福岡県

【COOインタビュー】自身の経験から芽生えたキャリア選択への課題感。リクルートを辞め、Libertyの創業を通して目指す社会とは。

安原和生, Masato Fukagawa

取締役　COO

安原和生

株式会社Liberty /

Masato Fukagawa

株式会社Liberty / 取締役　COO

on 2020-03-16

深川　真人
新卒でメーカーに就職するも、人材業界を志し、リクルートキャリアへ転職。
100社以上の採用支援を行い、マネジメント、事業企画として組織立ち上げ、新規事業立案などに携わる。
「街も人も大好きな福岡に恩返ししたい」という想いから株式会社Libertyを起業。
今回はそんな彼のリクルートでのキャリアを捨てて起業した理由を探っていく。

【では、これまでの経歴を教えてください】

生まれも育ちも福岡で、九州大学工学部を卒業後、日立製作所に就職し東京で働いていました。
3年半働いたのちにリクルートキャリアに転職し、最初は大手からベンチャーまで幅広いフェーズの企業の採用支援をして、マネジメントを経験させてもらい、その後事業企画として組織立ち上げなどをしていました。

そんなとき、代表の神薗と久しぶりに話し、もともと抱いていたキャリアや働き方への課題意識、福岡への思いなどが一致し、Libertyを共同創業する流れになりました。

【もともと抱いていたキャリアへの課題感というのはどういったものですか？

自身の経験から感じていたことなんですが、学生時代は工学部出身ということもあり「ものづくりを世界に届けたい」という軸で就職活動を行い、第一志望だった日立製作所に入社しました。
しかし、どうしても知識習得に時間がかかる領域で、一人前になるまでに長い修行期間が必要でした。

イメージしていた働き方や成長スピードとギャップがある中で自身のキャリアを見つめ直し、転職を視野に入れたときに、「自分が一度決めて踏み出したキャリアをそう簡単に見直していいんだろうか」みたいな想いがあり悩んでいたんですけど、あるとき、はっと気づいて。

「キャリアチェンジしていいのかなんて、悩んでること自体がおかしい。やりたいこととか、考え方とか個人の置かれている状況って変わるのは当たり前」だなと。

そして、「個人が置かれている状況や考え・価値観が変わったときに次の道を選択でき、そんなチャレンジを応援できる社会じゃないと一人一人が幸せになれない」なと。

当時は今ほど転職が当たり前な空気ではなかったこともあり、転職やいわゆる「普通の人生」からはみ出すことを応援されない雰囲気が強くて、新卒で入った会社で勤め上げるのがあるべき姿だと思われている。これ相当やばいんじゃないのか。とも同時に思いました。

そこからキャリアの選択をやり直せる、人材の流動性が高い社会じゃないとダメだなと思い、人材業界の中途領域で働きたいと思ってリクルートキャリアに入社し、中途採用部門の立ち上げに関わりました。
「新卒一括採用がクソだと思ってるので、中途やらせてください」みたいなことを面接で言った記憶があります（笑）

そんなリクルート入社前の考えを書き出した紙があるんですが、創業時に久しぶりに見たら根本的には全く変わっていなくて驚きました。

【なるほど。自身の経験からキャリアへの課題感が生まれたんですね。もう一点、福岡への思いを聞いていいですか】

そうですね。一つは大学の時に学生団体を立ち上げ、大学や地元企業や行政と連携して街おこしをしていたことがあります。その期間が人生における大きな影響を与えてくれたので、自分を育ててくれた福岡に恩返ししたいという気持ちもありました。あとは、単純に福岡の人や街や食べ物が好きで、もはや愛着ですかね（笑）

その後、日立とリクルートは東京だったんですけど、福岡に戻りたいなって思いが段々大きくなっていって。東京で福岡出身の人たちで話す機会があると、みんな「福岡に帰りたい」とは言うんですが、実際に福岡に戻る人って少なくて。それって福岡の仕事の量や給与面など色々な理由があるんですが、実際に自分も福岡に戻ろうとした時に、選択肢の少なさを感じましたね。

まだまだ、東京から見た時の福岡の選択肢って難しい面もあるので、魅力ある会社をさらに増やしたいし、Libertyっていう会社がその中のひとつになりたいとも思ってます。そうすれば、福岡にいろんな人が帰ってきやすくなってどんどん活性化されていくと思うので。

そうやって福岡に価値を返していきたいですね。

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東京・大阪・福岡で、成長企業と若手人材のマッチングを中心に、HRサービスを展開しています。これまで5期連続での増収・黒字決算を実現しており、売上高も平均して前年比170%の成長を遂げてきました。 ◆転職支援事業企業のビジネスモデルやターゲット像を深く理解した上で、求職者個人のスキル経験だけでなく価値観も踏まえた提案により、双方にとって良い未来を作ることにこだわっています。 ◆就活支援事業就職活動を控える学生には、今後の人生における「どんなキャリアにしたいか」「どういう人でありたいか」など、ビジョンの解像度を上げて納得のいくファーストキャリアを歩むお手伝いをしています。 ◆新規事業企業と優秀な学生が出会えるプラットフォームとして、学生長期インターンの検索メディア「Seek」を新たにリリースしました。今後も社会のニーズや会社の成長に合わせ、積極的に新規事業へ着手していきます。

株式会社Liberty

【今、ちらっとLibertyという会社への想いが出たと思うんですが、Libertyを起業したきっかけと会社への想いを教えてください】

もともと、リクルートでの経験から、成熟した組織の中で自分の価値を発揮するというのは一定出来る実感はあったので、0から自分で組織を作っていく、0から価値の届け方を設計して実行していくことをしたかったんです。

福岡ということも大きかったですね。先ほど話した東京から見た時の福岡の課題感を感じていたところもあったし、福岡であればビジネスチャンスもありながら、マーケットに一定の影響や価値を与えられるかなと。

自分が思い入れのある人材領域で、さらに福岡で勝負ができる。これはチャレンジするしかないと思い、同じ志を持っていた神薗と起業しました。

会社への想いとしては、Libertyが福岡に働き方の多様性を作っていけたらと思っています。
最近は転職は当たり前になってきた流れは感じるものの、まだまだ正社員でないといけないとか、毎日会社に通わないといけないとか、そんな風潮が残っていると思うので、生き方や働き方の選び直しができる社会を実現するためにも、もっと働き方において多様性を持たせなければならないと思っています。

【今、実際に人材領域で福岡で起業してどうですか？】

めっちゃ楽しいです！（笑）

転職エージェントではあるものの、目の前の人にとことん向き合うことを大切にしているので、一緒に人生のことを考えて、今まで見つけられなかった自分の強みや可能性を発見してくれて、その結果転職をしないって方ももちろんいるし、新しい趣味に向かう人もいるし、留学をする人もいるし。
そんな転職以外のチャレンジも心から応援できるスタンスを取れているのは大きいかもしれません。

人生の転機に関われていることがすごく楽しいし、やりがいも感じています。
ただ、もっと福岡に価値を返していきたいと思っているので、福岡の人材領域で影響力を持てる存在にならなければなりませんね。