24歳での独立起業と事業売却、28歳で飛び込んだ世界遺産「富岡製糸場」プロジェクトにおける観光と地域経済へのインパクト、東証上場企業の執行役員、バイスプレジデント、グループ会社代表取締役として5年間にわたる組織牽引、さらには累計15万部を超えるベストセラーの執筆—。
名実ともに百戦錬磨の事業開発・経営キャリアを歩んできた大塚友広が、2026年8月、創業期にあるZoth Consulting株式会社へCFOとして参画しました。
「人を信じること、社会を信じること、流れを信じること」
そう穏やかに語る経験豊富な経営者が、なぜいま、立ち上げの混沌としたエネルギーに満ちたZothを選んだのか。そして、代表の井上をはじめとするチームの中に何を見出したのか。大塚本人が語った激動のキャリアの原点と仕事観、そしてZothで描く会社の未来についてじっくりと話を聞きました。
大塚 友広
CFO
株式会社イノベーションに新卒1期生として入社し、20代前半で営業の基礎と仕事への責任感を叩き込まれる。24歳で独立起業し、27歳で事業をバイアウト。28歳からは公募により世界遺産・富岡製糸場のプロジェクトに参画し、観光まちづくりの責任者として「世界遺産の果実を、すべての商店・企業へ」を合言葉に地域経済へ世界遺産の果実を波及させる仕事を実行する。その後、複数のスタートアップで執行役員やCOOを歴任。2021年より株式会社イノベーション執行役員およびグループ会社(株式会社InnovationX Solutions)代表取締役に就任し、5年間にわたり経営全般・事業開発・広報PRを主導。2026年に地元・群馬県富岡市の市長選へ挑戦。2026年8月、Zoth Consulting株式会社にCFOとして参画。幻冬舎より出版したゴルフ関連書籍は累計15万部を超えるベストセラーとなっている。
20代での起業・バイアウト、富岡製糸場の世界遺産プロジェクトで培った仕事観
— まずは、大塚さんのキャリアのスタートと、ビジネスパーソンとしての土台が作られた20代前半について教えてください。
大塚: 私の社会人としての原点は、株式会社イノベーションの新卒1期生としての入社でした。当時はまだ社員数も十数名のベンチャーで、営業として文字通り朝から晩まで叩き込まれましたね。
特に印象深く残っているのが、当時の代表とのやり取りです。ある日「1日100件のアポを取れ」と明確なノルマを課され営業に出たのですが、終業後にオフィスに戻ると代表から「今日、何件だった?」と聞かれ、私は「98件です」と正直に答えたんです。あとたった2件。自分の中では「ほぼやり切った」という甘えがどこかにあったのかもしれません。
ですが、代表からものすごい剣幕で怒鳴られました。「お前、何のために仕事してるんだ!」と。その時に痛感したのは、98件か100件かという「件数の問題」ではないということです。「自分が組織や相手に対してコミットした約束を、何が何でも守り抜いたかどうか」という「約束の問題」だったんですよね。98件で満足して帰ろうとするその甘い姿勢そのものを叱られたんです。
どんなに泥臭くても、一度交わした約束は最後まで絶対にやり切る。その積み重ねこそがビジネスにおける信用であり、仕事の本質であるということを、20代前半の多感な時期に体で叩き込まれたことは、私のその後のキャリアにおいて最大の財産になっています。
— その後、24歳で独立起業され、27歳で事業売却(バイアウト)を経験されていますね。
大塚: はい。営業や事業の推進力を身につけた手応えから、24歳で会社を立ち上げました。当時はがむしゃらに顧客を開拓し、事業を形にしていきました。そして27歳の時にその事業をバイアウトし、ひとつの区切りを迎えました。
若くしてゼロからの立ち上げとエグジットの両方を経験できたことは大きな自信になりましたが、同時に「自分は次にどんなフィールドで、どれだけ大きな社会的価値を生み出せるのか」を模索し始めた時期でもありました。
— そして28歳の時、地元・群馬県の世界遺産「富岡製糸場」のプロジェクトに飛び込みます。民間公募に応募されたきっかけは何だったのでしょうか?
大塚: 生まれ故郷である群馬県富岡市にある「富岡製糸場」が、世界遺産登録を目指す国家的なプロジェクトを進めていました。そこで行政と民間をつなぎ、観光やまちづくりを推進する責任者を全国から民間公募していたんです。
当時、私は東京でビジネスをしていましたが、「生まれ育った地域に自分のビジネススキルを還元できる、これ以上ないチャンスだ」と思い、迷わず手を挙げました。運良く選んでいただき、28歳で富岡製糸場の広報PRおよび観光まちづくりの仕事をすることになりました。
当時の写真
— 具体的にはどのような施策を形にしていったのでしょうか?
