商業空間を起点にしたまちづくりがしたい。J.フロント都市開発が行う不動産開発の特徴とは?- Member Interview 仲田 浩之(開発部マネジャー)
大丸松坂屋百貨店やパルコなどを擁するJ.フロントリテイリンググループの一員として、グループ全体のデベロッパー事業を担い、多様な都市生活提案と魅力的なまちづくりを推進するJ.フロント都市開発。
今回は、開発部マネジャーの仲田さんにインタビューを実施しました。
2011年パルコに新卒で入社した仲田さんは、開発以外にも様々な部門での業務経験があります。各部門での経験が、開発業務にどのように活かされているのか?
開発部の業務内容やJ.フロント都市開発ならではの特徴に焦点を当てて、お話を伺いました。
Profile
仲田 浩之(開発部マネージャー)
大学・大学院で建築学を学んだ後、2011年に株式会社パルコに入社。営業、総務、建築担当と幅広く経験をした後、開発部へ異動。現在はマネジャーを務める。
訪れる人びとが利用するシーンを思い描き、まちを表現すること。
▼まずは、これまでのご経歴を教えてください。
開発部マネジャーの仲田です。2011年に新卒でパルコに入社し、営業、総務、建築担当、開発と幅広く経験してきました。大学では建築やデザインを学んでいたこともあり、建築部で1年ほど経験したあと、当時の上司に打診されて開発部へ転務し、現在まで不動産開発の仕事をしています。
<仲田さんのこれまでの経歴>
2011年 吉祥寺パルコ 営業課 テナントリーシング・販促・予算作成など
2013年 名古屋パルコ 総務課 ES向上・建物修繕対応など
2015年 名古屋パルコ 営業課 テナントリーシング・イベント販促・催事など
2017年 建築部 新店(渋谷パルコ・心斎橋パルコ)・既存店担当
2018年 開発部 大型開発案件推進(CRE)・都市計画協議推進
2023年 J.フロント都市開発株式会社設立に伴い、株式会社パルコより出向 引き続き開発業務を担う
▼本当にいろんな経験をされてきたんですね!
そうですね(笑) まちづくりとは、訪れる人々が利用するシーンを想い描き、表現していくことだと考えていて、頭でっかちに理想プランだけを描くのではなく、手ざわり感を持って開発計画を考えられるようになったのは、他でもない店舗での経験があったからと感じており、今の開発業務にも活きています。出来たばかりの会社でもあり、店舗運営等の現場経験、異業種での経験値を活かすことができるのが当社グループの強みです。
▼建築学部出身とのことですが、建築事務所やゼネコンなどは就活時の選択肢になかったのですか?
当時はあまりなかったです。建物の造り方ではなく、建物を媒介に、まちに人を促すような仕事がしたくて。株式会社パルコが商業施設を媒介として、エッジの効いたギミックでまちの活性化の一翼を担っていることを、自分自身イチ消費者として肌で感じていたので、将来的にチャレンジしたいことと1番イメージが合うと感じ入社を決めました。パルコも J.フロント都市開発も会社の哲学は同じなので、共感頂ける方は当社がマッチすると思います。
▼他にも、これまでの経験が現在の仕事に活きていると感じることはありますか?
いろいろな人とのつながりができたことです。現在はデベロッパーの社員という立場で仕事をしていますが、例えば地元のまちづくり団体、地方の知る人ぞ知る銘店オーナー、イベントで地域を盛り上げるプロモーターのように、階層やアプローチは違うけれど、それぞれまちを盛り上げたいという目的を持った人たちと知り合えたことは大変良かったと思います。また、行政や商工会議所、地元商店街組合のような、昔からまちを支え続けている方々とも会話する機会があり、まちの成り立ちを実感できたことは、自身の経験としても大きかったです。
J.フロント都市開発の強みは、商業にある。
▼J.フロント都市開発の特徴を教えてください。
まずJFRグループとしては、優良資産を全国に持っていることです。特に名古屋・京阪神エリアには元々百貨店が所有していた施設が多く、それらを活用した不動産戦略を検討できることは当社の特徴です。また、他社に比べて、商業の作り込みに強みを持っており、グループ最大の強みを活かした開発検討が可能な点も当社の特徴です。
▼その中で、開発部のミッションを教えてください。
開発部の短期的なミッションは、進行中案件の推進と新規案件の取得です。案件推進においては専門のチームが日々走り回っていますし、新たな開発案件の取得においては、物件情報や他社動向等の把握に努めています。中長期には、現在当社グループが所有している不動産を、エリアとしてどう機能更新していくのか、10年/20年後の将来ビジョンを描くことが、チームとして求められています。
▼具体的には、どのような業務を行っているのですか?
グループの重点7エリア(東京、札幌、名古屋栄、心斎橋、京都、神戸、福岡天神)において、まちの将来ビジョンを考えていき、物件取得/建替え/リノベーションなどの開発手法を検討します。開発段階では、事業計画の立案、行政機関との都市計画協議、建築部と連携し建築計画の検討など、様々な部門と連携し、開発全体の進行を管理する役割を担います。社内外に関わる人が非常に多く、密接なコミュニケーションが求められます。
▼これまではどのようなプロジェクトに関わってきたのですか?
