関東支店工事課 松本 陽子
新発田建設の若手社員として、日々着実に歩みを進める松本さん。現在は関東支店で、新卒五年目にして複数の建築現場を支えるバックオフィス業務に従事している。大学で建築を学び、現場監督としての経験も積んだ彼女のキャリアは、現場のサポートにフル活用されている。そんな松本さんのこれまでの歩みと現在、そして未来への想いに迫る。
「現場に立っていないけど、誰かの力になれてる実感がある」
関東支店でバックオフィス業務を担う松本さんは、新卒5年目で複数の建築現場を支える存在だ。施工図のチェックや申請書類の作成など、現場監督が抱える業務の一部を引き受けることで、現場に集中できる環境づくりを支えている。現場監督としての経験を経たそのキャリアは、現場支援の現場で今も活かされている。
高校時代に見つけた「支える側」の心地よさ
松本さんが“人を支える”という価値観に気づいたのは、高校時代にさかのぼる。
「本当は弓道がやりたくて進学したんですけど、初期費用を知って断念しました。たまたま水泳部のマネージャーを募集していて、入部したんです」
表舞台よりも裏方で力を発揮する。その心地よさに気づいた経験が、ゼネコンを志すきっかけの一つになっているのかもしれない。
「数学は得意だったけど好きじゃなかった」進路の選択
大学の進学先を決める際も、周囲の推薦とは違う道を選んだ。
「数学はずっとトップだったんですけど、全然好きじゃなかったです」
高校の先生には数学科を勧められていたが、選んだのは幼少期から興味があった建築や土木の分野を学べる日本大学の理工学部まちづくり工学科。コロナ禍で現地調査に行けず、研究ではアンケート集計が中心だったが、学びを通して「土木より建築が自分に合っている」と感じたという。
「東京を出たい」──新潟志望から関東支店へ
就職活動では、地元新潟に目を向けた。
「東京を出たかったんです。でも、すぐ帰れる距離がいいなと思って、新潟を選びました」
入社後に家庭の事情で新潟配属を辞退したところ、会社側から関東支店の提案があり、その柔軟な対応が入社の決め手になった。
「社長と専務のオーラがすごくて、面接では正直ちょっと怖かったです(笑)。でも実際は皆さんすごく優しくて、雰囲気も良かったです」
バックオフィスで支える現場
現在は、バックオフィス業務として躯体図や平面詳細図、木枠図、サッシ図といった各種制作図のチェックに加え、リサイクル届や振動届など行政への申請書類も担当している。
「多いときは5現場持ってました。現場も見て図面も見るから、図面の精度も上がると思います」
現場経験があるからこそ気づける視点もある一方で、現場を離れて久しいことで感じる課題もあるという。
「“これはこうしないとまずい”っていう判断は、やっぱり現場経験が必要。毎回所長に確認してますけど、聞いて覚えるのと体験して覚えるのって全然違うんです」
これからの人生と、働き方への想い
「今でも現場、めっちゃやりたいです。でも今は結婚式前で日焼けしたくない(笑)」冗談めかしながらも、将来的には出産や子育ても見据えて「正社員として働き続けたい」と語る松本さん。制度や体制への提言も、前向きな期待の裏返しだ。
「大学時代の同級生が就職した会社と比較すると、リモートワークも現状は認められていないので、働き続けるにはまだまだ制度として整える白地はあると思います」
「でも、うちの会社は人が本当にいい。私は入社してから関東支店でしか働いたことはないですが、セクハラもパワハラもないし、みんな寄り添ってくれる。だからこそ、働き方がもう少し柔軟になれば、もっと良くなると思うんです」同僚や組織への想いを語る松本さんは、学生時代の友人にも会社を『推す』ことがあるという。
「働く環境、特に人間関係はとても重要だと思います。大学時代の同期で同じゼネコンに行った友人が悩んでいると、いつも『うちに来なよ』と言ってます」
諦めた夢と、今のやりがい
かつては「自分の家を設計して建てる」ことが夢だった。建築士試験にも挑戦したが、一次試験は通過したものの、二次試験は2度落ちてしまった。
「お金的にも時間的にももう無理だなって。家を自分で建てるのは諦めました」
所長になる夢も「今の立場では難しいかもしれない」と言いつつ、今の仕事には確かなやりがいを感じている。
「今やってることは、自分にとってすごく心地いい。現場じゃないけど、役に立ってるって感じられる」
そして、会社のこれからにも期待している。
「“次の時代に選ばれる会社”になるには、やっぱり技術力が必要。あと、お給料もちょっと上がったら、もっと選ばれやすくなると思う(笑)」
自分らしく働きながら、次の時代を支える
誰かを支える仕事に誇りを持ち、自分らしい働き方を模索しながら、一歩ずつ前に進む。松本さんの姿は、まさに“次の時代を支える人”の在り方を示している。