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リモートワーク体制で勉強会はどうやって開催する?オンライン勉強会を成功させる5つのヒントをご紹介!

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こんにちは。
セラク・みどりクラウド事業部のエキスパートエンジニア・スクラムマスターの原田です。

東京のコロナ新規感染者は段々と減ってきてはいますが、みどりクラウド事業部では通勤・オフィスでの感染リスク低減を考慮して、引き続きリモートワークを推奨しています。

また、セラクでは社外のインターネットから社内のネットワークに接続するためのVPNを設けており、社員は自宅等からVPN経由で社内のシステムや情報にアクセスして業務を進められる体制を2020年前半から整備してあります。

今回はそのようなリモートワーク体制を敷いているみどりクラウド事業部で、どのようにして勉強会を継続開催しているのか、その手法やコツについてご紹介しようと思います。

勉強会をオンラインで行う場合のメリットとデメリット

まずは、勉強会をオンラインで行い場合のメリットとデメリットを整理してみようと思います。

メリット①:会議室を確保しなくてよい

Photo by Pawel Chu on Unsplash

過去にリアルの勉強会をやっていたときに結構問題だったのが、参加者全員が入れる会議室を確保することでした。会議室の数が限られていたり、業務の打ち合わせで埋まっていると、会議室が確保できるかどうかが勉強会の最初のネックになってしまうこともありました。これ、結構ストレスなんですよね。
これが、リモートワーク体制下でのオンライン勉強会なら会議室を確保する必要はないので、会議室を確保できるかどうかの心配から開放されます。代わりに、Temasのビデオ会議スケジュールを用意したり、ZoomのURLを発行しておいたりという感じです。
オンライン勉強会で会議室確保のストレスが下がったというのは主催者側のメリットではありますが、会議室が空いてないと勉強会を開催できないというのは本末転倒な話なので、オンラインで会議室を気にしなくて良くなったのは本当に助かっています。

メリット②:参加の心理的ハードルが下がる

Photo by Jeremy Chen on Unsplash

リアルの勉強会に参加したことがある人だとこの気持をわかってもらえるかもしれませんが、あまり顔見知りの人がいない勉強会にリアル参加するのって、結構ハードル高いんですよね。以下のような心配で勉強会になかなか参加できないということありませんでしたか?

  • 行ったことのない会場だけど上手く入れるかなぁ。。。
  • 入室したら知らない人ばかりだったらどうしよう。。。
  • 最初はなんて挨拶したらいいかなぁ。。。
  • どこに座ったらいいかなぁ。。。などなど

興味がある勉強会でも、知らない場所での開催だったり、知らない人ばかりだと参加の心理的ハードルって高いんですよね。人見知り傾向のある私のような人だけかもしれませんが。。。
これが、オンライン勉強会ならURLをクリックするだけで参加できるので、入室の心理的ハードルは一気に下がります。エイヤとクリックするだけです(笑)
あとは「よろしくお願いしますー」とか適当に言っておけばOK!恥ずかしかったらビデオOFFにしてROM専で様子を伺うのでも私はいいと思っています。場の雰囲気が掴めてきたら積極的に参加していけばいいし、ちょっと自分には合わないなぁと思ったらROM専のままにして次は参加しないという選択でも良いのです。このあたり、参加の心理的ハードルはオンライン開催でかなり下がったと思います。

メリット③:自宅・地方拠点も含めて日本全国から参加できる

Photo by NASA on Unsplash

これがオンライン勉強会の最大のメリットかもしれません。
これまで、ある会場で行われている勉強会に興味があったとしても、地理的制約(会場が遠くて参加できない)・時間的制約(会場に行くのに時間がかかる)・コスト的制約(会場に移動する交通費が高い)で参加できないというケースは結構ありました。
特に地方在住の場合、勉強会は東京で開催されることが多く、興味がある勉強会があっても交通費・宿泊費が高額になるので諦めるという場合もあると思います。実際私も、過去に就業していた会社で北海道・札幌に5年ほど住んでいた経験があり、その間に東京で行われる勉強会やイベントに興味がありましたが、会社補助での参加でないと難しかった覚えがあります。これが、オンライン勉強会なら日本全国どこにいても(その気になれば世界中のどこからでも?)参加できるのです。
実際、私が主催しているみどりクラウドのアジャイル・スクラム勉強会は、リモートワーク中の各社員の自宅・セラク新宿本社からTeamsビデオ会議を使って参加して頂いています。当たり前といえば当たり前なのですが、どこから参加していてもインターネットの速度が安定していれば映像や音声の遅延はほぼ発生しません。参加者がどこから参加しているのかも意識する必要はないのです。

