AIを駆使する広告代理店が2年後に上場を目指す理由 | 株式会社No.ホールディングス
はじめまして!No.ホールディングスでCFOを担当している徳久です!弊社では、アカウントコンサルタント/クリエイティブディレクターとともに、エンジニア、経営企画、経理責任者、総務担当、上場準備担...
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こんにちは!No.ホールディングスで取締役CFOを担当している徳久です!
当社は、2025年中の上場に向けて、現在上場準備をしています。
よく応募者の方から、上場準備とは具体的にどんなことをするのか?とよく質問を受けますので、本記事にてその説明をしたいと思います。
また、一緒に以下の記事もご覧いただけますと幸いです。
はじめに、用語の説明から始めます。
上場準備:上場審査基準を満たすために社内体制の整備を進めること
上場審査:主幹事証券会社と証券取引所が上場に向けて行う審査のこと を通常は指します。
ざっくり述べると、以下のようなことが発生し、上場後の株主やステークホルダーにご迷惑が掛からないかをチェックするのが上場審査で、上場企業に相応しい体制を整えることが上場準備になります。
もっと詳しく知りたい方は以下をご確認下さい。
(1)SOICO様の記事(上場準備)、(2)アシロ様の記事、(3)東証の審査基準のページ
更にお時間がある方は東証の新規上場ガイドブック(グロース市場編)がお薦めです(189ページ)。
そして、上場審査をクリアをするためには、
上場審査時に以下のような論点に関して、「現時点で制度が整っています」「問題は発生していません」を説明する必要があります。
更に上場審査時点だけではなく、過去から「運用」できていることの証明も必要になります。
【運用の証明】
「1年前からちゃんとできています」
↓
「その証拠に1年前から現在までの帳票をチェックして下さい」
↓
「できてますよね」「だから、上場後も同じようにできて、問題も起こらないので上場させてください」
※運用:制定した社内制度通りに正しく業務を行い、証跡を残せていることを「運用」とIPO界隈では言います。最低半年はちゃんとできている帳票がないと、上場が1年遅れることになります。。。
大きくは、以下の様に分かれます。
(1)業務管理体制の整備
・業務フローをけん制が効いた状態にする(効率的で不正が起きにくい状態)
・各部門の責任・権限を明確化
・ワークフロー(承認)制度を入れる
・法令違反が起きえない仕組みにする
・社内規程の整備(整備した体制を書面化する)
※社内規程とは?
(2)利益管理体制
・予算作成と予実管理
・中期経営計画の作成と更新
(3)会計制度の整備
・ショートレビュー対応、期首監査→済
・早期決算対応
・統制の効いた業務フローへの変更
・会計方針の確定(企業会計に関する法規・ルールに沿った会計制度を確立)
(4)開示体制の整備
・適時開示、法定開示が社内で把握できる体制を整備
・把握した開示対象事項を速やかに情報開示ができる体制を整備
(5)内部統制への対応
・業務が有効且つ効率的で、会計報告が正しく、法令遵守できて、資産が守られる状態にする
・業務記述書、業務フロー、リスクコントロールマトリクス(IT業務処理統制を含む)を作る
参考:内部統制とは?
(6)内部監査制度の整備
・社内規則に従い業務が遂行されていることを検証できる体制を整備
(7)投資家に向けた対応
・IR資料、ロードショー資料などの準備
※その他当社の場合は、株主総会・取締役会議事録整備の体制は整え済み、関係会社整理・資本政策・特別利害関係者等との取引整理などもある程度解決済み。
N-3期(2022年12月期)
上場申請の3期前にあたる直前々(N-3)期には、監査法人からショートレビュー(IPO課題抽出調査)と言って、上場するための予備審査のようなものを受け、指摘された点を解消するように動きます。そして、N-2期の期初から監査法人の監査を受けれるように監査契約(準金商法監査)を締結します。
→当社は締結済みです。
N-2期(2023年12月期→整備/運用期間)
上場申請の2期前にあたる直前々(N-2)期からは監査法人の監査が始まります。
そのため、期初には期首監査、期首固めといって、N-2期の期首残高が正しいかの確認をしっかりと行います。
→当社は対応済みです。
そして、N-2期において、上場企業と同等の社内管理体制の構築を完了させ、「運用」を始めることが必要になります。
N-1期(2024年12月期→試運転期間)
1期前にあたる直前期には、上場企業としての適格性の審査が行われます。
N-1期は、上場企業としての試用期間のようなもので、社内のさまざまな制度の構築や整備を完了させておくことがマストで、それを期首からしっかり運用している帳票を残しておくことが必要になります。予算計画の精度なども上場後の業績予想ともリンクする部分があるため、しっかり確認を受けることになります。
N期(2025年12月期→本格運用期間)
上場申請期は「N期」と呼ばれ、「上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」やグロース市場のⅡの部に該当する「新規上場申請者に係る各種説明資料」等の申請書類のドラフトを作成した上で、主幹事証券会社の引受審査部による審査が始まります。
また、証券の審査を通過後、証券取引所に上場申請→取引所の審査→怒涛の如くの質問回答で事務処理能力を確認され→無事審査を通過し、上場承認→公募・売出しなどのファイナンスに関する資料作成→晴れて株式上場(IPO)を達成と、目まぐるしい時期になると思います。
(一緒に鐘を鳴らしましょう!)
上場後は
上場してちょっと休憩したら、すぐに次の決算短信や四半期報告書、初の株主総会が控えていると思います。そのため、一緒に開示資料などが楽に作成できる体制を事前に整えておきましょう。
上場準備の項目は、上場する・しないにかかわらず、成長する企業のために必要な項目ばかりです。
また、関係した社員にとっても数年で考え方やスキルが大きく成長するチャンスでもあります。上場準備を「企業成長を加速させるための施策」と捉え、一緒に成功へと繋げていきましょう!