仕事は、条件だけで選ぶものではない
・・・と思っています。
給与。勤務地。職種。働き方。
もちろん、どれも大切です。
でも、それだけでは説明できないものがあります。
なぜ、この仕事をするのか。
なぜ、この会社で働くのか。
自分は人生を通じて、何を回収しようとしているのか。
少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも私は、仕事とは、自分の原点を社会の中で形にしていくものだと思っています。
自分の原点に向き合い続ければ、仕事はやがて使命になる。
クロスエイジという会社も、私自身の原点から始まりました。
15歳で、起業すると決めた
私は中学3年生の頃に、将来は起業しようと決めました。
当時から、ただお金を稼ぐためだけではなく、何か社会に意味のあることをしたいという思いがありました。
好きな言葉の一つに、
「世に生を得るを事を成すにあり」
という言葉があります。
人は、何かを成すために生まれてくる。
その言葉に、私はずっと支えられてきました。
大学時代には、町田洋次さんの『社会起業家』という本に出会いました。
そこで、「社会問題を事業で解決する」という考え方に強く惹かれました。
ボランティアではなく、事業として社会課題を解決する。
一時的な支援ではなく、継続する仕組みをつくる。
誰かの善意だけに頼るのではなく、経済が回る形で社会を変える。
その考え方が、自分の中に深く入りました。
農業との出会い
大学3年の夏、インターンシップ先のコンサルティング会社で、青果市場の経営改革に立ち会う機会がありました。
そこで初めて、農業界や青果流通の構造を本格的に見ることになります。
いいものをつくっている農家がいる。
でも、十分に評価されていない。
流通の仕組みが複雑で、価値が届きにくい。
価格は相場に左右され、農家の努力が報われにくい。
一方で、食を支える農業には、社会的にも大きな意味がある。
これは、自分が人生をかけるテーマになるかもしれない。
そう感じました。
そこから、農業界・青果流通の構造を分析し、起業の準備を始めました。
23歳。大学卒業後、2005年に株式会社クロスエイジを創業しました。
「お前は農業現場以外のことをやれ」
創業1年目、私にとって大きな原体験になる言葉がありました。
一人の農業経営者から、
「お前は農業現場以外のことをやれ」
と言われました。
もう一人の農業経営者からは、
「これからは、中小企業みたいな農業が必要になる」
と言われました。
この2つの言葉は、今のクロスエイジの原点になっています。
農業を良くするために、必ずしも自分が畑で作物をつくる必要はない。
むしろ、農家が苦手としている販路開拓、商品企画、経営管理、組織づくり、資金調達、人材採用といった領域を支えることで、農業の可能性を広げられる。
そして、農業も家業や個人の努力だけに頼るのではなく、組織をつくり、人を雇い、利益を出し、成長する「企業」になっていく必要がある。
農業を産業へ。
農家をスターへ。
このテーマは、そこから始まりました。
小さすぎず、大きすぎない「中規模流通」へ
創業当初、私たちが着目したのは、小規模な地産地消と、大規模な伝統的青果流通の間にあるマーケットでした。
地元で少量を売るだけでは、農家の売上には限界があります。
一方で、大規模市場流通の中では、農家ごとの個性や価値が埋もれてしまうことがあります。
その間に、可能性があると考えました。
農家のこだわりや強みを理解し、必要としている販売先へ直接つなぐ。
スーパー、外食チェーン、仲卸、商社、加工業者などのBtoB取引先と、全国の産地をつなぐ。
農家に代わってマーケティング戦略を立て、商品価値を伝え、売れる仕組みをつくる。
現在、クロスエイジは全国約200の産地と、全国約200の販売取引先をつなぐ会社へと成長してきました。
これは、単なる流通ではありません。
農家の可能性を、市場の中で形にする仕事です。
カットネギが教えてくれた、マーケティングの力
事業を続ける中で、大きな転機になったのがカットネギでした。
農家がつくるネギを、ただそのまま売るのではなく、使いやすい形に加工し、外食や小売のニーズに合わせて商品化する。
これは、私にとってマーケティングの原点でした。
農家の強みは何か。
取引先は何を求めているのか。
どんな商品にすれば、価値が伝わるのか。
どうすれば、農家も儲かり、販売先にも喜ばれるのか。
ヒット商品が生まれると、農家の経営は一気に変わります。
売上が伸びる。
設備投資ができる。
人を雇える。
新しい事業に挑戦できる。
地域に雇用が生まれる。
商品が変わると、農家の未来が変わる。
この実感が、クロスエイジの仕事をさらに広げていきました。
流通だけでは、農家の未来は変えきれない
流通事業を続ける中で、次第に見えてきたことがあります。
販路をつくるだけでは、農家の未来は変えきれない。
売上が伸びれば、人が必要になります。
人が増えれば、組織づくりが必要になります。
設備投資をするには、数値計画が必要になります。