少し話がそれますが、2021年1月にRegional Scrum Gathering℠ Tokyo 2021というスクラムのイベントが開催され私もオンラインで参加したのですが、こちらもコロナの影響でリアル会場・オンライン会場の併催でした。

Regional Scrum Gathering℠ Tokyo 2021
The author of "Agile Testing", "More Agile Testing" Janet Gregory is an agile testing and process consultant with DragonFire Inc. She is the co-author with Lisa Crispin of Agile Testing Condensed: A Brief Introduction (LeanPub 2019), More Agile Testing: L
https://2021.scrumgatheringtokyo.org/

日本全国(北は北海道から、南は九州・沖縄まで)から数百名の参加者がオンライン参加し、来日予定だった海外の著名なスピーカーも来日せずにオンラインでプレゼンを行ったのです。(SCRUM MASTER THE BOOKの原著著者であるZuzana Sochovaは遠くチェコからのプレゼンでした)

SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ | 翔泳社
「スクラムマスターは何をすればよいのか」に答えてくれる本 本書は、「スクラムチームの母」と呼ばれ、著名なスクラムトレーナーでもある著者が、 その経験則――スクラムマスターは何をすればよいのか――をまとめた、 Addison-Wesley Signature Series(Cohn)『The Great ScrumMaster: #ScrumMasterWay』 の日本語版です。 スクラムには、3つの役割があります。 プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスターです。 プロダクトオーナーは、プロダクトの
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798166858

場の熱気という点ではリアル開催には敵わないのですが、地方参加者が気軽に参加できる点・海外著名スピーカーに参加してもらいやすい点はオンライン開催の強みなので、コロナ禍が収まった後もイベントのリアル・オンライン併催は続くのではないかと私は思っています。


ここまでメリットを3つ紹介してきましたが、オンライン勉強会がすべての面でリアル開催の勉強会に勝っているというわけではありません。オンライン勉強会のデメリットを2点説明します。

デメリット①:人が集まった感じがしない

Photo by Stefan Spassov on Unsplash

オンラインの勉強会なので当然といえば当然なのですが、参加者はそれぞれの自宅や拠点からオンライン会場(ビデオ会議など)に集まるので、リアルと比べるとやはり今ひとつ人が集まった感じはしません。
このあたり、リアルで人が集まったときの熱気や一体感を重視している人からすると物足りないかもしれません。
しかし、Regional Scrum Gathering℠ Tokyo 2021ではビデオ会議とチャットを併用して、スピーカーがプレゼンしている最中にチャット上で参加者が感想や意見をリアルタイムに交わしたり、会場内の雑談をチャットのチャンネルで表現したりといった新たな参加者体験を提供していました。
オンラインとリアルで比べた場合に当然リアルのほうが集まった感はあるのですが、それによってオンラインの勉強会やイベントがコロナ後に縮小していくとは思っていません。やはりオンライン・リアルの併催になるのではないかと私は考えています。

デメリット②:ワークショップがやりにくい

Photo by Jo Szczepanska on Unsplash

リアル開催でホワイトボードや付箋紙を使ってワークショップを行っていた場合、それをオンライン開催でどうやって実現するかは悩ましい点です。
オンラインのホワイトボードツール(Miroなど)や付箋ツール(Trelloなど)を駆使することで、オンライン上でもワークショップを行うことは不可能ではありません。しかし、ホワイトボードマーカーや付箋紙の使い方がわからないという人はまずいないと思いますが、MiroやTrelloの使い方がわからない・操作が慣れないということは十分ありえます。そのため、これらのツールをオンライン勉強会で使い始める場合は、ぶっつけ本番ではなく予めアカウントを作っておいてもらう・ボードを告知しておいて操作に慣れてもらうといった準備が必要です。

