こんにちは!
先日(2020年11月4日)、事業拡大に向けてサービスブランディングをアップデートしました。
今回は、その際に行った、サービス名変更が調べる事も多く、事前に知っておければと思う事もあったので、決めるまでのプロセスをまとめました。書かれている工程は全てオンラインで行っています。サービス名を検討している方の参考になれば嬉しいです。
▼目次
- サービス名変更の背景
- 1. サービスを改めて理解・可視化
- 2. [失敗] サービス名アイデアをチーム全員で持ち寄る
- 3. 他グローバルサービスのネーミング調査
- 4. 各国のペットサービス名を調査
- 5. 犬とサービスの関連キーワードを洗い出して組み合わせ
- 6. 5つのチェックでふるいにかける
- 7. 簡易ロゴでビジュアル化して最終投票
- サービス名が決定!
- まとめ
- 仲間も募集しています
サービス名変更の背景
機能に紐づけてネーミングしたが、対象の機能がクローズ
変更前は「mean」というサービス名でした。以前はコア機能に愛犬とのAIチャット機能があり、「愛犬の言いたいことや・意図がわかるようになる」を意味してネーミングしましたが、機能をクローズする事に。
ニュアンスが上手く伝わらず他国の方から違和感の声が
もう1点、onedogはグローバル展開をしているのですが、meanはいじわるという意味もあります。リアルな会話ができる愛らしさを含ませたかったのですが、ニュアンスが上手く伝わらず違和感を感じる声を他国の方から頂いておりました。
リリースして1年半、大幅にコンセプト・機能をアップデートしたため、サービス名もアップデートする事にしました。
今までの流れ・課題から、ネーミングは下記方針にしました。
① 世界中の人々に愛される
② 愛犬とオーナーへ次の幸せを届けるプラットフォームな世界観が伝わる
1. サービスを改めて理解・可視化
最初から案を出すのではなく、まずは"どんなサービスでありたいか"をすり合わせるために、全員でワークショップを行い下記を作成し議論しました。振り返るとこの工程がなかったら、アイディアの方向性が各々違うものになっていたと思う重要なプロセスでした。
・ターゲット、ペルソナ
・プロダクトベネフィット(なぜ顧客はこのサービスを利用するのか)
・ブランドビジョン
・ブランドパーソナリティ
・ブランドプロミス
・連想するキーワードを洗い出し
上記フレームワークは「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」という本を参考にしました。
2. [失敗] サービス名アイデアをチーム全員で持ち寄る
ワークショップで前提が揃ったので、各々アイディアを持ち寄ることに。洗い出したキーワードに関連する単語を組み合わせたり、言語を変えてみたり、逆さまにしてみたり・・・全部で100案以上出してチーム内で議論・投票を行いました。
っが結果、どれもしっくりこず・・・
※miroがやりやすかったです
▼当初出していたアイディアの一部
振り返ると、深く考えすぎて馴染みの無いワードを使っていたり、世界観よりも機能に寄ったサービス名になっていました。当時は"inoon(いぬーん)"が1番人気でしたが、今考えるとなかなか攻めたネーミングでした笑
3. 他グローバルサービスのネーミング調査
視点がミクロになってしまっているので、一度顔を上げて、グローバルのインターネットサービスはなぜ世界中の人に愛されているのかを調べてみる事にしました。
Google,UBER,ZOOMなど一部例外はあるものの、多くは簡単な英単語を組み合わせてサービスを表しているネーミングが多い事に気が付きました。
ちなみに国内サービスでも、簡単な英単語を組み合わせたサービス名はすぐにいくつか思いつきました。
とはいえ、国内サービスでもメルカリやZOZO等当てはまらないサービスも沢山あります。
onedogの場合、ペットテックは既に多くのサービスが提供されており、マーケティング費用を多くかけずにユーザーコミュニティからの拡散で広がっていく事を想定しているため、覚えやすくてどんなサービスなのか聞いただけでわかるネーミングにする事にしました。
4. 各国のペットサービス名を調査
