関東支店工事課 所長 渡辺 眞一
本社と同じ“ものづくりへのこだわり”を貫く、新発田建設唯一の県外拠点・関東支店。数々の現場で、現場所長として信頼を重ねてきた渡邊眞一さん。地元・胎内で芽生えた憧れを胸に、横浜の大型プロジェクトから都心の複雑な工事までを乗り越え、いま若手育成にも力を注いでいる。「与えられた現場をこなす」から、「自分で現場を動かす」へ。次の時代に選ばれる会社を、自分たちの手で形にしていく、その覚悟に迫る。
幼少期から抱き続けた「ものづくり」への憧れ
新潟県胎内市。チューリップの名所としても知られるこの町で、渡辺眞一さんは幼少期を過ごした。
左官業を営んでいた父の背中を見て育ち、幼稚園の卒業文集にはすでに「大工さんになりたい」と書いていたという。
「中学・高校の夏休みには、父の現場を手伝っていました。型枠を運んだり、コンクリートを打込んだり、地道な作業が多かったですが、現場の空気に触れるのが楽しかったですね」
自然と芽生えた“ものづくり”への想いを胸に、浪人を経て栃木県の足利工業大学・建築学科に進学した。
地元への想いと、新発田建設との出会い
大学卒業後、渡辺さんが選んだのは地元・新潟に戻るという道だった。
「県外に進学して、外の世界を知ったからこそ、改めて地元の良さを強く感じました。ずっと新潟で働きたい、そんな思いがありました」
そんな中で出会ったのが、新発田建設だった。父親の知人からの紹介がきっかけだったが、地元で建設に関われるというだけで十分な理由になったという。
「正直、最初は新発田建設のことを詳しくは知らなかったんです。でも、地元で建設に携われる。それだけで十分でした」
転機となった関東支店配属 初めて味わった「現場を動かす」面白さ
入社後しばらくは新潟で現場経験を積んでいたが、30歳を目前に関東支店への異動を命じられた。
「最初は不安もありました。でも、同時に“成長したい”という気持ちも強くありました」
配属先は横浜市内の大型ショッピングモール建設現場。60億円規模のプロジェクトで、自身が一部の工程管理を任されることになった。
「これまでの現場では、言われたことをやるだけ。でもここでは、自分で工程を考え、職人さんを動かし、現場を動かす。初めて“現場をつくる”面白さを実感しました」
多くの若手が通る“指示待ち”からの脱却。“考え、伝え、動かす”という経験を通して、渡辺さんは“作業者”から“現場をつくる人”へと視点が変わっていった。現場の一つひとつが、自分自身の表現になりはじめた。
指名で任された「真生会館」プロジェクト
関東での経験を重ねる中でも、特に印象に残っている現場がある。それが、東京都信濃町に建てられたカトリック系施設「真生会館」の新築工事だ。
「設計士の先生から“渡辺さんにお願いしたい”と指名をいただいたんです。それが本当に嬉しかったですね」
設計段階で細かく決まっていない部分も多く、設計士と現場で議論を重ねながら進めていくプロジェクトだった。隣地でも別の大規模工事が同時進行しており、調整の難しさも伴った現場だったという。
「図面にないことを一緒に考えて形にしていく。設計士の想いに応える難しさとやりがいを強く感じました」
与えられた図面を形にするのではなく、設計段階から建築の一翼を担うというやり方。そこには“任されることの重み”と“信頼の責任”があった。
「次の時代に選ばれる会社」を、自分たちの手で
新発田建設が掲げる今期のスローガンは、「次の時代に選ばれる会社になる」渡辺さんはこの言葉を、自分自身への問いとして受け止めている。
「今までは与えられた現場をこなすだけでした。でもこれからは、“自分がどう会社や地元に貢献できるか”を考えていかないといけない。会社のためでもあり、自分自身のためでもあります」
現場所長として、若手の育成にも力を注ぐ毎日。「自分のこととして考え、動く」面白さを、次の世代にも伝えていきたいと語る。
「例えば、売上目標10億円というのがあって…自分が携わっている現場が3億円だとしたら、毎日の積み重ねで5万円、10万円でも利益を上げることが、支店全体の目標に繋がっている。そういうふうに“自分のこと”として仕事を捉えていってほしいし、そう思える人に育ってほしい」
目の前の作業が、遠くの数字とつながっている。その実感を持てる人材が増えることこそ、“次の時代に選ばれる会社”を形づくる力になる。
「どんな現場も、必ずやりがいがある」
最後に、これから新発田建設を志望する人へのメッセージとして、渡辺さんはこう語る。
「この仕事は、大変なことも多いです。けれど、完成した時に“自分が関わった建物がここにある”という誇りは、何にも代えがたいものです。若いうちは失敗しても大丈夫。自分で考え、動く。それを支えてくれる仲間と環境が、新発田建設にはあります」
どんなに時代が変わっても、建物は人がつくるものだ。だからこそ、人が育ち、想いを受け継ぐこの会社には、次の時代を選ばれる理由がある。