また、ホワイトボードや付箋を用いたワークショップは上記のオンラインツールを使えば解決できるのですが、かんばんのWIP制限ワークショップなど実際に人が集まってカードなどの物を使わないと体験できないワークショップもあります。このようなワークショップはまだオンラインでは上手く実現できそうにありません。
このようなリアルだからこそのワークショップこそ、コロナ後はリアルで集まるという貴重な時間を使って行っていくことになるのではないかと私は考えています。

※WIP制限ワークショップがどのようなものなのか興味がある方は、原田が以前行ったワークショップのスライドがありますので以下で御覧ください

オンライン勉強会を成功させる5つのヒント

ここまでオンライン勉強会のメリットとデメリットを説明してきましたが、それらを踏まえた上でオンライン勉強会を成功させるためのちょっとしたヒントを5つお伝えしようと思います。

ヒント①:ともかく告知する・告知し続ける

Photo by Clem Onojeghuo on Unsplash

リアルで対面して行う勉強会でも言えることですが、勉強会は告知の時点から始まっています。リアル対面であれば「これから勉強会を始めまーす」と同じオフィス・フロア内で言って回れば「勉強会やってるんだなぁ」「興味があるから参加してみようかなぁ」と思ってもらえる可能性がありますが、オンライン勉強会ではそれぞれ別々の場所に居るのでそうもいきません。そのため、オンライン勉強会はリアル対面の勉強会よりも綿密に告知を行っておく必要があります
Slackなどのチャットツールを使用しているのならチャット上で、ビデオ会議で朝会などの対面をする場を設けているのなら朝会でも、月一回会議などを行っているのならその会議の場でも、ともかく勉強会をやっていることを広く知ってもらいましょう。
また、スポットの勉強会ではなく、週一回など定期的・継続的に勉強会を行って、気が向いたときに参加しやすい勉強会にしておくことも大切です。(これはリアル対面でもオンラインでも、どちらでも有効な手ですね)

ヒント②:ビデオ会議アプリと手書きツールを駆使する

Photo by ConvertKit on Unsplash

オンライン勉強会のデメリットでも説明しましたが、オンライン勉強会はワークショップを行って参加型の勉強会にするのが難しいことがネックです。パワーポイントなどの資料を用いて、講義形式で一方方向に知識を伝えるのならリアル対面でもオンラインでもそれほど参加者の体験に違いは無いのですが、参加者も勉強会に積極的に参加して双方向でやり取りをした方が参加する側にとっても有意義な勉強会になるはずです。
そのためには各種オンラインツールを駆使して、同じ場に集っていなくてもワークショップを通して参加したという体験をしてもらう必要があります。

ビデオ会議アプリ
音声とカメラ映像をやり取りするビデオ会議アプリは必須です。TeamsやZoomなど各種ありますが、会社で指定のものがあればそれを使用してください。
セラクではTeamsがビデオ会議アプリの標準となっていますが、Teamsのビデオ会議にはWhiteboardというホワイトボードアプリが組み込まれています。後ほど紹介するMiroというアプリと比較すると機能が弱く操作が難しいという難点はあるのですが、別途アカウントを作らなくてもTeams会議にさえ参加できていればホワイトボードを開始できる点は強みです。また、以下で紹介するiPad + Apple Pencileを組み合わせることでさらに真価を発揮します。

iPad + Apple Pencil
ホワイトボードアプリを使用するときに、マウスやトラックパッドだと上手く線や字を書けないのが難点なのですが、それを解決する最強ツールがiPad + Apple Pencilです。MacにiPadを接続し、SideCarでiPadをサブモニタとして認識させてホワイトボードアプリを表示すれば、Apple Pencilで手書きすることができます。

Photo by Helena Lopes on Unsplash

ホワイトボードアプリではタイピングによる文字入力の機能ももちろんあるのですが、思考を整理するのに手書きでメモを書き込んだり、フリーハンドで図を描く方が早いケースも多いです。例えば、プログラムの設計を複数人で行う場合なんかは、手書きのホワイトボードの前に集まって行うことが多いんじゃないかと思います。 それをオンライン上でも実現できて、なおかつ比較的リーズナブルかつ高精度の液晶タブレットとして機能してくれるのがiPad + Apple Pencilの組み合わせです。