方針が定まった為、次は各国のペットサービス名を洗い出して重複が発生しないようにNGリストを作成しました。ここで洗い出しおくと、良いサービス名が決まった後に悲しい想いをしなくてすむのでおすすめです。
のちに商標や.comドメインが埋まっているかも同時に把握しておけます。あと、他国の馴染みあるキーワードもキャッチアップする事が出来ます。
5. 犬とサービスの関連キーワードを洗い出して組み合わせ
簡単な英単語を前提に「犬キーワード x サービス連想キーワード」を組み合わせて全部で500案ほど作成しました。伝わり方でカテゴライズして、顧客がサービスに出会った時を想定して10案程に絞り込みました。
6. 5つのチェックでふるいにかける
①リリース対象国で意味が問題ないかをチェック
組み合わせた事によって、誤解を招く名前になっていないかをチェックします。1案だけ他国では苗字として使われている事があり、候補から外したサービス名もありました。
②リリース対象国での商標チェック
国内だけではなく、他国でも必要になる可能性がある場合は、チェックしておく事をお勧めします。
商標区分一覧
海外商標チェックサイト
国内商標チェックサイト
③リリース対象国での検索結果チェック
onedogは検索結果流入は国内のみを想定しているため、国内でサービス名候補を検索して上位に何が表示されるかを確認しました。
ここでまさかの1番人気案の検索結果でバッティングがおきました・・・
今までペットサービス関連を調べていたので出てこなかったのですが、同じ名前のアニメが以前放送されていたようで、犬耳が生えた女の子のイラストで検索結果は埋め尽くされていました。
検索結果で順位を逆転する可能性はあると思いますが、そこまでの過程に困惑を生みそうなので泣く泣くそのサービス名候補はNGとなりました。
④欲しいドメインを取れるか&金額チェック
国内はWeb流入も計画しているため、できれば最初から.comドメインが取れる事が理想、空いていなければアクセスして、どんな人がどのように使っているかを把握して譲ってもらえる可能性があるかを調べていきました。.comドメインが取れない場合は第二候補の.ioも含めて調査しました。
ドメイン空き検索は交渉仲介も行ってくれるGoDaddyを利用しました。
⑤英語ネイティブの方へ違和感ヒアリングチェック
前回の反省点が再度起きないように、ネイティブの方へ違和感がないかをヒアリングしてご意見いただきました。今回は簡単な英単語の組み合わせだったので、ここのチェックで引っかかる案は無かったです。
7. 簡易ロゴでビジュアル化して最終投票
そんなこんなで、10案から5案まで絞り込まれました。
ビジュアルで見るとイメージが変わるので、簡易的にロゴとイメージ画像を作成して全社員で投票を行いました。
サービス名が決定!
最終的には愛犬とオーナーとその周りの人々を繋いで「ひとつに」の”ONE”とペットテックとわかりやすい”DOG”の「ONEDOG」で決定しました。
.comは交渉中のため.ioで取得。他にも空いているドメインは.io以外にも取得しました。
実は簡易ロゴでビジュアル化する前に、シンボルとロゴのアップデートも検討していましたが、現シンボルはユーザーさんからも愛されており、フォントもコンセプトとのズレは無い状態でした。また、今回は名前が変わるので、アプリアイコンも全く別物になった時に「元mean」に気が付く事が出来るのかという懸念もあり、ほぼ踏襲する形になりました。
まとめ
今回の検討・意思決定を通じて、いきなり突飛なアイデアは生まれないという事を強く実感しました。振り返ると、一回寝かせる時間があるくらいの期間設定にした事で、納得のいくサービス案にできたと思います。時間が無いと、勢いで決めてしまったり違和感を言いづらい状況にしてしまったりします。その期間つきっきりなわけでは無いので、2・3ヶ月程ゆとりある期間があると安心出来ると思いました。
あとは、1案に絞る前にチェックをして懸念を潰しておくと、ひっくり返る事も無く進められたので是非5つのチェック項目を参考にしてみてください。
仲間も募集しています
一緒にサービスを作り上げていく仲間も大募集しています!onedogはこれから面白くなるサービスです。カジュアルに話し聞きたいでもOKですので、ご興味あればご連絡ください。