マーケティングとデザインの世界で培った視点から、人材業界の「当たり前」を問い直し、採用の先にある定着・活躍まで見据えた支援という新しい価値を生み出しているwakaru株式会社。
様々な大手企業から支援依頼が相次ぎ、「バズるを目的化しない」という独自の哲学で、採用SNS運用代行という領域に新しいアプローチを持ち込んでいます。
「選ぶ採用」から「選ばれる採用」へ。短期の成果ではなく、長期の価値を追求する。
まだ小さな組織だが、その思想と実績は、確実に採用業界に影響を与え始めています。
「HR業界を変えて、採用マーケティング・ブランディング会社といえばwakaru」──その目標に向けて挑戦を続ける私たちは、人生を変えるほどの強い思いをもった仲間を探しています。
今回は、wakaruの代表に、起業の経緯、業界への違和感、事業づくりへの思い、wakaruの魅力、そして求める人材についてインタビューしました!
当社にご興味をお持ちの方は、ぜひご覧ください。
業界の「外」から見えた、人材業界の違和感
───まず、これまでのキャリアについて教えてください。
元々理系でしたが、大学ではデザイン系の学部に在籍していました。がっつりデザインを専攻したわけではないんですが、デザインの思考方法やビジネス実務にどう活かすかという視点は、学部時代で身についた感覚があります。
新卒ではアクセンチュアのinteractiveという部門(現在のSong)に入社しました。国内小売企業の店舗設計から従業員体験の刷新プロジェクトに参加して、主にUI/UX設計を担当していました。
実は僕が就活していたのが2020年あたりなんですが、就活終わる直前にコロナ禍に突入したんです。就活生にとってオフラインで情報が極端に取りにくい状況になって、当時はシンプルに自分の不便も感じていたので「何か困っている求職者のヒントになれば」という想いから、SNSで就活情報の発信を始めました。暇だったのもあったんですが、試行錯誤しまくって、それが想像以上に伸びて、現在もメディアとして運用しています。
───そのメディアから、どのように事業展開を考えていったのでしょうか?
メディアが大きくなって、改めて事業展開を考えた時、たくさんの人に相談したんですが、やはり多くの方に「人材紹介業をやれば?」と勧めていただきました。
でも正直、それは「本当に僕らがやるべきなのか?」というのがピンと来なくて。僕らにしかできない価値は何か──それを突き詰めた結果、クリエイティブとSNSマーケティングという武器を掛け合わせた、採用特化のSNS運用代行にたどり着きました。
───最初から今のサービスの形だったんですか?
いえ、実は最初、僕らもクリエイティブやSNSマーケティングを単なる「武器」としてしか使えていなかったんです。完全に、手段が目的化してしまっていましたね。そうするとと、採用という本来のゴールからどんどんズレていく感覚がありました。
採用をマーケティングの視点でしっかり捉え、ゴールから逆算してアプローチしていくべきだ──そう考えて、サービスの提供価値を根本から再定義しました。
──人材業界に関わり始めて、どんな違和感を感じましたか?
最初に驚いたのは、全体戦略の不在ですね。どこがボトルネックで、何を短期で追い、何を中長期で我慢すべきか──そういった戦略的思考が実践できている企業が多いとはいえないのが現状です。
「昨年やっていたから今年もやる」というトラディショナルなパターンが多い。でもそれは、実務で手が回らず、そのまま継続するしかないという人事組織の構造的な問題だと思うんです。
また、経営層が採用領域をコストセンターとして捉えているケースが多く、中長期の戦略設計や、それを実行できる採用人事チームの体制構築まで手が回っていない。
短期施策だけで何とかなっていた時代は終わりました。全体戦略を描いた上で、短期施策と長期施策を使い分けながらマーケティングの考え方を実践しないと、もう採用はできません。それが、選ぶ採用から選ばれる採用への転換です。
──マーケティングやデザインのバックグラウンドがあったからこそ見えたものですね。
そうですね。選ばれる採用への転換として採用を立体的に捉えるには、ユーザー起点の思考が不可欠なんです。ここがまさにマーケティングとデザインの思考法が必要で、それを採用人事のチームで実践できている企業は、残念ながらまだ少ないと感じています。
本当に必要なことは「定着・活躍」まで見据えること
──wakaruが掲げる「定着・活躍まで見据える」というコンセプトについて教えてください。
これはコンセプトというより、会社全体を考えれば当たり前のことだと思っています。
労働人口が減少する中で、むやみにエントリー数を追うのではなく、マッチする人にしっかり届けて、しっかり訴求し、選んでもらう。そしてその人に活躍してもらう──それが本質です。
売り手市場の現在、求職者側に交渉力があります。エントリー、選考参加、内定承諾──それぞれの段階で膨大な情報を収集して判断しています。
特に若年層の求職活動では、SNSでの情報収集が非常に活発です。各SNSでの指名検索はもちろん、「会社名 採用」などのweb検索でもSNSコンテンツが上位表示されるようになり、SEO的にも強い影響力を持つようになっています。
