先週の9月13日(土)から15日(日)にかけて、新潟市にて『にいがた総おどり』が開催されました。国内外から約250団体、総勢1万5,000人の踊り手が集結する、踊りの一大イベントです。各会場では踊り手と観客が一体となり、非常に熱気あふれる盛り上がりを見せていました。
実はかねてより一度は出演してみたいと思っていましたが、今回、勇気を振り絞って参戦いたしました。初めてということで緊張していましたが、いざ演舞してみると、観客の皆さまの温かい応援に後押しされ、自分でも驚くほどの熱量で踊ることができました。まさに、熱量を肌で感じた、充実した3日間でした。
「踊る」と「熱量」というキーワードから、今回の社長コラムはこのテーマしかないと思い、筆を取っています。
皆さん、突然ですが映画はご覧になりますか?
今からとても楽しみにしている映画があります。来年公開予定の『踊る大捜査線N.E.W』です。『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』が12年前に公開されましたが、これが最後とされていたのに「またやるの?」という冷めた見方もあるかもしれません。しかしながら、最後と言って復活するというスタイルは、『宇宙戦艦ヤマト』以来のテレビ・映画界の伝統とも言えるものですので、ここは素直に期待したいと思っています。
もしかしたら『宇宙戦艦ヤマト』はまだしも『踊る大捜査線』でも若い人にはピンとこないかもしれません。『宇宙戦艦ヤマト』はひとまず置いておいて『踊る大捜査線』の簡単な解説をします。(『宇宙戦艦ヤマト』についても、機会があれば解説します)
昨日閉幕した世界陸上のスペシャルアンバサダーを務めた織田裕二さんが『踊る大捜査線』 の主人公・青島俊作を演じています。青島は、IT企業に勤めていた成績ナンバーワンの営業マンでしたが、刑事ドラマの刑事に憧れて警察官に転職したという経歴の持ち主です。転職から4年後、湾岸警察署刑事課強行犯係に配属されます。
一方、柳葉敏郎さんが演じる室井慎次は、警視庁のキャリア。青島と室井を中心に、時にはコミカルに、時にはシリアスに、「組織とは」「仲間とは」という問いを投げかけながら物語が進んでいきます。
『踊る大捜査線』が他の刑事ドラマと異なる点は、組織に焦点を当て、刑事ドラマをサラリーマンの物語として描いているところです。青島が期待していた警察像に対し、先輩刑事の恩田すみれが「警察署はアパッチ砦じゃない。会社」と諭す台詞が、この物語の本質を語っています。
警視庁本庁の人間は警察署のことを「所轄」と呼び、警察署の人間は本庁のことを「本店」と呼ぶ。物語はその「所轄」と「本店」の対比を軸に進んでいきます。青島は所轄で自分の信念に基づいて行動し、室井は理想と警察組織の枠組みとの間で葛藤します。
『踊る大捜査線』の話になると筆が止まらなくなってしまい、社長コラムが『解説・踊る大捜査線』になってしまいそうなのでこの辺りで止めておきますが、題材が題材なだけに、私の仕事での振る舞いにも大きな影響を与えました。
私自身、青島のように熱量を持って行動することを大切にしてきました。その結果、時には上司の皆さまにご迷惑をおかけしたこともありましたが、熱量を持って取り組んだからこそ成果を残すことができたと自負しています。
その上司の方にも「廣木ほどの熱量を持って行動する人が最近はいなくなった」と言われます。ご迷惑をおかけしたのにそう評価していただけるのはありがたいと思う反面、熱量を持った人が少なくなってきていることは寂しく感じています。
そこで、僭越ながら、私なりの「熱量を持った行動指針」を3つご紹介いたします。
1. 不平不満があるなら、行動して変える
私はあまり不平不満を言うのは好きではありません。いや、「悪口を言うことがストレス解消法です」とインタビューに答えたことがありましたね。訂正します。もちろん、私にも不平不満はあります。
ただ、それを言っているだけでは、この先ずっと不平不満の元に支配されてしまいます。それが嫌だから、なんとか変えなきゃと思って行動してきました。すぐに結果が出なくても、行動すれば風向きくらいは変わるものです。失敗を恐れず、まずは自ら行動してみましょう。
2. 困難があってもやり遂げる、それがプロ
「これがないとできない」「体制が整っていないから無理」と言う声をよく聞きますが、私は、据え膳が揃っていて食べるだけではプロではないと感じていました。
どんな状況でも結果を残すのがプロであり、お金をいただく価値があるのだと思っています。少し厳しいかもれませんが、プロとはそういうものだと考えています。
必要なリクエストはしますが、困難な状況でも「プロだからやってやるよ」という意気込みで仕事に取り組む姿勢を大切にしています。
3. 「私は言いましたよ」と言わない
プロジェクトがうまくいかなかった時に「私はあの時こう言いましたよ」と言う場面をよく目にします。多分、自分の主張が受け入れられなかったからうまくいかなかったと言いたいのでしょう。しかし、言っただけで変わるのであれば誰も苦労しません。
本当に変えたいのであれば、熱意を持って説明し、納得させる努力が必要だと思っています。決定された方針に従って進む以上は、その方法で成功させる責任があると思っているので「私は言いましたよ」と言っている時間があったら成功させるために突き進みたい。
と、いろいろと『不平不満』を書いてしまいましたが、何かを変えたいなら、熱量を持って行動してみませんか。
内定式や入社式などで「壁をつくらない」という話を私はよくします。壁を作らず、壁を壊して、熱量を持って現状を変えて、ブレークスルーする。その姿勢が、未来を切り拓く力になります。
もっとも、熱量を強調しすぎると、青島のように当社のようなIT企業を辞めて警察官を目指す方が続出してしまうので、このあたりで締めくくりたいと思います。
『踊る大捜査線』に以下のような名シーンがありました。「現場の俺たちが正しいことができるように、室井さんは偉くなってください」と青島に言われ、室井は「警視庁の頂点を目指し、警察を変えていく」と約束します。
かつて青島だった私も、今では室井の立場になりつつあります。
当社は、社員一人ひとりが熱量を持って挑戦できる環境づくりを大切にしています。これからも、現場の声を尊重しながら、誰もが活き活きと働ける組織を目指してまいります。青島だった自分との約束を果たすためにも。
※次号は9月29日(月)リリース予定です