大塚:単に人を集めるだけでなく、観光客が街中を歩き、地元の商店や企業にお金を落とし、地域経済全体が潤う仕組みを作らなければ意味がない。全ての商店が参加できるプロジェクトをスタートさせました。地域の生活そのものを観光コンテンツに転換する着地型観光プログラムを、約50個立ち上げました。
地元の商店を巻き込んだコンテンツづくりです。地元の呉服屋さんと連携し、観光客が昔の工女さんの袴(はかま)をレンタルして街歩きを楽しめる体験プログラムを作ったり、製糸場の象徴である「繭(まゆ)」の形をしたオリジナル弁当箱を開発したりしました。その弁当箱を持って街に出ると、お米屋さんでは炊きたてのおにぎりを詰めてくれ、お惣菜屋さんでは揚げたてのコロッケを入れてくれる。観光客にとっては楽しい買い食い体験になり、商店にとっては確実な売上になるという「三方良し」の仕組みです。
— 28歳の若さで行政組織や地元の商店街を巻き込むのは、並大抵の苦労ではなかったのではないでしょうか。
大塚: 今振り返るとなかなかな経験でした。(笑)外からの視点を活かし、お客様に受け入れられる形を作るということと、その地に住んでいるから気づかない日常の中にある当たり前のもの。この2つを融合させていくというのは時間をかけて説得していく必要もありました。少なからず、突然やってきた20代の人間に何がわかるんだ?という風土は各所に感じられましたし、色々なことを言われたのも事実です。
しかし、仕事は仕事。誰に何を言われようが、訪れてきてくれるお客様のことだけを考え、それを貫く姿勢を大切にしました。最終的に世界遺産登録は実現し、年間百数十万人を超える観光客が訪れ、地域経済にもたらした経済波及効果は100億円以上とも言われる数字に少しは貢献できたのではないか。と思っています。
— その後、上場グループの代表取締役や、累計15万部のベストセラー作家としても結果を出されています。数々の事業開発において一貫しているポリシーは何ですか?
大塚: 「できないチャレンジはしない。今ある資産や資源の延長線上で、美しく耕すこと」です。新規事業や事業開発で失敗する企業や個人の大半は、「自分がやりたいこと」や「今トレンドの市場だから」という理由だけで突っ走って、自分たちに能力や資産がない領域に手を出してしまうんです。
人にも企業にも、得意なことと不得意なことがあります。ゼロから突拍子もないものを作るのではなく、「自分たちやその地域がすでに持っている唯一無二のアセットは何か」を徹底的に見つめる。そして、その強みを今の時代にフィットする形へと美しく耕し、研ぎ澄ませていくことこそが、最も確度の高い事業開発のアプローチなんです。富岡製糸場のプロジェクトも、街に元々あった歴史や呉服屋、総菜屋というアセットを編集したに過ぎません。
幻冬舎から出版したゴルフの技術書(累計15万部)も全く同じ構造です。私はツアープロでもなければ、プロのゴルフコーチでもありません。28歳から趣味でゴルフを始めた一愛好家です。しかし、プロが感覚で教えるレッスン書に対して、「アマチュア目線で、身体の骨格や仕組みから逆算したスイングの作り方」を論理的に言語化した本は市場に存在しなかった。プロではない自分だからこそ言語化できるアセットを見出し、徹底的に突き詰めたからこそ、専門書としては異例のヒットを生み出すことができたのだと思っています。
大塚が出版した本
「昭和っぽく泥臭く攻める、昔の起業家たち」。あえて創業期のZothを選んだ決め手
— 上場グループ企業の代表取締役などを歴任された大塚さんが、なぜいま、創業期のZoth Consultingに参画されたのでしょうか?
大塚: 私は人生における意思決定において、「人を信じること、社会を信じること、流れを信じること」という3つのポリシーを昔から大切にしています。
どれだけ綿密にキャリアプランを描いたところで、予期せぬ時代の変化や人との出会いによって未来は大きく変わるものです。だからこそ、自分のエゴで無理にコントロールしようとするのではなく、信頼できる人との縁や、社会の大きな潮流に身を委ねてみる。2026年に地元・富岡市長選に挑戦した後、次の展開を考えていたタイミングで、知人を通じて代表の井上さんを紹介してもらいました。それがZothとの出会いでした。
— 代表の井上さんや、Zothのメンバーと対峙した時の第一印象はいかがでしたか?