経営者が次のステージへ進むには、ビジョンや戦略が必要になります。
そこでクロスエイジは、農家向けの経営コンサルティングを本格的に始めました。
長期事業構想。
競争戦略。
年度数値計画。
未来組織図。
評価制度。
KPI設計。
数値管理。
人材育成。
農家を、単なる生産者として見るのではなく、地域の未来をつくる経営者として支える。
この考え方で、これまで累計200社を超える農家さんと向き合ってきました。
組織づくりも、あきらめなかった
クロスエイジ自身も、決して最初からきれいな会社だったわけではありません。
創業当初は、いわゆる文鎮型の組織でした。
社長が先頭に立ち、強く引っ張る形です。
その後、サーバントリーダーシップのような形も試みました。
メンバーを支え、自律的に動く組織をつくろうとしました。
しかし、思うように生産性が上がらず、挫折もしました。
今は、意識構造学をベースに、4つのグループと9つのチームで動くピラミッド型の経営を意識しています。
社員の約半数は新卒です。
青果流通業界では、新卒を主体に営業体制をつくることは珍しいかもしれません。
それでも、配置・評価・教育を整えれば、若い人でも高い生産性を発揮できます。
若い人が育つ会社をつくる。
農業界に人が集まる会社をつくる。
農家を支える人材が育つ会社をつくる。
これも、クロスエイジの大切な挑戦です。
経営は、制約条件へのチャレンジ
経営の面白さは、制約条件の中で未来をつくることです。
人が足りない。
資金が足りない。
時間が足りない。
農産物は天候に左右される。
相場もある。
台風や地震などの災害もある。
それでも、未来に受け取れる果実があるなら、課題は楽しめます。
私はビジョン志向型の人間です。
今の苦労が、未来のどこにつながっているのか。
この挑戦の先に、どんな景色があるのか。
そこが見えていれば、たいていの課題は乗り越えられます。
ただし、社会起業家としての難しさもあります。
ヒット商品をつくるだけでは足りない。
会社が儲かるだけでも足りない。
農家も儲からないといけない。
地域にも意味がないといけない。
働く人にとっても、良い会社でなければならない。
このバランスを取り続けることは、簡単ではありません。
でも、それこそがクロスエイジの仕事の面白さです。
今、力を入れていること
今、経営者として特に力を入れているのは、採用と新規事業です。
クロスエイジは、次の成長フェーズに入っています。
中途も新卒も、バランスよく採用していきたい。
若い人が成長できる会社でありたい。
経験者が力を発揮できる会社でありたい。
上場企業に近い待遇や仕組みも意識しながら、農業界で働く魅力を高めていきたい。
事業面では、拠点展開と資本プラットフォームサービスに挑戦しています。
福岡で培ってきた流通・コンサル・IT・農福連携の仕組みを、仙台、名古屋、関東へ広げていく。
さらに、農家の設備投資、共同事業、M&Aを支える資本プラットフォームサービスを立ち上げていく。
農業には、もっと人と資本が必要です。
人が集まり、資本が入り、成長できる産業へ。
そのために、クロスエイジ自身も次のステージへ進みます。
2035年、100億円企業へ
2035年、クロスエイジは30期を迎えます。
そこまでに、売上100億円。
国内3拠点、海外1拠点。
そして、全国にスター農家を創り続ける農業総合プロデュース企業になることを目指しています。
スター農家とは、単に売上が大きい農家のことではありません。
地域に雇用を生み、
若い人が憧れ、
商品にファンがつき、
経営者として成長し、
地域の未来を支える農家です。
CROSS AGEという社名には、「世代を超える」という意味を込めています。
農業を一代限りの仕事で終わらせない。
次の世代が希望を持てる産業にする。
親から子へ、地域から地域へ、時代を超えて続く農業をつくる。
スター農家は、世代を超える。
その未来を、私たちはつくっていきます。
未来の仲間へ
私は、誰にでも何かしらの原点があると思っています。
悔しかったこと。
違和感を覚えたこと。
どうしても放っておけなかったこと。
なぜか心が動いたこと。
子どもの頃からずっと気になっていること。
それは、まだ言葉になっていないかもしれません。
でも、その原点に向き合い続けると、仕事はやがて使命になります。
クロスエイジで働くことは、楽な道ではありません。
農業は難しい産業です。
流通も複雑です。
農家の経営課題も一つではありません。
成長企業だからこそ、変化も多いです。
でも、自分の仕事で農家の未来が変わる。
地域に雇用が生まれる。
若い人が農業に関心を持つ。
日本の農業が、少しずつ産業として強くなっていく。
その実感を持てる仕事です。
自分にも、人生のテーマがあるかもしれない。
自分の原点を、仕事を通じて回収していきたい。
社会課題を、きれいごとではなく事業で解決したい。
農業の未来を、次の世代につなぐ仕事がしたい。
そう感じる方がいれば、ぜひ一度お話ししましょう。
農業を産業へ。
農家をスターへ。
そして、スター農家は、世代を超える。