リクルートやキャディ、JDSCでAI・データ領域の経験を積み重ね、30歳を前にAdeviaを創業した經田原弘(Kyoda Haramitsu)さん。なぜ生成AIの分野で新たな一歩を踏み出したのか、Adeviaはどんな価値を社会に届けようとしているのか。創業の背景と、これから共に挑戦する仲間への想いを伺いました。
目次
1.PCとデータに夢中だった少年が、AI起業家になるまで
Q. Adeviaを創業するまでのキャリアを教えてください。
2.キャリアの転機——スクラム運営と海外交渉で得た学び
Q. これまでのキャリアの中で、転機となった経験はありますか?
3.Adevia創業の始まり——決断の背景と立ち上げのリアル
Q. なぜAdeviaを立ち上げる決断をしたのですか?
4.Adeviaの事業内容——生成AI×開発とデータ分析で現場を変える
Q. 現在のAdeviaの事業について教えてください。
5.求める仲間像——生成AI時代を切り拓くエンジニアへ
Q. どんな人と一緒に働きたいですか?
最後に
インタビュアーコメント
1.PCとデータに夢中だった少年が、AI起業家になるまで
Q. Adeviaを創業するまでのキャリアを教えてください。
幼少期からPCとオンラインゲーム(メイプルストーリー)に夢中で、タイピングや数字に強いのが自分の原点でした。中学・高校では陸上部で長距離に打ち込み、「努力が成果に直結する」競技の面白さに惹かれました。大学院では月面探査機データを用いた研究に取り組み、水の存在可能性を示す影の解析を担当。膨大なデータから仮説を立て、検証し、結論を導く力を磨きました。
社会人としてはリクルートに入社。住宅情報サービスSUUMOで、ユーザー行動データを活用したレコメンドロジックを開発。入社半年でリリースし、年間1億円規模の売上改善につながりました。さらに5人規模のプロジェクトをリードし、仮説立案から効果検証まで一貫して実施する経験を積みました。
その後キャディではスクラムマスターとして週次サイクルで開発チームを回し、海外(ベトナム)の製造業顧客と直接交渉。異文化の中でもシステム要件を詰め、現場に寄り添うスキルを養いました。続くJDSCではAIコンサルタントとして製造業向け研修や導入支援を担当。講師として役職者・実務層双方に機械学習を伝え、企業内の人材配置・育成戦略にまで踏み込みました。
「30歳までに独立する」という目標を胸に、こうしたキャリアの積み重ねを経てAdeviaを創業しました。
2.キャリアの転機——スクラム運営と海外交渉で得た学び
Q. これまでのキャリアの中で、転機となった経験はありますか?
大きな転機はキャディでのスクラム運営と海外交渉でした。エンジニアリングとマネジメントの両面を回し、「現場の非効率を解消すれば事業全体が変わる」ことを肌で感じました。JDSCでは単なる研修提供にとどまらず、配置転換や評価制度を含めた組織課題に踏み込み、AI活用の成果を最大化する経験ができました。
最初は「与えられた業務をこなす」感覚でしたが、今は「仕事を設計し、成果を作る」スタイルへ変化しました。生成AIの活用で、これまで1日かかっていた業務が数時間で終わるケースも増えています。個人の生産性が2〜3倍になるのを実感し、「仕組みを設計して継続的に回す」ことこそ、次世代の働き方だと考えています。
3.Adevia創業の始まり——決断の背景と立ち上げのリアル
Q. なぜAdeviaを立ち上げる決断をしたのですか?
Adeviaの創業は、共同代表との「やるなら今」という会話から始まりました。生成AIの社会実装は確実に進んでいる一方で、実際の現場ではPoC(検証)で止まるプロジェクトが多く、「せっかくの技術が価値に変わらない」もどかしさを感じていました。
だからこそ、理想や理論ではなく、“動くものをつくって成果を出す”ことに徹底的にこだわりたいと思ったんです。AIを現場の業務フローに組み込み、使う人の手に届く形で提供すれば、確実に変化を起こせる。そう確信しての創業でした。
“対等”を重視し、誰もが意見できるフラットな文化を大切にしています。まずは売上を立て、信頼を積み重ねること。結果で語る組織をつくるために、Adeviaは一歩を踏み出しました。
4.Adeviaの事業内容——生成AI×開発とデータ分析で現場を変える
Q. 現在のAdeviaの事業について教えてください。
現在は「生成AI×開発」「生成AI×データ分析」の二軸で事業を展開しています。
- 生成AI×開発:営業資料やレポートを自動生成するワークフロー設計、カスタマーサポート向けの会話AI構築など。
- 生成AI×データ分析:ユーザー行動データからの意図推定や、セグメントごとの自動ペルソナ生成など。
クライアントは中堅〜大企業のほか、製造・物流などの現場産業も多く、紙やExcelからの脱却を支援しています。
今後は特にマーケティング領域における生成AIの活用を強化していきます。広告運用やコンテンツ生成の最適化、データドリブンな施策立案など、「人の発想×AIの拡張力」で成果を最大化する仕組みを構築していく方針です。
生成AIの普及は業界ごとにスピード差があり、マーケや採用は早い一方、製造・物流はまだ時間がかかります。さらに日本の人事評価制度がAI活用のインセンティブを阻害するケースもあるため、単なる技術提供ではなく「成果が出るまで伴走するパートナー」であることを意識しています。
5.求める仲間像——生成AI時代を切り拓くエンジニアへ
Q. どんな人と一緒に働きたいですか?
Adeviaが求めるのは「主体的に挑戦できる人」です。新しい技術をただ学ぶだけでなく、実際に試し、成果につなげられる人。たとえ失敗しても学びに変え、次のアクションへ進める人。そして顧客の課題を理解し、解決まで責任を持ってやり切れる人と、一緒に仕事をしたいと考えています。
フィットしやすいスキル・経験
- LangChainや各社APIを使ったLLMアプリケーション開発
- Dify / n8nなどでのAIワークフロー構築・自動化
- Pythonを用いたデータ分析/特徴量設計/モデリング
- 要件定義から実装・効果検証まで一気通貫で推進した経験
すべてできる必要はありません。どれか一つでも強みを持ち、さらに伸ばしたい意欲がある方を歓迎します。
最後に
生成AIは、まだ誰も見たことのない未来を切り拓く力を持っています。Adeviaは「PoCで終わらない」ことを信条に、現場で本当に役立つAIを形にしてきました。
私たちが挑んでいるのは、単なるシステム開発ではありません。未来の働き方を変え、産業の仕組みを変え、人の可能性を広げていく挑戦です。
この大きな変化のうねりを、共に創り上げる仲間を探しています。次の10年をデザインする旅に、一歩踏み出してみませんか。
インタビュアーコメント
今回のインタビューを通して感じたのは、「AIを研究する人」でも「システムを作る人」でもなく、未来を形にする人 というのが經田原弘さんの姿だということです。話の端々から、生成AIに対する情熱と「現場で使われること」にこだわる姿勢が伝わってきました。
Adeviaは、これからの10年を共に切り拓くには最高のフィールドだと思います。少しでも心が動いた方は、ぜひ一度話を聞いてみてください。