大塚: 率直に言って、いい意味で「ちょっと昔の起業家っぽいな」という強烈なインパクトを受けました。最近のスタートアップ界隈を見渡すと、洗練されたピッチ資料を作り、スマートにマーケティングを回し、できるだけ効率的にスケールさせようとする起業家が主流です。もちろんそれも一つの強みですが、Zothのメンバーはまるで違いました。
顧客に対する執着や向き合い方が、いい意味で非常に「ねちっこい」んです(笑)。小手先のテクニックに逃げず、真正面から顧客の懐に飛び込み、熱量と泥臭い行動量で相手の心を動かしていく。昭和の高度経済成長期を駆け抜けた起業家たちのような、圧倒的な生命力と攻めの姿勢を感じたんですよ。
— その「泥臭さ」の中に、大塚さんはどのような可能性を感じたのですか?
大塚: 今の世の中、これだけ顧客のために汗をかき、正面から攻め切れるエネルギーを持ったチームは本当に希少です。事業をゼロから立ち上げ、市場に風穴を開けていくフェーズにおいて、最も重要なのは「綺麗さ」ではなく「推進力」です。どれだけ優れた戦略を描いても、顧客を口説き落とし、結果が出るまでやり切る推進力がなければ絵に描いた餅に終わります。Zothには、その突破力が過剰なほどに備わっていた。
大企業で無難に守りに入るよりも、この立ち上げ期の生々しい熱気の中に身を投じる方が、私の血も騒ぎました。関わっていく中で自然と「CFOとして経営基盤を担おう」という話になり、2026年8月に正式にジョインすることを決めました。
「良い会社」とは、働く人と顧客の熱狂で作られる。Zothで描く未来
— 現在、CFOとして具体的にどのような業務領域を担われているのでしょうか?
大塚: 「CFO」という肩書きではありますが、創業期のスタートアップですから、財務や資金管理といった守りの領域だけに留まっていません。
サービスのマーケティング戦略の立案から、商品設計(プロダクト・サービスのパッケージ化)、さらには実際のクライアントとの商談やビジネスモデルの検証に至るまで、攻めの事業推進にも深くコミットしています。現場の最前線で何が起きているのか、顧客は何に価値を感じ、何に課題を抱えているのかを肌感覚で把握していなければ、本当に正しい財務戦略や事業計画を描くことはできません。現場と経営、攻めと守りをシームレスに行き来しながら、事業の解像度を日々高めているところです。
— 大塚さんがこれからZoth Consultingを通じて成し遂げたいこと、そして目指している会社の姿を教えてください。
大塚: 世の中の多くの方々から「Zothは本当にいい会社だね」と言われる存在にすること。そして何より、「ここで働くメンバー自身が、心から『自分たちはいい会社で働いている』と誇れる組織」を作ることです。
では、「いい会社」とは一体何なのか。私は、小手先の売上や見かけの利益の大きさだけでは決して測れないと思っています。社員にとっての本当の働きがいや誇りは、「自分たちの仕事によって、目の前のお客様が心から喜んでくれた瞬間」からしか生まれません。顧客に対して徹底的に寄り添い、期待を超える価値を提供し、感謝される。その結果として正当な対価をいただき、事業が成長し、メンバーの待遇や環境として還元されていく。この健全で力強いサイクルを確立することこそが、私の使命です。現場のメンバーが安心して前線でお客様のために熱狂できるよう、私は経営基盤と構造を盤石なものへと育て上げていきます。
— 最後に、これからZoth Consultingに関わる方や、求職者へのメッセージをお願いします。
大塚: Zoth Consultingに向いているのは、「徹底的な顧客志向を持ち、仕事を通じて何かしらの大きな成果を成し遂げたい人」です。
社内には、一見するとバックボーンも性格もバラバラな、強烈な個性を持ったメンバーが集まっています。しかし共通しているのは、お互いの個性を認め合う器の大きさがあること、そして全員が仕事に対して本気であることです。一度きりの人生、仕事を単なる生活のための作業として無難にこなすだけでは、あまりにももったいないと思いませんか?
自らの手で事業を動かし、顧客を喜ばせ、仲間とともに大きな山を登っていく。ぜひ私たちと一緒に、楽しんで熱狂しましょう!