創業から13年、10月で設立10期目を迎えた株式会社バルクオム。創業当初から「メンズスキンケアブランド世界シェアNo.1」というMISSIONを掲げ、市場の開拓と「メンズビューティ」という文化の浸透を実現すべく、さまざまな挑戦を続けてきました。
今回は、メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」の創業者である代表取締役CEO 野口(以下、野口代表)に、子ども時代の思い出から創業前のエピソード、そして現在に至るまでの軌跡を伺いました。
子どもの頃のご自身を振り返ると、どんな性格だったと思いますか?
ひょうきんな性格だったと思います(笑)
ただ、子どものころから「偉業を成し遂げたい」とか「大きな発明をしたい」といった野心的な気持ちを持っていました。
また、本を読むことが好きで、小説からビジネス書までジャンルを問わずさまざまな本に触れていました。寮生活でできることが限られていたからこそ、知見を高め、考えを巡らす時間が自然と増えたんだと思います。
そうだったんですね。それが起業にもつながっていると…。
そうなんです。
大学まで進学しましたが、「このままぬくぬくしていてはいけないな」と考え、早い段階で中退して起業しました。
本を読むことも好きでしたが、パソコンオタクでもあったため、それを生かして最初はホームページなどのWEB制作会社を立ち上げました。
また、事業をよりスケールさせるために、自社サービスの観点から電子書籍のiOSアプリをリリースしました。当時は日本で初めてiPhoneが登場した時期で、「この波に乗れば事業が伸びる」と考えたんです。
実際に無料アプリのランキングでは上位に入り、少しずつ認知も広がっていましたが、この事業はほどなく撤退しました。
有料化した途端、全然ダメだったんです。
無料でも広告収入で収益は出ると思うのですが、どうして有料にしたんですか?
当時はアドネットワーク(=運用型広告の一種)がなかったからです。
アルバイト含め4、5人体制で運営していたのですが、アプリランキングに載っても収益が出ず、採算が取れませんでした。
今でこそ電子書籍は課金要素が強いコンテンツだと思いますが、なぜ有料アプリでは難しかったのでしょうか?
著作権が切れている作品を扱っていたので、今ある電子書籍アプリのように新作を出すようなインパクトは出せませんでした。少人数だからこそ、コンテンツの量にも限界があったため、気づいてもらえないし、規模も出ないしで、結構難しかったです。
電子書籍事業を畳んだ後は、飲食店の経営など、いくつか新しい事業に挑戦していきました。
その中でなぜ、男性用化粧品業界に挑戦しようと思ったのですか?
自分が全く知らないジャンルで挑戦しようと思ったからです。
これまでは自分が詳しいドメインの中で、事業を立ち上げ戦ってきました。
自分が食べていけるだけの収益は出せても、得意領域だからこそ、今までの経験や固定観念が邪魔をして、子どものころから抱いていた「偉業を成し遂げたい」という思いは叶えられていなかったと思います。
グローバルで通用する技術がこの日本にあり、日本でやる意義がある。かつ先行者メリットを取れる事業は何か。そう考え抜いた結果、最終的にたどり着いたのが“男性用化粧品”でした。
創業当初から今まで変わらないことは何ですか?
“一企業・一ブランド”にはこだわっています。
売上が出始めた会社ほど、リスク分散の観点からコングロマリット化(多角化)しやすいと思っています。それはある意味、「事業への自信のなさ」の表れであると感じていて…
また、別視点では、新規事業に投資するよりも、伸びる事業一本にリソースを集中させ、成熟期まで持っていく方が投資効率が高いとも考えています。
そして「グローバルブランドになる」というのは、企業当初から変わらないこだわりです。
創業から10年以上が経った今でも、あきらめてはいません。道のりは長いですが、ブレずに挑戦し続けたいです。
バルクオムと同規模の会社は、カテゴリに応じてブランドを出すことが多いと感じます。シャンプーならブランドA、洗顔料ならブランドBのような感じで…。
確かに、カテゴリごとにブランドを立ち上げ、世界観を分けている会社は多いですよね。
ただ、バルクオムは「BULK HOMME」という“ひとつのブランド”を大切にしている会社なので、あえて分けないようにしています。
ブランドをひとつ浸透させるだけでも、実はものすごく大変なんです。
もし複数ブランドを展開するとなると、ブランドの人格やトーンに合わせて戦略を変えなければいけない。
今のリソースで対応するには頭の切り替えが難しくなりますし、かといって人やコストを増やすと、それこそ投資効率が悪くなってしまうかもしれません。
だからこそ僕は、「BULK HOMME」というブランドを丁寧に育てていきたいと思っています。
逆に創業当初から変わったことは何ですか?
自分自身が変わったことですね。
バルクオムを創業したのが23歳のとき。その頃の自分は本当にイケイケだったんですよ(笑)
仕事もハードにやっていましたし、「誰もやらないなら自分がやる!」「仕事が終わったら仲間と飲みに行く!」という日々でした。
そこから自分のライフステージが変わり、“自分が頑張る”から“組織で勝てる”へと意識が変わっていったのが2018年ごろ。
どうしたら社員同士が切磋琢磨できる会社になるのか。部署編成から採用まで、組織を強くするための仕組みを考えるようになりました。
組織として強くなると、よりスケールの大きいことに挑戦できたり、これまでにないアイデアが飛び交ったりしますね。 バルクオム、そして野口さんの軌跡について、詳しくお話しいただきありがとうございました!
次回の投稿では、バルクオムの「今」と「これから」について、引き続き野口代表へのインタビューをお届けします!