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事業会社のマーケターに転職する前に知っておきたかったこと

こんにちは!BtoBマーケティングの「一歩目からグロースまで」をハンズオンで支援するunname(アンネーム)の採用広報 橋尾です。

unnameではこれまで色々な記事で、「いまBroBマーケティングのキャリアを歩むのは市場価値が高く、オススメだよ!」と提案し続けて来ました。

ひとくちにマーケティングと言っても色々な事業、業務範囲、環境があります。自身にフィットしやすい土壌はどんな環境なのか?「マーケター」からもう一歩踏み込み解像度を高めるべく話を聞きます。

「事業会社・支援会社」「toB・toC」とあらゆる立場からマーケティングを経験した代表にインタビューしました。


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事業側/支援側の違いの解像度を高めておくことが重要

ーまずは、マーケティング業務に従事することを考えた時に、事前に知っておくと良いことを教えてください。

所属する企業の立場として、大きく「事業会社」「支援会社」の2つがあるので、まずはそれぞれの中身を理解しておくと良いと思います。


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事業会社・自ら商品を製造・生産する事業を行う会社・自社事業のマーケティングを担当する支援会社・他社の業務を社員に代わって支援する会社・他社のマーケティング担当を、外部支援企業として代行する※「代理店」、「コンサル会社」と呼ばれたりする企業のこと

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「支援会社」という言葉は用語として一般的ではないとは思いますが、事業会社の対比として「お客様の事業を伸ばす支援をしている側の会社」ということを表現したかったので、ここでは支援会社と言い表しました。


ー内側の自社マーケター、外側のマーケティングコンサルタント、2つの立場があるのですね。宮脇さんはどちら側も経験されているのですよね。

はい。こんな経歴でそれぞれの立場を経験しました


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代表プロフィール2014年 株式会社サイバーエージェント 広告運用コンサルタント(支援側)2017年 BASE株式会社 BtoC向けのマーケティング(事業側)2018年 株式会社ペイミー CMOとしてBtoB向けのマーケティング(事業側)2019年 株式会社unname設立 BtoBマーケティングの戦略立案~運用を提供(支援側/事業側)

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僕は元々、事業側/支援側の違いを理解して選んでいたわけではなく、偶然こういうキャリアになりました。でも今思うと、違いを知っていることが自身のキャリア・成長において重要なはずなのに、経験しないと分かりにくいことが多いんですよね。

風潮的には事業会社のマーケターが花形のように扱われている印象もありますが、僕自身は、事業側/支援側で、どちらが優れているという主張を持っているわけではないです。

自分のキャリアにあった選択をするために、それぞれの選択肢の解像度を上げて欲しいと思い、今回はそのテーマでしっかりお伝えしたいと思っています。

ーなるほど。違いを知っておくことで、自分の望むキャリアに良い選択をしやすくなりますよね。


「マーケターの環境ガチャ」に陥らないための2つの観点

僕はファーストキャリアが代理店(支援会社)なので特にかもしれませんが、「支援会社→事業会社」というステップでキャリアを歩む人を多く見てきました。

でも当然ですが、各企業によって環境や事情は大きく異なります。マーケティング予算やマーケティング部の社内でのプレゼンス、人間関係など、マーケティングを行う環境は求人票に書かれている以外の要素に大きく影響を受けてしまいます。ですが入社するまでその中身は分かりません。

となると、もはや就業環境のガチャガチャを引いているようなものです。相性の良い環境に巡り合うのはなかなかハードルが高いので、マーケター転職が「環境ガチャ」状態にならないよう、少しでも解像度を上げて企業理解ができるよう選考に臨むと良いと思っています。

そこで重要な2つの観点について、事業会社・支援会社の両者の特徴を説明します。

支援会社には大きく分けて、「課題解決型」と「ソリューション特化型」の2種類があるのですが、ここでは前者をメインに話をしていきます。「ソリューション特化型」に関しては、後半で詳しく説明しますね。


知っておくべきポイント①:キャリア・スキルアップ

まず1つ目は、キャリア・教育の観点から見た環境です。

一般的に事業会社では、マーケティング組織の規模が小さい傾向にあります。BtoB企業の場合はなおさらですね。誰でも知っている大企業だと、ひとつのブランドで5〜10人ほどマーケターがいるところもありますが。

部署が小さいと当然ですが先輩が少なく、教わりにくい環境である可能性が高いです。少人数だとメンバーそれぞれが違う領域をこなす、背中合わせの体制になりがちで、同じ業務を行う人やプロジェクトに携わる人がいないことも。そもそも、マーケティング業務自体の経験者が不在であることも考えられます。

業務領域という意味では、自社事業及び特定の業界のみの知識・経験が積み重なっていくので、マーケターとして汎用的なスキルが身に付きにくい側面もあります。(特定の成功パターンしか知らない状態になりやすい)

一方で支援会社は、マーケティング支援を提供すること自体が事業なので、自社内に同じマーケティング業務をしている人がたくさんいます。つまり、仕事を教わることができる先輩が社内に潤沢にいるんですよね。