ヒント③:ホワイトボードアプリを活用する

Photo by UX Indonesia on Unsplash

ビデオ会議アプリのホワイトボード機能を使えば最低限の機能は利用できるのですが、ワークショップやディスカッションで参加者の体験をより良いものにしたい場合は別途ホワイトボード専用のアプリを検討することをお勧めします
私がお勧めするオンラインのホワイトボードアプリはMiroというサービスです。

The Visual Collaboration Platform for Every Team | Miro
Scalable, secure, cross-device, and enterprise-ready team collaboration whiteboard for distributed teams. Join 50M+ users from around the world.
https://miro.com/

みどりクラウド事業部で開催しているアジャイル・スクラム勉強会でも、ワークショップではMiroを使用しています。TeamsのWhiteboardと比べると、トラックパッドでズームの操作がしやすいのと、付箋の大きさを変えやすいのが気に入っています。

また、ビデオ会議ツールとは別にホワイトボードアプリを使用するメリットとしては、予めワークショップのための枠線などを引いた状態のホワイトボードを用意しておける点もあります。勉強会の中で上のスクリーンショットのような枠線を整えると時間がかかり貴重な勉強会の時間を消費してしまいますが、予め準備をしておけば時間を有効活用できます。

逆にネックなのは、ビデオ会議ツールとは別にホワイトボードアプリのアカウント登録をしてもらう必要があることです。その点、Miroはホワイトボードをホストするアカウントが有料アカウントであればログイン不要のゲストユーザーを招待できますし、無料アカウントであっても閲覧ユーザを招待可能です。
まだMiroを使ってみたことのない方は是非試してみてください。オンラインでのワークショップやディスカッションのレベルが一段上がると思います。

ヒント④:ワークショップやディスカッションを取り入れる

Photo by Douglas Lopez on Unsplash

オンライン開催の勉強会で参加者も含めたワークショップやディスカッションを行うのが難しいため、講義形式で講師→参加者へ知識を伝える勉強会のみ実施しているというケースもあるかもしれません。しかし、人が学習した内容を自身に落とし込むには、単に見聞きしただけよりも参加して頭を使ったり手を動かした方がより効果的です。そのため、オンライン勉強会であってもワークショップやディスカッションを行うことをお勧めします

講義形式の勉強会の場合、講師はティーチングスキル(講師から参加者へ知識を伝えるスキル)が必要となるのですが、ワークショップやディスカッションの場合はコーチングスキル(参加者が自ら考えることを講師がサポートして導くスキル)が必要となります。コーチングスキルが必要になるのはオンライン・リアルに限った話ではないのですが、オンライン勉強会はリアルで対面せずに各種オンラインツールを通じて参加者を促す必要があるので、リアルよりもさらに慣れが必要となります。
コーチングスキルはいきなり上手くなるものではないので、場数をこなしてコツを掴んでいくのが良いでしょう。コーチングスキルを身につければ、勉強会に限らず仕事で幅広く活用できるはずです。是非チャレンジしてみてください。

ヒント⑤:アウトプットを残す

Photo by Amélie Mourichon on Unsplash

オンラインの勉強会であっても、アウトプットを残すように意識しましょう。これも学習効果に影響することなのですが、単に参加して見聞きして終わりではなく、手を動かして学習の成果物をアウトプットできるように意識したほうが学習した内容がより身につくと考えているためです。
勉強会のアウトプットと言うと受講レポートのようなものをイメージするかもしれませんが、受講レポートを後から作成するのは時間も労力もかかるので、それよりもワークショップの成果をアウトプットにできるように勉強会の中で参加者が主体的に取り組めるように主催者は促していきたいところです。

そして、オンライン勉強会のアウトプットは参加者内で共有して終わりではなく、会社のチャットやSNSで展開してみましょう。「勉強会でこういうことをやっているんだ」「面白そうだから次は参加してみようかな」と興味を持ってくれる人が居るかもしれません。

このように、セラク・みどりクラウド事業部ではリモートワーク体制下でも各種ツールを柔軟に活用することで定期的にオンライン勉強会を開催し、開発メンバーの知識や技術の底上げを行っています。

面白そうだなと興味を持っていただけたら、リモートワーク下の取り組みや勉強会でどのようなテーマを扱っているのかもご紹介できますので是非お話をしましょう。お待ちしています。

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