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奈良県でマンゴーを作る
すべては2021年7月、奈良県田原本町の町長(当時)が、設立間もないDoooxに訪問されたことから始まりました。
「町の課題を行政だけで解決できない。『特命町長室』として一緒に進めてくれませんか?」
この言葉を受け、当社初の「特命町長室」プロジェクトが始動しました。特命町長室が取り組むべき田原本町の課題は、「耕作放棄地対策」と「若者の流入促進」でした。
私たちはまず現場を歩き、週末に賑わう「道の駅 レスティ唐古・鍵」に着目しました。この集客力と耕作放棄地を組み合わせた「観光果樹園」の構想に至ります。
そこで当社が提案したのが、特産品としての「マンゴー」栽培です。
背景には、他社が北海道でのマンゴー栽培に成功し、話題となった事例を知ったことがあります。それを知った時、「奈良でマンゴー」というアイデアが持つ意外性やインパクトの大きさに気づき、「奈良でもできる」と確信しました。
アイデアを「事業」に変える座組みの設計
しかし、アイデアだけでは事業は動きません。
構想を形にするために当社は、「地域商社」設立のスキームを描き、仕組み化させるための組織・体制作りを始めました。
まず、地元のキーパーソンや商工会青年部、経営者たちと個別に面談を重ねていきました。すると見えてきたのは、「街に恩返ししたいが、何をしていいか分からない」という共通の熱い想いでした。
「この熱量こそが事業の原動力となる」
2022年1月、関係者を集めた場でマンゴー事業を正式提案。「なぜマンゴー?」という当然の疑問も出ました。私たちは「どうすれば『まずやってみる』空気を作れるか」という一点に集中し、議論を導きました。議論を重ねるうち、地元の有力者をはじめとする参加者の間に「まずやってみよう」という機運が高まり、場の空気は「実行」へと一変したのです。
2022年4月、地元企業7社が出資する「田原本みらい計画株式会社」が誕生したのです。
一粒の果実が、町の未来を創る
しかし、会社は設立されたものの、メンバーは全員「農業未経験」。
さらに「ハウス建設費が数千万円」という大きな壁が立ちはだかりました。
これらの課題を前に、田原本みらい計画のメンバーは必死に糸口を探します。
すると、メンバーの熱意が地元の農家の方を動かし、「使っていないハウスを無償で貸す」という申し出が寄せられました。加えて、耕作放棄地も無事に確保できました。
メンバーは週末早朝から集まってハウスを整備し、ついに苗木が植えられました。
マンゴーは順調に育ち、2022年7月には初の町長(当時)との試食会が実現。
2025年7月には町長(現在)らを招いた試食会が開催され、「濃厚でスイーツのようだ」と絶賛されました。メディアで報じられると、この挑戦は「町の希望」として大きな注目を集めます。
栽培されたマンゴーは「大和の果織(やまとのこおり)」と命名されました。2025年夏には約140個が販売開始となりました。
商品詳細:「大和の果織」について
名称: 大和の果織(やまとのこおり)
- 特徴:
- 奈良県田原本町の豊かな自然環境で栽培。
- 農薬を極力使用しない有機栽培により、皮まで食べられる安全性を実現。
- 樹から自然に落下するまで完熟させることで、糖度と香りを最大限に引き出します。
- 品種(2種類):
- 濃厚な甘みと香りが特徴の「アーウィン種(アップルマンゴー)」
- 繊維質が少なく、きめ細やかな舌触りの希少種「キーツ種」
今後の展望
今後も田原本みらい計画株式会社では更なる発展のため、マンゴーの栽培に力を入れていきます。生産を1,000個規模に拡大し、マンゴー狩りやジャム開発といった「6次産業化」を推進することで、マンゴーを起点として町の課題解決への貢献を目指します。
おわりに
当社の仕事は、地域の「熱意」を見つけ、それを「行動できるチーム」に組織し、様々な関係者を巻き込む「持続可能な事業」へとプロデュースすることです。
・「本気で地域を変えたい」
・「ゼロから事業を立ち上げる当事者になりたい」
そんな熱い想いを持つ方、ぜひ一度お話ししませんか?