自分よりも、スキルも経験値も高い人がいて、業務上の課題も聞けば解決できる。これは単純に成長スピードや知見の積みあがり方に大きな違いが出ます。

支援先の会社規模や、レベル感が異なることはあるものの、自身のキャリアにおけるロールモデルも充実しています。


知っておくべきポイント②:業務範囲・社内ポジション

次に、業務範囲・社内ポジションから見た環境です。

マーケティング業務の範囲は企業ごとに大きく異なりますが、事業会社は特にその差が大きくなることが多いです。

予算、KPI、施策すべてが自由に発想・提案してOKな会社もあれば、全て決まっている状態で落ちてくる会社も。目標や施策の意思決定するレベルからか、そこがすでに決まった状態からかでは、仕事の性質もレベルも変わってきます。

自由度があるから良いとは一概には言えず、自身のスキルとキャリアウィッシュに見合う環境なのか見極める必要がある、ということです。

また、社内におけるマーケティング部門のポジションやプレゼンスも、非常に重要なポイントになります。

マーケティング部門の影響力が弱く、社内で軽視されているようなケースがあったとします。会社の中で一番力が強いポジションが営業だとすると、施策の実行や改善活動に協力をしてもらいにくい、得られない、というような状況が発生してしまいます。

例えば、成功事例を作成したいのに、成功した顧客との接点をなかなか作ってもらえなかったりとか、プレスリリースに、リード獲得を意識した表現を入れたくても、広報の独断で弾かれてしまったりだとか。

このように、マーケティングで成果を出すためには、他部署と連携したり、時にはコントロールすることが必要です。体質を根本から変えないと成果が出にくい環境だった場合、解決のために部門のプレゼンスを上げて連携を強めようと思っても、時間も労力もかかりますよね。

あと、これは特にBtoB企業に言えることなのですが、予算が少なくて、できること(手法)が限られるケースもあります。できることが少ないと、自ずと業務範囲を制限されてしまいます。予算規模も事前に知ることができると良いポイントですね。

ー当人の努力だけだと成果の出にくい環境ではないか、ということをチェックしたいですね。支援企業はどうでしょうか?

支援企業は複数社のマーケティング担当をするので、業務範囲や社内ポジションはクライアントによってバラバラなんですよね。

これは、複数事業のマーケティングを経験できるということ以上に、ハマらない環境を回避しやすいというメリットがあります。

一度入社した会社で、自分の力ではどうしようもできないような環境だった時、事業会社だと転職以外に道がありません。そのリスクを分散しやすいですし、ガチャ要素が大きいマーケティング職にとってかなりメリットとなるのではないかと思っています。

ーここまでのお話だと、支援会社の方が「環境ガチャ」でハズレにくく成長しやすい、と言えるのかなと感じたのですが、どうでしょうか?

確かに、ガチャ要素が少ないように見えますが、支援会社といってもさまざまなタイプが存在するので、見極めるべきポイントとなります。マーケティング支援の範囲について深く理解すると良いと思います。

マーケティング支援には大きく分けて、「ソリューション特化型」「課題解決型」の2つのタイプがあると思っています。

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ソリューション特化型Web制作やコンテンツマーケティングなど、特定のマーケティング手法をソリューションとして提供する企業。支援スタイルが型として決まっていることが多い。支援内容がわかりやすい一方で、領域は限定的になりがち。そのため、本質的な事業成功までの支援はしにくいとも言える。課題解決型決まったソリューションの提供を行うのではなく、まずは経営・事業上の課題を特定し、それをマーケティング手法で解決するタイプの企業。マーケティング全体を俯瞰して見る立場である一方で、「SEO、Web広告、ウェビナー施策を提供します!」と具体的に言えるわけではないので、外から何をしている会社なのか見えにくい特徴がある。ポートフォリオを作りづらいとも言い換えられる。

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ー課題解決型は、上流から任せてもらえることが成長のポイントと言えそうですね。

確かにそうですね。
ポイントではあるのですが、「上流から支援」「一気通貫」は誤解の生まれやすい言葉なので注意が必要だと思っています。それらは客観的な言葉に感じますが、実はかなり主観的な言葉です。

「上流」とはあくまで自分の業務や視野より上の階層を示す言葉であり、企業活動全体の上部を指してるわけではありません。

会話の中で出てくるこの「上流」という言葉が、今どのあたりを示しているのか?毎回しっかり考え、擦り合わせる必要があります。これはキャリアを考える時にとても重要なのに、見落としがちなポイントだと思っています。

繰り返しにはなりますが、キャリア選択で気をつけたいのが「その上流はどこか?」という点です。

求人票に記載されている上流という言葉は、実は施策レベルの話であって、SEO戦略だったり、SNSマーケ戦略の話の可能性もあります。

しかし、転職希望者のAさんがチャレンジしたいのは、施策云々ではなく、もう一個上段のプロジェクトレベルをイメージしていることもあります。例えば、目標達成のためのKPI設計はできているか?予算の立て方は間違っていないか?事業成長の大きなボトルネックは何か?のようなことです。

