2021年10月に当社は創業10周年を迎える事ができました。これを機にちょっと今までを振り返って、創業から今までのストーリーを書いてみたいと思います。
当社は、立ち上げ時から一貫して「頑張っているエンジニアが正当に評価される」会社を目指しています。これはSES業界固有の特徴なのかもしれませんが、大小さまざまな会社が多く業界に参入していると、やはり会社の色によって特徴や強みもそれぞれ異なり、エンジニアは入社する会社、参画するプロジェクトによって、その先のキャリアが大きく変わってくるというのは間違いないと思っています。
10年以上前、私は幸いなことにエンドユーザー側、ベンダー側、どちらの立場もエンジニアとして経験する事ができましたが、SESのプロジェクトでは業界特有の問題などで、頑張っているのに給与や待遇面などで報われていない人たちを数多く目の当たりにしてきました。(今ではフリーランスという生き方もメジャーになっていますが、当時は誰でも、、、という感じではなかったです。)
のちのち幾つか勘違いしていたと気付いた部分もあるのですが、頑張っている人が報われるような業界にしていきたい、まずは少なくとも私の身の回りの人たちが幸せに働けるようにしたい、と思い立ち上げたのがITPMとなります。
最初はほんの数人で始まった会社ですが、特別に資金があった訳でも、業界内にコネがあった訳でもなく、全てを手探りで進めて行ったので軌道に乗るまではかなりの地獄でした。レンタルオフィスを借り、私を含めた全員がエンジニアとして客先常駐し、業後にオフィスへ戻り終電まで仕事、、、みたいな生活が1年くらい続きました。
人が増えないといつまで経ってもこの生活が続いてしまうので、採用を始める訳なのですが、幾ら志があっても社員数が少ない会社というのは怪しく見えるもので、最初は全く人が集まりませんでした。そこで、あの手この手で知り合ったエンジニアに「やりたい事を実現できる会社」こそが「頑張るエンジニアを応援する会社」だという事を懇切丁寧に説明し「皆がやりたい事を実現しよう!」という方針で徐々に社員数を増やして行く事に成功しました。
そうして順調に社員数が20名くらいになった頃でしょうか。思わぬことが起きるようになりました。インフラ運用保守から設計構築に行きたいと言っていたエンジニア、テスターからプログラマーになりたいと言っていたエンジニアに希望を叶える案件を何とか取ってきたところ、入場早々に潰れてしまうという事が連続して発生したのです。
それと時を同じくして、あそこの現場は遠いから行きたくないとか、もっと単価の高い現場に行きたいとか、業務内容が面白くないから案件交代したいとか、それはちょっと我儘では!?というような声がエンジニアから聞こえてくるようになり、ひょっとして「エンジニアのやりたい事」をそのまま実現するというのは非常に危険な事なのかもしれないというように思えてきました。
つまり「エンジニアの希望をそのまま叶えること」が必ずしも「エンジニアの幸せにつながる」訳ではなく、きちんと希望を精査して、実現できる事、できない事、できないのであれば、どうすればそれを実現できるのかを具体的に提示する事が何よりも重要だということに気付きました。例えば、業務レイヤーを上げるのであれば、そこで想定される負荷やハードルといったものを予め提示しておき、対策のメドをつけてからプロジェクトに臨む、、、といった具合です。
言い変えると、社員数を増やすことにばかりに気を遣っていたので、エンジニアのやりたい事を全て鵜呑みにしてしまい、その結果、対策もしないまま実力以上の案件に参画させてしまったり、自分の希望が何でも通る会社なのだとエンジニアに勘違いさせてしまうような対応をしていたのに気付いてしまったという事でした。
希望と我儘というのは紙一重みたいなもので、受け取り側がどう捉えるかによってその境目は変わって来ます。本人はいたって真面目に希望を言っているのに、会社側は我儘と捉えてしまうという話というのはどこの世界でもあると思いますが、最終的には価値観みたいな話になってくるので、ベテランのエンジニアになればなるほど話がこじれて、何のためにこの会社を立ち上げたんだっけ、、、みたいになった時期がしばらく続きました。
要は同じエンジニアでも文化の全然違う会社で過ごしていると、その年数が長ければ長いほど、価値観を変えて行くのが難しいという事実にぶつかってしまい、メチャメチャ悩んだという話ですが、結論としては「あなたの希望を叶えます!」的なコンセプトでエンジニア経験者を採用するのは止めにしようという方針を打ち出すことにしました。
それと同時に、一番会社にフィットしているのはエンジニア未経験で入社していた人たちだという事、恐らくその理由は経験が無い故に、あれこれ言わずに積極的にプロジェクトに取り組む前向きな姿勢があるという事、実際に我々も未経験の人たちを育成している時が最もやりがいを感じるという事に気付き、そうであればもう振り切って、ITPMという会社を「エンジニア未経験者の登竜門」となるような会社にしようと決めたのでした。
未経験の人たちをプロジェクトアサインするためには、相当の営業努力をしなければならないのですが、先輩社員が実績を出し、お客様から信用をいただき1人増員する、、、みたいな事を愚直に繰り返してきた結果、今では社員数150名近くまで成長を遂げる事ができました。
ただこれはITPMの成長プランのほんの序章にしか過ぎません。我々の考えるエンジニア育成プランを強化すればするほど、当社は大きく成長して行くことができると思っています。
正直なところ、会社がこれから成長して行くに際して、若手に対して良い影響を発揮できる経験豊かなエンジニアがもっといると心強いので、これからIT業界で頑張りたいと思う未経験者の方だけではなく、この記事をご覧になって共感いただける様々な方に広く門戸を開きたいと考えております。
また、そのエンジニアを支えるバックオフィス、営業職、採用担当者なども積極的に募集していますので、ご興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ一度話を聞きに来て頂けると幸いです。
次の10年、一人でも多くの人にエンジニアとして幸せになって貰うために我々はまだまだ頑張ります。ストーリーも順次追加して行きますので、これからの当社にご期待ください!