わりました。 それまで、いかに自分が「脳を動かさずに手を動かすこと」に時間を浪費していたかを痛感したんです。AIを使いこなせるようになってからは、勤務時間のほとんどが純粋な思考の時間に変わったため、最初は1時間考えただけでぐったりしてしまうほどでした(笑)。でも、その脳を酷使するプロセスがあったからこそ、何を見てどんな判断を下すべきかという「事業を動かす感覚」が、少しずつ自分の中に溜まってきたのだと思います。
「肩書きは役割分担にすぎない」。自分を飛び越えた抜擢に、一切の遺恨を残さない理由
── 今回のアワードの受賞理由の中で、「立場の変化に一切の遺恨を残さず、事業推進に貢献した」という点が非常に印象的でした。具体的にどのような背景があったのでしょうか?
夏谷: 去年の4月に、私のチームにメンバーとして森井さんが入社されました。その後の組織変更のタイミングで、森井さんが私を飛び越える形でマネージャーのポジションに着任されたんです。一般的には「自分が先にいたのに」と戸惑いや遺恨を感じる人もいるかもしれませんが、私の中ではむしろ予定調和であり、やりやすくなりました。
なぜなら、森井さんは私よりもはるかに上流の広い視野を持って、意思決定や方針を打ち出すことが得意なプロフェッショナルだからです。当時は入社半年だった森井さんは現場の細かい実務の解像度がまだこれから、という状態でした。一方で、私は現場実務の解像度が高い。だったら、森井さんが上流の広い視点に特化し、私は現場側を補填する。そうやってお互いの凸凹がいい感じで合わさる関係性がすでにチームの中で作れている感覚でした。
── 自分の立場へのこだわりよりも、事業にとって何が最適かを最優先できたのはなぜですか?
夏谷:「肩書きや役職は、組織図上の上下に割り振られているだけで、本質的には単なる役割分担でしかない」という考え方が、自分の中に強くあるからです。森井さんが上流の責任を背負ってくれたおかげで、自分の負担も分散されましたし、何より事業が進むスピードが上がりました。自分の器のサイズで組織の成長上限を決めてしまうことの方が、事業にとっても仲間にとっても不利益です。だからこそ、戸惑いは全くありませんでした。
一次情報に解釈を添えて届ける。経営層への率直な提言と危機感
── 経営陣に対しても、非常に率直で健全な議論を交わす姿勢が評価されていましたね。一社員の立場から、経営に対して物怖じせず提言できるのはなぜでしょうか。
夏谷: これは私の社会人としてのDNAに深く染みついているものです。前職時代に私を育ててくれた上司が、相手が社長だろうが上場企業の役員だろうが、言うべきことをフラットに、ストレートに伝える人でした。その姿を間近で見てきた影響が、間違いなく大きいです。
入社1ヶ月目だろうが結果が出ていなかろうが、現場の近くにいる自分が「一次情報」を最も持っている。だからそれを上に伝えるのは、現場の人間としてごく当たり前のことだと思っています。大事なのは、その情報をただ丸投げして上げるのではなく、現場にいる自分なりの「解釈」や「こうすべきだと思う」という提案を必ずセットにして届けることです。
上にいくほど現場のリアルは見えにくくなるものだからこそ、一番情報を持っている自分が、解釈を添えて届ける。もし「言いづらいから」と情報を止めてしまったら、自分がそこにいる意味がなくなってしまう。組織が大きくなるにつれて経営陣が現場から遮断されて孤独になっていくのは寂しいことだと思います。
ABABAの経営陣が、そもそもそうした声に対して真摯に耳を傾けてくれる、話しやすい人たちだという環境の良さにも救われています。
── 夏谷さんの現場からの投げかけが、組織の向かう先をクリアにする大きなきっかけになったと伺いました 。当時、どのような危機感を持っていたのですか?
夏谷:ユニットマネージャーとして事業推進の具体的な戦略や計画を組み立てようとした際、「何を根拠にして意思決定をすればいいのか」という、絶対的な拠り所が少し見えづらくなっているのではないか、という懸念がありました。当時の指針も、会社が大切にすべき思想として非常に共感できるものでしたが、いざ現場の業務に落とし込もうとすると、言葉の抽象度が高いために、メンバー全員が自分の中に「思い思いのイメージ」を定義してしまい、バラバラの解釈で動いてしまっている状態でした。
── 「やれることを全部やる」のは戦略ではない、と。
夏谷:そうです。ふわっとしたゴールに向かって、目の前にあるやれることを全部やる、というのは戦略的な動きではありません。事業を創る、あるいは組織を動かすということは、「何を選んで、何を捨てるか」という選択の連続だと思います。その判断軸となる指針が不足しているという違和感を、問題提起として投げかけました。
大げさなことをしたかったわけではなく、自分が任されたマネジメントを正しく遂行するために必要なアクションだったと考えています。結果として、ABABAという会社が「変わるべきタイミングで、正しく変わる意思決定ができる組織である」というポジティブな側面を、身をもって実感できました。
「全部やる」は戦略ではない。根性論を脱却し、打席を増やすための「正しい助け方」
── 今回の受賞タイミングでは、夏谷さんのユニットから門田さんと小川さんの2名が同時にバリュー体現者として選出されましたね。部下への向き合い方として、意識していることはありますか?