しかし、求人票とAさんが認識している「上流」という言葉には乖離があり、ニーズが合致しない なんてことは往々にして発生します。

unnameが選び、作り上げているビジネスとは

ーたっぷり、両者の違いを教えていただきました。これらを理解すると、キャリアにとって良い選択がしやすくなりそうです。

事前に知った方が良いポイントを理解し、会社の性質をしっかり見極めることが重要です。そのうえで、自分のwill/canに照らし合わせて吟味して欲しいですね。

経験上、ピッタリくる環境はけっこう稀なので「事業会社のマーケターになりたい!」と、マーケティング会社の解像度が低い状態で目指すと、結構危ないです。

ですが、解像度高く色々な会社を知ることで、キャリア形成におけるガチャ回避はしやすくなります。社内にマーケティング部門を新設する企業が増えて、マーケターの就労環境が多様化していると予想されます。注意深く相性を見て欲しいですね。

ー転職を検討している人に届いて欲しい内容です。

とは言え個人的な意見としては、真っ当な運営をしている支援企業は転職先にオススメ、というのも本音です。

両者を経験した立場から、「事業会社のマーケターの方が花形」という説に対しては疑問を持っています。

支援会社では、プロフェッショナルとして複数社にコンサルティングを行います。知見と経験がストックされるスピードも段違いで早く、汎用性の獲得という面ではとても有効なキャリアだと思っています。マーケティングに関することなら「なんでも迎え撃つことができる」的な。

また、クライアントの成果をあげないと契約を打ち切られるというプレッシャーもあるので、より成果に対してシビアに取り組める環境なのかもしれないです。

ーunnameは、創業時から支援会社として課題解決型の事業をしていますよね。今回伺ったお話の内容を踏まえて、どのように事業内容を決めたのでしょうか?

僕のこれまでの経験からunnameの事業は、現状以下のように決めています。

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・支援企業の課題解決型・事業(サービス)レベルの戦略・戦術単位の上流から支援

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この事業スタイルにした理由のひとつに、Web広告運用の代理店にいた時に、僕自身が感じた葛藤があります。

Web広告代理店は、広告予算に対して一定の%をマージンとしていただくビジネスモデルが基本的です。これは、予算が増えた分だけ自社の売上が伸びる、という図式。クライアントに広告予算を増額してもらうのがアップセルになります。

広告による成果が、事業のグロースに直接的に繋がっていればいいのですが、必ずしもそうとは言い切れません。むしろ、本当は広告をストップした方がいい状態であっても、自社の利益を追求するために予算増額の提案をするなど、本質的ではない提案につながってしまう恐れのあるモデルだと感じました。これは当時からとても違和感を覚えていました。

僕は、決まったソリューションをクライアントに組み込んでいく種類の仕事だと、自分がビジネスを一緒に作っている一員だと感じることができなかったんです。そんな仕事つまらないなと思っていました。

それよりも、しっかりと事業を見て、課題を特定し、解決できるよう支援したい。ビジネスの成功についてちゃんと一緒に考えたかったんです。

なのでunnameが手掛ける支援は、マーケティングの手法を限定せず、事業成長に主眼を置いています。支援領域は、「プロジェクト(施策・手法)」単位ではなく、「事業(サービス)レベルの戦略・戦術」単位です。


unnameの支援詳細・ポリシーはこちら

事業内容を選んだ理由については、他記事でも詳しくお話しています!ぜひ。

unnameが事業ドメインを「今」BtoBマーケティングにおく理由 | unnameメンバーインタビュー
BtoBマーケティングの「一歩目からグロースまで」をハンズオンで支援するunname(アンネーム)の採用広報の橋尾です。これまでunnameでは「BtoBマーケターの市場価値はいまオイシイよ!」...
https://www.wantedly.com/companies/company_7168774/post_articles/454271



ーこれがunnameの指す「上流」ですね。

はい。でも正直に言うと、ソリューションが固まっている方が経営はしやすいんです。厳密にいうと、一定規模までの拡大のスピードが高いという感じ。

クライアントに対しても、求職者に対しても提供できる価値が伝わりやすいので、その分案件獲得も採用もしやすいです。しかし、今のunnameの事業は小規模でやるにはけっこう難易度が高いんですよね。

なので、特に採用が難しいなと感じています。でも、真っ当なビジネスだし、こっちの方がいいな、と今でも思っています。

同時に、長い目で見た時に、企業も人材も、事業レベルの上流からビジネスの話ができないと、今後生き残りにくい世の中になるのでは、とも思いました。だからこそ今日の話を伝えたいと思いましたし、これが、皆さんのキャリアに合う選択の助けになると嬉しいです。もっと詳しく説明した方がよければ、ぜひお話させてください!笑

ーこのお話を理解した上で色々な会社の求人を見ると、理解度が大きく変わるのではと思います。ありがとうございました。

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unname RECRUIT magazine|株式会社unname|note
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