──そこで「バズるを目的化しない」という哲学が生まれたんですね。
そうなんです。一般的に「SNSはバズってなんぼ」という考え方がありますよね。フォロワー数や再生回数を無意識に追ってしまいがちです。集客目的ならそれでもいいんですが、採用においては本当にそれが正しいのかを問い直す必要があります。
バズるということは、SNSのアルゴリズムに評価されるコンテンツ設計をするということ。でも、そうして作られたコンテンツが、最終ゴールである採用、そしてその先の定着や活躍に本当に貢献しているのか──それが最も重要なんです。
例えば、完全にSNSトレンドに乗ったコンテンツを作れば、確かにバズる可能性はあります。でも、企業の魅力やリアルな姿が伝わって「ここで働きたい」と思ってもらえるかは別問題。そもそもそのバズが、届けたい人(採用ターゲット)に届いているかも分からないんです。
──wakaruが運営するメディアとは、戦略が違うんですね。
まさにそうです。僕らも求職者向けのSNSメディアを運営していますが、そちらは完全にアルゴリズムを意識してバズを狙っています。なぜなら、そのアカウントの目的はまずフォローしてもらい、アカウント認知を獲得することだからです。
でも、企業の採用SNSアカウントのゴールは「採用、そしてその先の定着と活躍」です。これは不変です。だから、そこから逆算した運用戦略が必要なんです。
──とはいえ、短期での効果測定は難しそうですね。
おっしゃる通りです。短期での効果測定が難しいため、営業としての難易度は確かに高い。担当者の方が理解してくださっても、社内には「SNS=バズやフォロワー」という印象を持つ方もいて、合意形成に苦労することもあります。
──実際に成果が出た事例はありますか?
たくさんありますよ。腰を据えて1〜2年間SNS発信をご一緒させていただいた企業様からは、承諾率や選考移行率の向上というお声もいただきます。
でも、それ以上に嬉しいのがインナーブランディングへの効果なんです。「若手社員がこのSNSに出演したがっている」「他部署との交流や意思疎通に一役買っている」──そういったお声を非常に多くいただいています。
wakaruの独自性とは?
──大手企業から多く依頼を受けている理由は何だと思いますか?
僕らが大切にしているのは、BS思考なんです。
短期的な成果に飛びつくのではなく、強く我慢して、本当に良いものをしっかり提供していく。プロセスの短期的な費用対効果は示しにくいかもしれませんが、結果として会社や組織に大きなプラスをもたらすもの──それを作っている自信があります。
従来のHR企業や短期的なSNSマーケティングを志向する企業とは、事業づくりの思想が根本的に違うと思っています。
大手企業様からご依頼いただける理由も、突き詰めれば、企業価値向上に向けて短期的な目線ではなく、長期で真摯に向き合っているからだと考えています。
──「BS思考」は、事業だけでなくカルチャーにも根付いているそうですね。
そうなんです。このBS思考は、wakaruのカルチャーとしても深く根付いています。
自分を多面的に、そして時間軸を広く取って捉え、課題設定をする。今すぐ勝つためではなく、最終的に勝つためのアクションを考える──それを大切にしています。
もちろん、それは日々の積み重ねでしかありません。だから着実に愚直にやり続ける。時々振り返って軌道修正しながら、虎視眈々と我慢して、最終的なゴールを目指していく。
隣の芝は青く見えるし、短期で結果を追いたくなるのが人間です。でも、その先にどうなりたいのか、どうしたいのかを常に問い続けながら、ブレずに人生を作っていくほうが、強いし幸せだと思うんです。
これを一人でやるのは難しい。だからみんなで確かめ合いながら作っていく──それがwakaruのカルチャーです。
──「ひとまず負けてみる」という行動指針があるそうですね。印象的です。
はい、これ僕が行動指針の中でも結構好きなものでよく引用しています。
「負けにいく」というのは、素直に自分の課題を認め、設定できる受容性の高さを意味します。そして、負けにいけば上がるしかない──つまり最後は勝てるという長期的な自己効力感、組織効力感を持とうという意味なんです。(もちろんその辺りは持てるような仕組みや組織設計が大前提として、重要ですが。)
wakaruで働く魅力・求める人物像
──最後に、どんな方と一緒に働きたいですか?
まだまだ小さい組織ですが、HR業界を変えて、採用マーケティング・ブランディング会社といえばwakaruと言われる──そんな会社を目指して、メンバーでゴリゴリ仕事をしています。
同じように裁量を持ちながら、会社を作っていくぞ!という気概のある方と一緒に働きたいです。
もしあなたが、大手人材企業で数字を追いながらも「本当にこれでいいのか?」という違和感を感じているなら。
もしあなたが、もっと深い価値提供がしたい、もっと長期的な視点で仕事がしたいと思っているなら。
wakaruには、そのフィールドがあります。
一緒に、採用業界の「当たり前」を変えていきませんか?