北神社で働くメンバーのストーリーに迫り、大切にしている価値観や、仕事での転機などを記事に発信していきます。第三弾は、池本丈太郎さん。
35歳で代表を引き継いだ当時は、思うように業績が上がらず、売上が伸び悩んだそう。「スタッフのやりがい」に働けるようになってからは、北神社らしい「アットホーム」な社風が根付き、いきいきと社員が躍進していくように。北神社の社長として、どのような思いで仕事に取り組んでいるのでしょうかーー。
1970年に創業してから50年。北神社の3代目社長を務めています。
幼少の頃は、この仕事を継ぐつもりはなかったんです。ずっと父からは「好きなことして生きるんだぞ」と言われていましたし、学生を卒業してからは、金属機械の設計の仕事をしていました。
楽しくサラリーマンとして仕事をしていましたが、私が26歳の時のことでした。父がケガをしてしまったことで体が思うように動かせなくなり、社長として最前線でバリバリやっていたような仕事ぶりができなくなってしまいました。
家族から「戻ってきて」と一度も言われたことはなかったのですが、「26歳まで好き勝手やってきたし、そろそろ家族のために」と思い、27歳の時に地元に帰りました。とはいえ、思い立ってから1年以上悩むほど、簡単にできる決断ではありませんでした。
現場の仕事はおもしろかったですね。性格的に、周りを見渡しながら、空いている業務や役割を見つけるのが好きなんです。当時の現場では、機動力を活かしてコミュニケーションをとれる人が多かったのですが、そういうメンバーが輝けるように、提案用の資料を作ったり、お客様からの声を丁寧にまとめたり、そんな仕事で自分の役割を作っていきました。
少しずつ社員からの信頼が集まっていって、35歳の時に北神社の3代目を受け継ぎました。 社長に就任してすぐは、会社の業績を上げることに尽力しました。「自分のやりたいことをやったら売上は伸びる!」と思っていたのですが、いざやってみると結果になかなか結びつかず、ショックでしたね。 試行錯誤して1年、「スタッフのやりがい」に働きかけようと考え方を変えました。
そこからですね。徐々に会社がいい方向に廻り始めたのは。 今では社員が楽しそうに、いきいきと働いている姿を見るのが何よりのやりがいです。
ある入社1年目のメンバーが担当した葬儀がありました。本人は、「怒られへんかな.....お客様から嫌がられへんかな.....」とすごく緊張したみたいなのですが、葬式が終わってお客様から「ほんまにアットホームやな」と言ってもらえて。
会社として大切にしている「アットホーム」というコンセプトを体現し、お客様の声としていただける。そのメンバーにとって、大きな自信になったみたいですね。1年目の子が、仕事の面白さをアツく語ってくれた姿を見た時は、「この仕事やっててよかったな」と心から思いました。
他にも、学生向けの採用イベントにて、若手社員が会社が目指すミッションやそれを実現するための取り組みについて熱を込めて話してくれていたんです。学生からの質問にも的確に応答している姿を見て、会社として目指すものが浸透し、社員のやりがいに繋がり始めていることを実感しました。
正直、葬儀の業界って働きづらいイメージがあると思うんです。 会社を守っていくことはもちろん大事ですが、一番やりたいことは社員の人生をつくること。 北神社が、「いい仕事してるね」と言ってもらえる、業界として象徴になれるような会社になること。それが僕の夢です。
《執筆》
林 将寛