開発部としては福岡パルコの再開発プロジェクト、名古屋の錦三丁目プロジェクトにも少し携わっていました。建築部として渋谷パルコや心斎橋パルコの建替えなどです。特に福岡パルコプロジェクトには、開発初期段階から携わっておりましたので思い入れもかなりあります。
▼仲田さんの中で、印象に残っている仕事はありますか?
福岡パルコプロジェクトでは、地元の人たちと一緒に将来の計画を検討し、行政手続きを進めていきました。プロジェクトには私たちのようなデベロッパーだけでなく、地元商店街、鉄道会社や銀行、そこに行政も加わり非常に多くの関係者がおり、一つの計画にまとめ上げるのが難しい状況でした。何回もコミュニケーションを重ね、時にはお酒を酌み交わし、時には地元イベントに参加しながら、少しずつ関係者との距離が縮まっていき、最終的には天神ビッグバンの行政認定を勝ち得たことに、大きな達成感がありました。行政許認可のみならず、まちと関わるプロジェクトでの経験をもっと増やしていきたいと考えています。
各領域のプロフェッショナルが近くにいる。そんな環境です。
▼現在のチーム体制を教えてください。
メンバー数は11名で、30代・40代が中心のチームです。グループ会社からの出向メンバーが半数、半数が中途入社です。プランニングから建物が建つところまでは短くても5年程度はかかり、2~3人の開発担当がついて、各プロジェクトの細部を進めています。
▼中途で入社されたメンバーにはどのようなバックグラウンドの方がいますか?
例えばオフィスのデベロッパーに所属していたメンバー、ゼネコンで不動産開発に携わっていたメンバーがいます。中にはデベロッパーを経験後、事業コンサルタントとして当社のプロジェクトに関わっていて、そこから転職をしてくれたメンバーもいます。ワークライフバランスを整えたい、年齢をきっかけに新しいことにチャレンジしたいなど転職の理由は様々です。
100人規模の会社なので、一人ひとりが自分の想いを発意しやすい環境だと思います。先ほどの重点エリアを中心に都市型の開発に携わりたい、新しい発想でまちを変えていきたい、百貨店やパルコのような商業施設に興味がある、などという方は当社にマッチするのではないかと思います。
▼活躍している人の共通点はありますか?
様々なことに興味を持ち、柔軟に受け入れられる人ですね。壁にぶつかってもくじけずに、前向きに取り組める人は周りからも応援されて、活躍しているイメージです。
▼チームの課題感などあれば教えてください。
中途の方を含め、スキルは十分に備わっていると思います。各スタッフのリーダーシップを高めること、若手メンバーのスキルを底上げすること、成長を促す環境を整えることが喫緊の課題かなと思います。
▼マネジャーとしてメンバーとのコミュニケーションでは、どのようなことを意識していますか?
チームミーティングだけでなく定期的に1on1を行っていますが、個性を引き出すことを意識しています。それぞれのキャリアプランを共有してもらい、時には厳しい指摘もさせてもらいながら、自分が少しでも助けになれればよいと思っています。
また、コミュニケーションの機会をできるだけ増やして、メンバーと目線が食い違わないように気を付けています。それぞれの出張や外出もありますが、1週間まったく会わないということはありません。リモート環境でもグループチャットなどのコミュニケーションを活発にしてくれていると思います。
ーーー同席していた人事メンバーから
「私も最近入社したばかりで、社内メンバーに話しかけるのは緊張することもあるのですが、仲田さんはいつでも話しかけて良いオーラで、安心感があります!!」
▼仕事に対する考え方や、大事にしていることを教えてください。
まずはやりきるということです。精神論のようになってしまいますが、やると決めたことは投げ出さずに最後までやり遂げるという姿勢は管理職になる前から大切にしていますし、チームメンバーにもそうであって欲しいと思っています。たとえ結果はどうあれ、真剣に向き合った時間は嘘をつかないと感じているからです。
また、いつでも落ち着いた振る舞いができるように意識しています。人間なので落ち込むこともありますが、それは自分の感情の問題に過ぎないと割り切って、できるだけ泰然自若に振る舞うように心がけています。
▼将来的にチャレンジしたいことはありますか?
物件取得やCRE戦略のみならず、まちづくりにもっと広く携われる取組みで、当社の色が表現できるようになると良いかなと。例えばMaaS事業やリゾート事業のような、新しい取り組みも会社に必要だと感じているので、柔軟にチャレンジしてみたいですね。
▼最後に、このストーリーを読んでいる方へメッセージをお願いします。
風通しが良く明るい会社ですし、相談しやすい環境が整っています。すぐ近くに各領域の専門家がいて、助け合いながら仕事を進められる、そんな環境だと思います。一緒に働ける日を楽しみにしています!