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Flora株式会社の松本です!今日はCOOの髙田にインタビューしました!
髙田が入社したきっかけや、男性という立場でなぜFemTechに興味を持ち、どのような社会を目指すのか話してもらいました!
※この記事における性別の表現はあくまで生物学的な区別です。
FemTech企業の男性事情
松本:
FemTech企業の方は、分野的にどうしても女性が多いイメージなんですが、実際どうなんでしょうか?
髙田:
おっしゃる通りです。例えば、展示会に行っても男性は僕を含めて10名に満たないことが多いです。
松本:
どうして『男性』が少ないと思いますか?
髙田:
FemTech企業の社長のお話を聞く限り、ご自身の体験に基づいて起業される方が多いと感じます。会社の理念などはその体験に寄っていくので、当事者でないと共感できない理念になっているケースが多いのではないでしょうか。
Floraのビジョンは共感しやすかった?
松本:
なるほど。じゃあ、Floraのビジョンはどうですか?
髙田:
Floraの場合はアンナ(代表)の体験がベースになっていますが、最終的なビジョンがかなり広く、男性にとっても利益が明確にあることなので、とても共感しやすかったです。
Floraは「女性のライフステージに寄り添ったエコシステムの構築」を実現し、健康課題などに悩む女性だけにアプローチするのではなく、女性がさらに活躍することでGDPの上昇や企業の業績向上を目指し、男性も含んだ社会全体の発展を目指しています。
松本:
確かにFloraのビジョンは男性でも共感しやすいかもしれませんね!
ちなみに髙田さんは入社する時、どういう流れで入社したんですか?
髙田:
まず「女性の社会進出」というテーマに興味を持って、その後に入社しました。
どうして女性の社会進出に興味を持ったの?
松本:
そうなんですね。もう少し詳しくお聞きしてもいいですか?
髙田:
もちろんです!僕の場合、3つの大きな転換点がありました。
ちょっと昔にさかのぼるのですが、高校生の時にお付き合いしたパートナーとの思い出がベースとなっています。当時の僕は、机上の性教育しか受けていなかったので、女性特有の症状はもちろん、生理なんてこの世に存在するのかすらよくわかっていませんでした。
パートナーの女性はとても生理痛が重く、PMSの精神症状も激しい方でした。そのため、学校を良く休んだり、喧嘩が絶えませんでした。当時のパートナーは、生理のせいで不調になっていると度々教えてくれましたが、無知だった僕は「この人はただ精神が弱くて不安定なだけだ」と決めつけて、全く寄り添おうとしませんでした。今でもすごく後悔していますし、この体験は今の自分のベースとなっています。
次に、大学で「フェミニズム」を学んだことがきっかけでした。日本でフェミニズムというと近寄りがたい雰囲気があると感じています。理由としては、フェミニズムを誤って理解し、過激な発言を繰り返している声の大きい方々に、世間が着目してしまったからだと考えています。実際に、僕も大学生になるまではネガティブな印象を持っていました。
松本:
確かに。たまに過激的な発言を目にして、強烈にその印象が根付いてしまって間違った知識が根付いてしまうことがあります。それはとても悲しいことですね。
髙田:
そうですね。新しい概念にはつきものだと思うのですが、しかたないと放置してしまうことは絶対にしたくないです。そう思わせてくれたエピソードとして、、、
塾の講師として働いていた時、AO入試対策でフェミニズムやジェンダーをテーマに研究・活動をしている生徒たちを担当する機会がありました。彼らを教えるために、論文や英語の文献なども読んで学び直したところ、初めて「学術的なフェミニズム」を知り、衝撃を受けました。
世間一般のフェミニズムと、学術的な意味では大きく異なっていたからです。
(※後日、学術的なことも併せて記事にしてまとめます!)
学んでいくうちに、客観的なデータを用いて性差別や男女格差、性暴力などの実態が分かり、生まれた性別によって選択肢や権利が大幅に制限される社会に対して熱烈な怒りが芽生えました。そして、男性の僕でも何かできないかと思い、女性の社会進出に貢献する活動をしたいと考えるようになりました。
松本:
髙田さんは、すごく真摯に女性課題に対して向き合ってますね。結構センシティブな話題で男性は忌避することが多いのですが、これほど深く学んで行動されている方はいなかったなぁと。。。
髙田:
無知だった自分の羞恥と後悔を払拭したい気持ちもあって、気づいたら動いていました。
松本:
いや、すごいですね。髙田さんの新たな一面が見れました!
