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右肩上がりのオンライン診療
新型コロナウイルスの流行に伴って、近年オンライン診療が拡充してきています。実際に、新型コロナウイルスの流行前にはオンライン診療に対応している病院の割合がたった約5%でした。しかし、流行後には約15%にまで増えています。
さらに、オンライン診療の国内市場規模は2018年時点で123億円でしたが、2024年には199億円、2030年には292億円との試算が出ています。
しかし、その普及の陰では安全かわからないオンライン診療サービスが存在しているのも事実です。このようなサービスには、安全で優良なものとそうでないものがあることを頭の片隅に置いておかなくてはなりません。
問題のあるオンライン診療の例
オンライン診療サービスの多くは優良なものですが、一部には違法または法律違反ギリギリのサービスがあります。また、自由診療である事を利用して、診察代や薬代を高額に設定している場合もあります。
また、オンラインピル処方等のサービスに関しては、薬の処方が治療の「手段」ではなく「目的」化しているという現状もあります。
素人によるオンライン診療
オンライン診療の中には、医師や医療機関以外の業者が薬を販売しているものもあります。ですが、これは勿論違法です。また、医療機関を介さずに株式会社がオンライン診療を提供しているケースも少なからず存在しています。このように、医療ライセンスを持たない人が診断を下したり、薬を処方しているという危険な状態が一部のサイトでは起こっているのです。
オンライン診療は高いのか
オンライン診療は、保険診療ではなく自由診療です。そのため、診察を行うクリニックが独自に診察料・薬代・薬の配送料などを設定することができます。これを利用して、相場よりも高い金額が設定されているケースが時折あります。
また、最近話題のオンラインピル処方は、足を運ぶにはハードルの高い産婦人科に行かずともピルの処方を受けられるとのことから非常に人気です。しかし、ピルの購入が避妊のためなのか、または月経困難症や子宮内膜症などの治療のためなのかに関わらず、たいていは保険適用外となってしまうのが現状です。この場合は、病院・クリニックで直接診断を受ければ保険適用が効くケースでも、保険無しでの料金となってしまいます。
薬の処方の「目的化」
オンライン診療の目的は、あくまでも症状の原因を突き止めて治療し、その症状を改善することにあります。しかし、オンライン診療サービスの中には診断して薬を処方することが目的というスタンスのものがあります。ですが本来は、診察を通して利用者に深刻な症状が見受けられる場合、薬を処方する前に医師による対面診察や検査を促すべきです(勿論そのような対応をしている院もあります)。にも関わらず、オンライン診療をビジネス化するために、薬を処方する事が手段から目的へとすり替わってしまっているケースがあるのです。
オンライン診療の健全化へ
オンライン診療業界は、新型コロナウイルスなどの影響を受けて、ここ数年で急激に発展した業界です。故に、法整備や世間の体制が追いついておらず、上記の点で怪しいオンライン診療が散見されるのが現在の状態です。
ですが、怪しいものは一部に過ぎません。診察が対面かオンラインかに関わらず、一番大切なのは利用者の健康を守ること。その精神の元、多くのオンライン診療サービスは医師や医療機関と提携し、優良な商品を提供しています。そのため、オンライン診療を利用する際には、そのオンライン診療サービスやオンラインピル処方サービスが信頼できる適切なものかどうかを見極めることが大切です。