建築部工事課 次長 石井 誠
新発田建設に入社して35年。現場を知り尽くし、多くの仲間とともに歩んできた石井さん。業界が変化する中で、新発田建設が「次の時代に選ばれる会社」であるために必要なものは何か。これからの組織と自身の役割について語ってもらった。
普通科出身の学生が建設の道へ
実家が建築業を営んでいた影響で、幼い頃から建設の仕事に親しんでいた。木造住宅に囲まれて育ちつつも、RC造や鉄骨造の大きな建物に惹かれるようになり、自然と建築の道を志すことに。
高校は普通科に進学したが、建築を学ぶために4年制大学の建築工学科へ。卒業後の就職活動では、いくつかの会社を見て回った。
「3社ほど会社訪問をしましたが、新発田建設は必要以上に飾らず、質実な印象を受けました。学生課の先生から『新発田建設は地元で建築に強いゼネコンだし、年間160億の売上があるから安定している』と紹介されて、最終的にここを選びました。」
同期たちの選択
プロパー社員として、これまでに多くの案件を手掛けてきた。やりがいも大きい一方で、働き方にはハードな一面があるのも事実だ。しかし専門的な知見や能力は様々な形でキャリア形成に活かされていると石井さんは考える。「新卒で入社した当時、同期は12人いました。現在も残っているのは数人ですが、それぞれが自分なりの道を選んでいます。建設業界は当時、今以上に時間外労働や休日出勤が多く、働き方の面で悩む人もいたのだと思います。でも、辞めた人たちがみんな業界を去ったわけではありません。半数以上は建設業に残っていて、ゼネコンの協力会社として関東に行ったり、独立して事業主になったりしています。」
選択肢は一つではない。実際、刑務官に転身した後輩は、建築士の資格を活かし、刑務所の施設管理部門で建築関連の仕事をしているという。
「結果的に建設の経験が活かされているのは良かったですね。」
残る「悔しさ」と「責任」
「辞めていった仲間がもっと残っていたら、今よりいい会社になっていたかもしれません。でも、辞めていった理由を考えると、待遇や働き方の問題は無視できません。」
新発田建設では、スーパーゼネコンとJVで手がけた病院建設や市庁舎等の大規模案件にも携わってきた。新発田市の近隣エリアである旧豊栄市、旧水原町、聖籠町、旧黒川村などの案件にも携わってきた。県内でも挑戦できるフィールドは広がっている。
「新発田建設では、県内でも大きな現場を経験できます。上司との距離も近く、意見を聞いてもらえる環境もあります。だからこそ、これから入社してくる人たちには、もっと長く働いてもらいたいです。そのためには、育成や働きやすい環境を整えることが必要だと感じています。」
育成の重要性 「教えられる管理職」の必要性
「新人教育も大事ですが、それ以上に管理職を育てないといけません。現場を任せる人間が増えなければ、どんなに優秀な若手が入っても成長しづらいです。」
OJTは業界の基本だが、経験者が減る中、ただ仕事を覚えるだけでは足りない。指導できる人材が求められる。
「60歳を超えたベテランと一緒に現場を経験することで、歴史やノウハウを引き継ぐことができます。でも、5年後にはそうした人たちもいなくなります。今のうちに学んでおかないと、貴重な技術が失われてしまいます。そうならないように、現場での育成をもっと意識してやっていきたいです。」
育成は、単に技術や知識を伝えるだけではなく、若手が目標とする上司の存在が不可欠だ。ロールモデルとなる管理職が増えなければ、成長の指標を持つことも難しい。
「若手が『こういう所長になりたい』と思えるような人を増やしていくことが大切です。」
DXの進化と新発田建設の強み
「昨年、新発田建設を辞めた社員が県内の大手ゼネコンに転職したのですが、驚いていました。『新発田建設の方がDXが進んでいる』と。」
大手ゼネコンでもDXの導入は現場ごとに異なり、統一されたルールがないことも多い。一方、新発田建設ではグループウェアや施工管理システムを積極的に活用し、現場の効率化を推進している。
「大手だから進んでいるわけではありません。むしろ、新発田建設の方が柔軟に新しい技術を取り入れている部分もあります。これは誇れることだと思います。」
これからの組織と資格取得支援
「有資格者がどんどん減っていく中で、資格の重要性をもっと伝えていかなければなりません。ただ資格を取るだけではなく、それを活かせる環境を作ることが大切です。」
新発田建設では、資格手当の支給をはじめ、若手が勉強しやすい環境づくりに力を入れている。
「勉強時間の確保や、金銭面のサポートをもっと手厚くするべきだと思います。現場のスケジュールを調整して、資格取得を優先できるような仕組みがあれば、もっと多くの人が挑戦できるはずです。」
求める「仲間」像
「受け身ではなく、自分から積極的に動く人と働きたいです。」
体育会系の環境で育ち、自ら学び、考える姿勢を大切にしてきた。
「自分の考えを持って意見を言える人がいいです。最初は何も分からなくても構いません。でも、『どうしてこうなるんだろう?』と疑問を持って、どんどん質問してくれる人。そういう人が成長できる環境が、新発田建設にはあります。」
ただ働くだけではなく、成長し続けるための環境がここにはある。「次の時代に選ばれる会社」として、新発田建設は進化を続けていく。熱意を持って挑戦したい人にとって、ここは最適なフィールドになるはずだ。