夏谷: 最も意識しているのは、「メンバーの成長の天井を、マネジメント側が勝手に決めつけない」ということです。本人が「やりきります」と言って打席に立っている限りは、内心「まだ少し早いかもしれない」と思っても、まずは基本任せて、やらせてみる。頭ごなしに抑えつけるような指導はしないようにしています。
人によっては、一見すると「放任されている」という感覚になるかもしれないなと思いつつ(笑)、自分でこの環境を選んで挑戦しているメンバーだからこそ、まずは本人を信じて打席に立たせることが大事だと思っています。私としては、彼女らを次のチームや打席へと送り出した側なので、今回アワードの舞台に2人が呼ばれているのを見て、本当に良かったなとしみじみ思っていました。
── 現場のリーダーたちに対して、特に注力して伝えていることを教えてください。
夏谷:そうですね。リーダーたちの「考え方やチームの動かし方」をアップデートしていくことは、今まさに注力しているところです。
というのも、これまでのABABAには、良くも悪くも「やれることは全部やる」という根性論的な空気感がどうしてもあったように思います。
その中で育ってきたリーダーたちは、本当に真面目なんです。真面目だからこそ、一人で抱え込んで考えすぎてしまい、思考がパンクして混乱してしまう。そんな懸念が自分の中にありました。そうなるとメンバーに対しても、同じように「とにかく全部やろう」というコミュニケーションになってしまう。
だからこそ、「やることを決める前に、まず『やらないこと』を決めよう」と伝えています。リーダーが戦略的に枠組みを決め、メンバーに「あなたが考えるべき領域はここ」と役割のバトンを渡してパスを回していく。そうしないと、組織として健全にスケールしていけないと考えています。
最初はリーダーたちを混乱させてしまう時期もありましたが、対話を重ねる中で、少しずつチームとしての動きの質、いわば「組織の筋肉量」が変わってきたと感じています。
自らの一手で、見える景色を変えていく。変わり続ける組織で、自分の可能性を拡張したい仲間へ
── 入社からの2年間を振り返り、夏谷さん自身が「ここは一番進化した」と感じるポイントはどこですか?
夏谷:「事業を動かす構造の設計図」が、自分の中で圧倒的な解像度で見えるようになり、意思決定において迷わなくなったことです。
前職までは人事として、採用という限定的な機能の中で動いていたため、事業全体の構造を俯瞰して設計する経験はありませんでした。
しかし、自分自身の思考の量を圧倒的に増やし、さらに森井さんや、まささんたちと密な対話を重ねていくなかで、どの情報を見て、どの指標を動かせば、どこの結論に辿り着くのかという「事業のツボ」のようなものが、感覚としてカチッとハマるようになりました。
かつてはどう結論を出すべきか迷う時期もありましたが、今は見るべき情報と向かうべき方向がクリアに分かるようになりました。事業としての「本質」を捉える感覚が身についたことは、この2年間での大きな変化ですね。
── 最後に、これからABABAへの参画や、組織でのリーダーシップ獲得を目指す方へメッセージをお願いします。
夏谷:安定した環境や、最初から高いお給料といった条件だけを求めているのであれば、他にも選択肢はいくらでもありますし、ABABAを選ぶ必要はないと思います。
ただ、変わり続ける組織のなかで、自分の意見をストレートにぶつけ合いながら、一緒に事業や組織を作っていくことに面白さを感じられる人にとっては、これ以上ない環境です。ABABAはまだ発展途上で、これからもフェーズに合わせて何度も大きな変化が起きる会社ですし、変わるべきときに正しく変わる意思決定ができる組織です。だからこそ、自分の動かし方次第で、見える景色が変わる面白さがあります。
今回私が受賞した「仲間を信じて任せる」という姿勢が、今はまだ特別なバリューとして表彰されていますが、本来はこれが組織の「当たり前の標準」にならなければいけないと思っています。自分をすり減らす根性論ではなく、お互いを信頼して役割のバトンを繋ぎ、構造で事業を勝たせる。そんな攻めの組織を、楽しみながら一緒に作っていける仲間を待っています。