女性の社会進出に貢献する方法を発見
髙田:
で、もう一つのきっかけは、たまたまアンナに声をかけてもらったことです。アンナとは元々友達で、ある時、アンナの起業活動やちょうど人材を募集していることを話してくれて、誘ってくれたんですが、一度お断りしたんですよね。
松本:
意外です。なんですか?
髙田:
当時、僕は女性の社会進出に貢献する取り組みに参加したいと考えていたんですが、Floraはヘルスケア領域ですので、自分には遠い世界だと感じてしまって。。。でも家に帰って色々と考えていたら、急に高校生時代の経験がフラッシュバックしたんです。自分が無知で彼女を支えられなかったこと、実際に女性特有の症状のせいで著しくパフォーマンスが低下する女性がいたことを思い出しました。
女性特有の症状を緩和し、パフォーマンスを上昇させることで、生産性や労働可能時間が向上すれば、ジェンダーバイアスが縮小し、女性が生きやすい社会になることに貢献できるって思い立って。。。で、すぐにアンナに連絡しました!
苦労した入社後
松本:
なるほど…!とは言え、入社直後の髙田さんは女性の健康に関する知識がまだそんなに無かったと思います。その辺りの苦労とかはどうでしたか?
髙田:
とても苦労しました。知らない単語だらけですし、そもそも月経とか妊娠の仕組みを知らなかったですし、FemTechで使われる単語は横文字なのに英単語の意味と関連したりしていないので、ビジネス用語を覚えるよりも、女性の健康に関するホルモンの名前を覚える方がずっと大変です(笑)。
ですが、僕の場合は特に営業やプレゼンをして他社に伝える機会が多かったので、そんな弱音は吐いてられません。プレゼンスライドを勉強しながら作成して人に話すというのを繰り返していたら、あっという間に女性の健康について詳しくなれました。
松本:
確かに髙田さんは私よりも詳しくてびっくりします…(笑)。
そんな髙田さんに聞きたいんですけど、男性ならではの視点で、FemTechを通して実現したいこととかってありますか?
FemTechという言葉を無くしたい
髙田:
ありますよ!
まずは男女の軋轢がない女性活躍を推進したいです。今の日本の女性活躍は、単純に管理職割合だけを増やせばいいという風潮があると感じます。一方で、生理に関する症状や更年期症状、或いは不妊治療や育児といった課題とキャリアの両立に苦しむ女性はとても多いです。この両立が出来る環境を整えないまま、女性の管理職割合を増やしたり、採用数を増やすのは女性にとっても負担ですし、企業にとってもどうしても負担になってしまいます(労働時間や勤続年数が短い人材の採用率を増やすのは大変)。この負のスパイラル状態で女性活躍を推進すると、男性は「女性を贔屓してる」という感情が生まれ、男女の軋轢がより深まる可能性も高いです。僕はこうした政策は、数年後に崩壊する要因を含むと危惧しています。
このようなやり方ではなく、まず女性が健康課題とキャリアを両立出来る環境を整え、その上で管理職割合や採用率などを検討していくのが妥当な順番だと考えています。Floraのデジタルヘルスケアソリューションを通して、その環境づくりを行いたいです。
次に、FemTechサービスの消費者を男性にまで広げ、FemTechという言葉がなくなる未来にしたいと考えています。政治は政治を無くすために必要、とよく言いますが、FemTechもそうではないでしょうか。
男性が消費者になることは、それだけ国民全体のヘルスリテラシーが上がり、女性の健康課題を社会全体の課題として社会が捉えている象徴になります。女性の社会進出は女性だけに恩恵が行くという意味ではなく、社会全体にとっても有益であると理解できるのは大きな財産ではないでしょうか。
男性をターゲットにするために、まずは福利厚生サービスを作って男性の管理職も使えるサービスを確立させます。将来的には2C(個人向け)でも男性が何かを購入するモデルが作れたら、一つのゴールを達成したと感じます。
松本:
FemTechの消費者を男性に広げる…面白いですね!一緒にそんな未来を実現できることが楽しみです!
ありがとうございました!
髙田:
こちらこそありがとうございました!